札幌~苫小牧間の往復割引きっぷです。特急料金は含まれておらず、特急乗車時は別途特急券が必要です。
従来は札幌~苫小牧間は「Sきっぷ」「札幌休日きっぷ(苫小牧発のみ)」が設定されていました。これは特急自由席で札幌~苫小牧間を往復できるきっぷです。
それが2016年3月に廃止されてこの「乗車券往復割引きっぷ」に衣替えしました。具体的にはこんな形です。
きっぷ名 | 普通列車往復 | 特急自由席往復 |
---|---|---|
往復乗車券 | 2900円 | 5160円 |
Sきっぷ(2016年3月廃止) | — | 3040円 |
札幌休日きっぷ(2015年3月廃止) | — | 2600円 |
乗車券往復割引きっぷ | 2280円 | 4540円 |
札幌休日きっぷは土休日のみ利用可能で苫小牧発のみ発売です。
なお、2019年10月に値上げが行われ、往復乗車券が3360円、乗車券往復割引きっぷが2640円に改められています。割引率は値上げ前も後も変わらず約21%。
なお、札幌苫小牧間はこの「乗車券往復割引きっぷ」専用の「すずらんオプション特急券」があり、このきっぷと組み合わせることで340円で「すずらん」の特急自由席を利用できるようになります。(北斗は乗車不可)
またえきねっとトクだ値(チケットレス)とも組み合わせが可能で、こちらは「北斗」「すずらん」の指定席が利用可能で1340円追加で可能です。(通常の特急料金は1680円)
Sきっぷが廃止され、この乗車券往復割引きっぷが登場したときかなりの反発があったそうですが、JR北海道の意図としては「北斗」の自由席に苫小牧~札幌間の乗客が集中するのを避けたいとのことなので、まあ致し方なしといったところでしょうか。
個人的には「エアポート」と乗り継ぎで利用すれば苫小牧~札幌は普通列車でもそんなに苦労することはないと思っているので、乗り方が選べる現在の方式は理にかなっているのではないかなと思います。
最後の活躍キハ143
札幌->苫小牧方面ですが、普通列車は通常は苫小牧行きの電車が発車していきますが、1日1本東室蘭行きがあり、こちらはキハ143型気動車2両が活躍しています。
こちらはもともと学園都市線札幌~北海道医療大学間で使用されていたものを、室蘭本線に転属させて使用しているもので、現在は苫小牧~室蘭間で主に使用されています。
そんな東室蘭行きは朝6時台の運転です。早朝にもかかわらずすでに鉄道ファンがそこそこ見られました。というのもこのキハ143は2023/05/20に新型電車737系に置き換えが決定しているためです。
車体側面は塗装が剥げた跡やパテで補修した跡がそこかしこに残り、かなりくたびれた印象です。まあ離脱直前ということで、こんな形なのでしょう。
車内はボックスシートが並びます。もともと混雑が激化していた学園都市線で使用されていたためか、ボックスシートにもつり革がずらり。
しかし、これはJR北海道の車両の特徴でもあるのですが、飛び石の窓ガラス破損対策として、窓にポリカーボネート樹脂が取り付けられているため、紫外線によって黄色に変色してしまい外がほとんど見えません。(車のヘッドライトが黄色くなるアレです。)
このため、北海道の車両は車窓を楽しめない車両も多いのですが、ここまで酷いのは初めてです。発車後外を見ましたが、あまりにも酷いので途中車窓を楽しむのはあきらめました。
札幌を定刻に発車。意外と飛ばします。車体こそはボロではあるのですが、エンジンは450 PSと一般形気動車としては最強クラス、さらに足回りも当時の新型車両であるキハ150にそろえられており、快調に飛ばします。特に駅間距離が長い南千歳~沼ノ端では時速110kmをマークし、電車と遜色ないスピードで飛ばします。
そんな沼ノ端で時間調整による長時間停車。ここで鉄道ファンが降りてミニ撮影会状態に。
朝日を受けると車体のボロさは一層目立つことに。
沼ノ端を過ぎると貨物駅を見ながら苫小牧です。ここからはワンマン運転になります。
乗車券往復割引きっぷはここまでですが、別のきっぷを用意して乗車は続行。
苫小牧以南は海沿いを走るのですが、曇った窓ガラスでは外はよく見えず、やはり景色をみることはあきらめることに。
快調に室蘭本線を飛ばして登別到着。ここで下車することにしました。
先のニュース記事で撤退するキハ143について「別の活用用途を検討している」とのことですが、車体の老朽化はともかく走りっぷりはまだまだ使えそうではあるので、もしかすると車体の乗せ換えとかして函館本線の長万部以南とかに回されるのかな?とか考えてしまってました。
なお、新型の737系は既に試運転が始まっており、そのピンク色の車体が札幌駅にお目見えしていました。
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