特快「広州東->紅磡(香港)」広九直通車一等車乗車券

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広州東から香港の九龍地区の紅磡までの広九直通車の乗車券です。
きっぷ自体は、香港側の紅磡駅で購入しました。
形式が気になったので広州東駅での購入も考えていましたが、帰りの広州東駅のきっぷ売り場を販売窓口は50mはあるぐらいの行列が。
乗り遅れ必至だったので、結果的には事前に紅磡駅で購入して正解でした。
このため、形態は行きのきっぷが特等から一等に変わっただけであとは変わりません。

行きは特等車ですが、帰りは一等車になりました。というか乗車列車に特等車がなく、一等車しかなかったのですが。
で、なぜ一等車しかないのかというと、行きはMTR(香港鉄路 )のktt客車でしたが、帰りは中国鉄路の25T客車になり、こちらは特等がなく一等車のみの編成になるためです。ただし、ktt と違うのは餐車(食堂車)が連結されていることでしょうか。

アジア最大の動物園の実力

広州香江野生動物世界入り口
広州香江野生動物世界の入り口です。入園料は2015年現在250人民元となかなかのもの。(今は350人民元だそうです。)

広州香江野生動物世界はアジア最大の動物園。広州東駅から広州地下鉄3号線の番禺広場行きに乗って6駅目の漢渓長隆駅で下車。そこから無料のシャトルバスで8分程度です。なお広州地下鉄3号線は広州白雲国際空港にもつながっているため、日本からのアクセスも比較的楽です。

2015年時点の入園料250人民元は日本円で約5000円。2023年現在は350人民元とさらに値上げしており、ちょっとしたテーマパーク並の価格です。
ただ、規模は130万平方メートル、甲子園球場30個分以上ととてつもない規模を誇り、動物を丹念に見て回るととてもではありませんが1日ではまわりきれません。
あらかじめポイントを決めてまわる必要があります。
まずパンダは必須として、あとはサファリパークと動物ショーにあわせて回るのが理想でしょうか。

キリン
動物園の定番。キリン。ここは動物とのふれあいと重視しており、このように観光客からエサを与えることも。

園内は非常に緑が多く、かなり自然豊か。広さが広さなだけに木々の間に動物の展示エリアがある感じです。
また、一部の動物では観光客がエサやりすることも可能。とにかく動物の頭数が多いです。

ヒョウと白ヒョウ
ベンガルトラとホワイトタイガー。じゃれあってます。

貴重なホワイトタイガーも当たり前のように展示。
ときどき係員が入ってトラの遊び相手をやっていたりします。
ここの動物園はエサやり以外でも係員が積極的に入ってくるようですね。

サファリトレイン
サファリへはトレインが運行。乗車は無料です。混雑時はかなり待たされるそうですが、この日は待ち時間ゼロで乗れました。
サファリトレインからの車窓。
サファリトレインからの眺め。かなりオープンな感じです。

サファリトレインは日本でも白浜アドベンチャーワールドにもありますが、規模が桁違い。動物の数も桁違い。
待ち時間なしで乗車でき、動物の自然の姿を垣間見ることができます。
中国語でひっきりなしに案内が入りさっぱり意味はわかりませんが、やっぱり見どころは世界共通なようで見入った箇所ではやっぱり歓声が上がっていました。

キリンと自家用車
サファリエリアは自家用車も可能。自家用車だと好きなところで止められるのが特徴です。

このサファリランドの特徴は自家用車で入れること。別料金が必要ですが、必要なルールさえ遵守すれば自分のペースで回ることができます。

ショー
動物のショー。ありとあらゆる動物が登場します。もっとも顔見世だけの動物も。
象のショー
象のショーも。芸を仕込まれた華麗?な芸も。動物愛護団体が見たら卒倒しそうなものもありますが・・・

園内のあちこちではショーも行われ、華麗な芸が行われています。
サーカスのような本格的なショーもあれば、どちらかというと動物を紹介するタイプのショーもあり、いろいろ楽しめます。

