パールカード11(近鉄回数券カード)

最近、JRをはじめ回数券の廃止が多く見られます。
大手民鉄でも廃止の流れが続く中、カード式回数券を導入していた近鉄もついに今月末(2024年2月末)で販売を終了することになりました。このほか、関西では大阪メトロも2024年3月22日で回数カードの販売を終了するとのことです。
そんな近鉄の回数券カードです。

普通の回数券は11枚分を10回分の料金で支払うと、11枚分のきっぷが出てくるパターンが多いですが、近鉄や阪急、阪神、大阪メトロなどではこのようなカードタイプも存在しました。このうち、阪神、阪急は通常の2020年まできっぷタイプも併売していましたが、近鉄は回数券は早々とカードタイプに統一。このため、事実上ばら売りができない近鉄の近距離回数券は金券ショップに出回ることはなくなりました。

余談ですが、2020年に阪急、阪神が回数券のきっぷタイプを廃止して、カードタイプに統一したとき、一番ダメージを受けてたのは金券ショップと言われていました。
きっぷタイプの11枚つづりの回数券を購入してバラ売りしていましたが、カードタイプはそうすることもできず、取り扱いをやめざるを得ない店舗が続出したとのことです。

なお、自動改札ができない駅や2人以上で使う場合はあらかじめ券売機で引き換える必要があるのは面倒な部分ですが、通常利用ならばきっぷをなくす心配が少ないカード型というのは使い勝手が良かったのではないかと思います。
近鉄の回数券カードはいわゆる汎用型で、「パールカード11」という11回分を10回分の料金で利用できるものと、平日の朝夕ラッシュ時以外に使える12回分を10回分の料金で利用できる「オフピークチケット」、土休日のみ使える14回分を10回分の料金で利用できる「サンキューチケット」に分かれており、発売時に印字される形になっています。
回数の穴が14まであるのは「サンキューチケット」使用の想定のためです。

関東私鉄ではパスネットの終了とともに裏に印字する磁気カードタイプの乗車券自体を東京メトロなど一部を除き順次終了しました。
しかし、関西私鉄ではスルッとKANSAIカードが終了しても、もともとフリーきっぷなどはスルッとKANSAI規格の磁気カードで統一していたので、改札機に印字の仕組み自体は各社残っており、回数券カードにも印字されていました。
2023年の阪急、阪神、そして2024年の近鉄および大阪メトロの回数券カード廃止で、改札機の維持費がかかると言われる「スルッとKANSAI規格の磁気カード」そのものがどうなるか気になるところです。

なお、関東大手民鉄では2024年2月29日に京成電鉄、2024年3月15日に京浜急行の回数券発売終了で、すべての大手民鉄で発売終了することになっています。回数券が過去帳入りするのもまもなくのようです。

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