妙見の森フリーパス

妙見の森フリーパス(2023年度版)

能勢電鉄が、妙見山への参拝の足、ないしはレジャーの足として妙見の森ケーブル、リフトを運営していますが、そのケーブル/リフトも含めた能勢電鉄が乗り放題のきっぷがこの「妙見の森フリーパス」です。

今回購入したのは能勢電鉄にプラスして阪急電鉄も乗り放題に加わった阪急版で、販売価格は1600円。スルッとKANSAIの磁気カード形式で販売されており、基本的に期間内の1日で使用可能です。

なお、能勢電鉄のみの場合は1200円。ケーブル、リフトを往復利用すると1600円なので、公共交通機関で妙見山に向かう場合はこのきっぷを使うのがマストでしょう。
なお、ケーブル、リフトは多客期を除いて毎週火曜水曜は運休するので、利用の際は運行しているかの事前の確認が必要です。

山登りするマルーンの電車

妙見口に着いた電車
山間を縫うようして走った2両のマルーンの電車が妙見口駅に到着。
行き先がLEDなのが若干違和感だけど、まぎれもなく5100系

阪急電車はなんとなくのイメージですが、都市間や住宅地を結ぶ電車を走るイメージがあります。
能勢電鉄は阪急の川西能勢口から阪急の支線のように線路が伸びているので、沿線も阪急の延長と思いきや、沿線風景は大きく印象が異なります。

車両こそは阪急おさがりのマルーンの電車で、梅田から乗ってくるとまるで同じ会社の電車のように川西能勢口で乗り換えが可能ですが、景色は山間部に分け入っていきます。
そして途中の山下で妙見口行きに乗り換えると、谷間を分け入りながら、急こう配、急カーブを上っていく元阪急の5100系電車の姿がありました。
終点の妙見口は谷底にある駅で、田舎の末端駅のような印象です。

妙見ケーブル
妙見の森ケーブルは勾配は最大23度。5分でふもとの黒川駅と山上駅を結びます。

妙見の森ケーブルの黒川駅までは、妙見口から徒歩25分。ただし、基本山登り区間で、かつ猛暑でもあったので、ここは迷わずバスを選択。
バスだと5分ですが、「妙見の森フリーパス」は利用できないため、別途運賃(170円)が必要となります。
もっともバスは本数が少なく、さらに土曜はバス便自体がないので要事前確認。

山上駅には杖が置かれており、足腰が弱い人は杖を使うこと推奨。
ここかたリフトの乗り場まではかなり急な坂道を登っていきます。
だいたい5~6分ほど歩くとリフト乗り場に到着

リフト
妙見の森リフト。あじさいが綺麗です。

太平洋戦争以前はこの区間もケーブルカーだったそうですが、戦後に復活する際にリフトに替えられたそうです。
その撤去したケーブル設備は箱根の十国峠のケーブルに転用され、現在も使われています。十国峠のケーブルカーと印象が近いのもそのため。

ケーブル跡に敷設されたせいか、リフトも基本的にはずっと山登りの状態で上がっていきます。途中あじさいが咲きほこり、手を伸ばせば届きそうなぐらい近いところも。
所要12分。ようやく妙見山に到着しました。
ここから徒歩で10分ほどつくと能勢妙見山の鳥居が見えてきます。

鳥居と十字のお寺

能勢妙見山
能勢妙見山入り口に立つ鳥居。これを見るとなんだか神社のようにも見えてきますが、実際は寺院になります。

リフトを降りて10分ほど歩くと大きな鳥居が。ここが能勢妙見山の入り口にあたります。これだけ見ると神社?と錯覚しますが、ここは寺院。神仏習合時に建てられたもので、明治の世の中になって神仏分離令で神と仏が引き離されても鳥居が残ったままとなっています。
正式名称は「無漏山眞如寺境外仏堂能勢妙見山」。

神社と同じく一礼して境内に入ると、2頭の馬が

神馬の像
鳥居をくぐると見えてくる馬の像。十字が描かれ、これは境内のあちこちで見られます。妙に洋風で、シンボルの十字もなんだかキリスト教の十字架のようにも見えてきますね。

これは神馬だそうで、境内に大小12体いるそうです。
妙に写実的で、装束も含めてなんだか海外の馬の像にも見えてきます。
この十字が十字架・・・なわけがなく、北極星をイメージしたものだこと。このお寺では北極星信仰で知られ、北極星の神様である「妙見大菩薩」を祀っています。菩薩なので仏様ですね。

ただし、妙見山自体は全国に存在し、「妙見」自体が北辰妙見信仰との関連しているため、ここのみの話ではありません。そして妙見菩薩を祀っているところが多いです。

そこから坂を上っていくと不思議な建物が

信徒会館「星嶺」
ガラス張りの近代的な建物は信徒会館「星嶺」。ここで法話や集会などが開かれます。通常は中に入れません。

木とガラス張りの近代的な建物、信徒会館「星嶺」です。
寺院らしくないこの建物で、イベントなどが行われています。通常は入れませんがHPなどで告知されているそうなので、要チェック。

ここまで神社みたいな鳥居に十字を背負った洋風の馬、ガラスと木でつくられた信徒会館と、なんかお寺らしからぬ感じですが、本堂はいたって普通の本堂?でした。

本堂
本殿はいたって普通のつくり。北辰妙見大菩薩が祀られています。

ただし、ここでは本堂とは言わず、神社風に本殿と呼ぶのが正しいそうです。さらに、祀られている北辰妙見大菩薩が鎮座している場所は御宮殿と呼ばれ、このあたりも神社と寺院のあいまいさが出ていますね。
菩薩は紛れもなく仏様なのですが。。。。

妙見の森廃止

足湯
ケーブル山上駅に設置された足湯。湯につかりながら山上からの景色を一望できます。

本殿参拝後、きた道を引き返します。
ケーブル山上駅からだとかなり歩くことになるので、かなり足にくるかも。そういうタイミングになりそうなケーブル山上駅に隣接して足湯が設置されています。

有料ではあるものの、妙見の森フリーパス利用者は無料。
ケーブル待ちのしばらくの間、足を休めることができます。

いたせり尽くせり感があってまる1日過ごせそうな妙見山ですが、このうちケーブル、リフトおよび足湯等も含めた付帯施設は、来年6月に廃業することが決定しました。(2023/10/03補足:繰り上げが認められ、2023/12/03が最終営業日となりました。)

妙見山で展開する「妙見の森関連事業」の終了および鋼索線(ケーブル)の廃止届の提出について

訪問したときは夏休みとはいえ、平日だったこともあって閑散としていましたが、おそらく廃止が近づくにつれて加速度的にお別れ乗車?組が増えてくると予想されるので、ケーブル、リフト目当てならば早めの訪問をお勧めします。

5100系復刻
昔の能勢電鉄の塗装を復刻した車両です。同じ5100系でもかなり印象が違いますね。
5100系復刻編成車内
復刻編成の車内には過去の能勢電鉄の写真なんかが展示されています。

妙見口からの帰りの電車は復刻塗装編成でした。
車内には、昔の能勢電鉄の写真なんかが展示されています。マルーンの5100系と同一形式なのですが、色が違うとかなり印象が違いますね。

なお、この復刻塗装編成は既に運行は終了し、マルーン塗装に戻すため昨日(9/8)に阪急電鉄の正雀工場に回送されたそうです。

内装のパネルとかはどうなるのでしょうか。

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