人工飼育
人工飼育の様子まで公開。日本ではなかなか見られないものです。
CTスキャン
動物向けのCTスキャン。ここまで公開しているのも珍しいかも。

ここでは人工飼育や動物の治療まで公開しています。流石にここまでオープンなのはどうなのかとは思いますが、このあたりは考え方が違うのでしょうね。

ここまで紹介したのはほんの一部で、正直全部回ろうとすると1日ではまわりきれないのですが、その前にへろへろになりそうです。(園内の移動は基本的に徒歩のみ)
あと、飲食の持ち込みは基本的に禁止で、園内の飲食はそれなりに高いので、事前に食べてくるなど予め対策が必要です。このあたりも動物園というよりテーマパークとそっくりですね。

短いけれど食堂車

帰りの車内
帰りの九龍行き車内。こちらは二階建てではなく、通常の座席車です。

広州東駅に戻り、人でごったがえすきっぷ売り場を抜け、ホームに入ると既に九龍行きが入線していました。電気機関車が客車10両をけん引します。行きと違って特等はなく、すべて一等車です。そして最大の違いは食堂車が連結されていること。

食堂車
所要2時間もありませんが、本格的な全室食堂車を連結。広州東停車中に既に営業を開始していました。

広州東~九龍まで2時間もありませんが、売店やビュッフェではなく本格的な全室食堂車を連結。kttに対抗してなのかはわかりませんが、短距離列車のわりにはえらく気合が入っています。

以前は食堂車の撮影は許可されませんでしたが、この日は全然OK。基準がよくわからないのですが、まあ言葉に甘えることにしましょう。

メニュー
メニュー。市価の1.5倍程度。ただし動く景色はプライスレス。
食事
中華な食堂車の食事。ビールは冷えていました。ピーナッツはビールのおまけ。

広州東~九龍まで1時間50分程度。でも本格的な食堂車が。流石に営業時間が短いからか発車前から営業開始。
早速食堂車に直行。途中調理室がありますがなんとガラス張りで調理の状況が丸見え。日本でまず見られない中華鍋を持ったコックが盛大に火を噴き上げて回鍋肉を作っていました。さっきの動物園もそうでしたが、中国ってこうなんでもかんでもオープンなんでしょうか。

メニューはやはり中国料理ばかり。お値段は市価の1.5倍と少々高め。ビールを頼むとキンキンに冷えたビールが登場。
中国語はさっぱりわかりませんが、とりあえず牛肉とあるので牛肉なのはまちがいないということで、指先で肉類と野菜炒め、そしてビールを注文。

やってきた料理は明らかに出来立てアツアツの料理。先ほどのオープンキッチンで盛大に炎を上げていたものなのでしょう。基本的に火を使えない日本の食堂車とは火の通り方が全く違います。(味は普通でしたが)

CRH
途中でCRHとのすれ違い。高速列車と在来線がすれ違い。中国あるあるな光景。食堂車での食事に華を添えます。

いつの間にか広州東駅を発車。
深圳までの複々線区間は様々な列車とすれ違いますが、食堂車で食事をしながら景色や列車を眺めるのは至福のひととき。
日本ではもはやできなくなったヒトコマですが、中国でも高速列車は食堂車ではなくレンチン食品が中心のビュッフェに近い形態になっており、中国でもこのわずか2時間弱の短距離列車にフルタイプの食堂車が連結されていること自体が異例といえるでしょう。
十分に食堂車を楽しんだあと、座席に戻りますが既に深圳の手前。乗車時間の半分以上を食堂車で過ごしたことに(笑)

先の上海~香港九龍間のZ99次/100次もそうですが、この香港直通列車は中国国鉄でも別格の扱いのようで、どうやら外国人が多いことを意識して車両も優先的に新しいものを入れたり、乗務員も全員英語ができたり、接客面でもスキルが高かったりとかなりレベルが高い印象です。

終点
終点に到着した広九直通車。中国側の車両は25T形式です。

深圳をそろそろと通過して香港に戻り、いつものノロノロ運転で終点紅磡に到着。
イミグレで簡単な質問を受けて下車後10分も経たずに夜の九龍の町に繰り出しました。

この紅磡~広州東の直通列車も2020年のコロナ渦で運転休止。
その後やはり2018年の中国高速鉄道が香港西まで開通したのを受けて、この直通列車もこのまま廃止の流れになりそうで、短距離ながら本格的な食事が楽しめた広九直通車もやはり歴史の1ページになりそうです。

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