乗車券往復割引きっぷ(長万部~函館)

乗車券往復割引きっぷ(長万部~函館)

乗車券往復割引きっぷ(函館~長万部)かえり。
帰り券です。函館側の乗降駅は函館~新函館北斗のいずれか任意の駅になります。

長万部~函館駅の「乗車券往復割引きっぷ」です。
函館~長万部間の普通列車で往復乗車するときに発売されます。特急乗車時は、特急料金別払いで乗車できます。
函館発では設定されず、長万部駅発のみの片側発売なのでちょっと使いづらいかも。
価格は3790円。割引しない価格が4840円なので、約21.6%引き。

もともと同区間は特急自由席で往復できる「Sきっぷ」が設定されていました。
このときは函館発も購入できました。

上記時点では4680円。この乗車券往復割引きっぷ置き換え直前で4810円ですので、正直なところかなりの値上げの感はあります。まとめるとこうなります。(2016年時点の比較)

きっぷ名 普通列車往復特急自由席往復
往復乗車券4320円7920円
Sきっぷ(2016年3月廃止)4810円
乗車券往復割引きっぷ3390円6990円

函館~長万部の特急自由席往復の場合、長万部発だと2000円以上の値上げ、函館発の場合は「乗車券往復割引きっぷ」が使えないため3000円以上の大幅値上げになっています。
もっとも長万部発で特急利用の場合「北斗オプション特急券」という格安の特急券があり、値上げが緩和(場合によっては値下げ)されていますが、函館発はそういうものは一切ありません。

基本的にJR北海道のスタンスとしては不祥事発覚によるの経営危機以降、競合する交通機関がない場合トクトクきっぷの廃止や値上げを積極的に行い、収入の最大化を行う傾向にあります。ただ、それがきっぷの仕組みをややこしくなっている気がしますが。。。

いっそのこと首都圏の特急のように、こういう往復割引きっぷ系は全部廃止して、競合する交通機関がある場合は割引きっぷはチケットレス割に移行するのもありかな、とは思います。きっぷヲタにとっては悲しむべき話でしょうが。
えきねっとアプリの改修が必要ですが、チケットレス自体は既に一部区間では導入されているので導入自体は難しくなく、現にJR四国ではほぼ全線で「スマえき」アプリとして開始されています。(後日紹介予定)JR西日本も在来線特急のほとんどでチケレス乗車で割引しています。
きっぷ購入での乗車は大幅値上げになりますが、それは発券コストを乗客に負担してもらうということで。

今後が懸念される長万部~函館

長万部駅で待つ函館行き普通列車
長万部駅で発車を待つ函館行き普通列車。発車直前でもひっそりしてます。

6/5の記事の続き)

長万部から函館間の普通列車は最近も何度か取り上げています。ただ、18きっぷ期間中だったりして、どうしても同好の士(=乗り鉄)が多く、乗車実態はよくわからない感じです。

4/23は青春18きっぷも北海道・東日本パスも使えません。しかも前後の普通列車との接続もないということでより実態に近い乗車状況になるだろう、と今回はあえてここで普通列車を組み込みました。
きっぷを購入して3番ホームに上がると、既にキハ40形の一両編成が待機中。

車内
車内は予想通りガラガラ。客は3人で、これが実態といったところでしょうか。

長万部発車時点で客は自分入れて3人。予想はしてましたが、まあこんなものでしょう。
うち2人は自分と、乗り鉄っぽい人だったため、実質地元民は一人ということに。
北海道新幹線開通で長万部~新函館北斗の在来線の処遇について話題になっていますが、少なくとも普通列車だけで成り立たせるのはとてもじゃないけど難しいのではないでしょうか。

個人的には廃線かなあ、とは思います。正直貨物輸送は鉄道より船舶のほうが安定的で時間に正確な輸送が可能なので、鉄道を維持する金を港湾・船舶に回すほうが効率的に見えるからです。もっとも廃線になるとJR貨物の経営がピンチになるのは火を見るより明らかですが。

貨物駅の中ノ沢駅
中ノ沢駅。車掌車を使用した駅舎は北海道では少しまえまで当たり前に見られましたが、廃駅の進行と老朽化により取り壊しで急速に数を減らしています。

ガラガラの気動車は長万部を発車。特急が行きかう路線で路盤がいいのと、キハ40のエアサスが効いて滑るような走りは相変わらず。
最高速度120km/hの同区間のキハ261「北斗」よりも揺れが少なく、素晴らしい乗り心地です。
中ノ沢で車掌車改造の駅舎を見かけましたが、そういえば最近こういう駅も減ったなあ、と。
国鉄末期に貨物列車の車掌乗務廃止に伴って大量に余った車掌車を使用して、こういう駅舎が大量にできましたが、こちらも老朽化と廃駅によって急速に数を減らしています。

廃駅というと、函館~長万部間でもかなり駅がなくなっており、長万部側から

・北豊津
・鷲ノ巣
・本石倉
・石谷
・東山
・桂川
・姫川
・銚子口
・流山温泉
・池田園

実に10駅におよびます。大半が元信号場だったり、臨時駅だったのを国鉄末期に昇格した駅がほとんどですが、中には池田園のようなかなり歴史ある駅だったり、JR北海道が観光開発のために設置した流山温泉駅のような駅も含まれています。
なので、時刻表も一昔前と比べるとこの区間がずいぶんスカスカになりました。

海と貨物列車
海沿いを走行中。前方から貨物列車が接近。
複線区間も多いため、このように貨物列車とすれ違う機会も多いです。

このあたりの海沿いの区間は好きで見入ってしまいます。海沿いの区間は森で終了。
森からは駒ケ岳・大沼公園経由と、渡島砂原経由(通称・砂原線)に分かれ、特急は距離の短い駒ケ岳経由ですが、こちらは砂原支線を経由します。

森を発車。しかしスピードが上がりません。40kmぐらいで徐行運転します。
どうも路盤が軟弱で、森~渡島砂原~銚子口信号場間はずっと徐行運転しているとのこと。時刻表上のダイヤもその前提で組まれているそうです。

ふーんと思って、古い時刻表と比較すると
2023年:森駅14:53発~掛澗駅15:06着(表定速度29.1km/h)
1980年:森駅14:55発~掛澗駅15:07着(表定速度31.5km/h)

あんま変わってなくね?

ついでに長万部~森間で比較すると
2023年:長万部駅13:37発~森駅14:46着(表定速度54.6km/h)
1980年:長万部駅12:41発~森駅14:32着(表定速度33.9km/h)

・・・
なんてことはない、昔が遅すぎただけなんですね。。。
ちなみに昨年までは森~長万部を63分で走破する普通列車がおり、表定速度59.8km/hに達し、
キハ40とはいえ、馬鹿にできない数値を叩き出しています。

とはいえ、森駅を境に表定速度が25km/hも落ちると、その落差ですごく遅く感じます(笑)

鹿部駅
鹿部駅で反対列車の待避。10年ほど前まではトワイライトエクスプレスなど優等列車も通った線路ですが、現在は普通列車のみの運転です。長いホームがかつての栄華を物語ります。

鹿部駅で対向列車との待ち合わせ。
長いホームに1両だけぽつんとただずむ姿が、かつて優等列車も行き交っていた幹線だったことを主張しているようです。

6/9の記事に続く)

 

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