新快速Aシート乗車整理券

新快速Aシート乗車整理券

現在は指定席となった新快速のAシートですが、登場当初は「乗車整理券」での販売でした。
Aシートの登場当初はお試し要素が強かったため、車両の変更のみにとどめて発券システムは最低限にとどめた感があります。
乗車整理券の価格は均一の500円で、基本的に長距離のほうがオトクということになります。

その後、車両の半分を指定席化、さらに全席指定席化に踏み切っています。
指定席化の際、スマホ画面提示タイプのチケットレスの指定席券を発売して駅券売機等への投資を圧縮(悪く言えば、スマホに発券業務を丸投げ)し、利便性と設備投資の圧縮の両立を目指しているようです。

まあ自分はチケットレスでもわざわざ発券してますが(笑)

ということで今回は今は亡き新快速のAシート登場当初の乗車整理券になります。
Aシート自体は2019年に登場。223系1000番台車2両を改造して専用車に充て、2両のうち1両を稼働させて1日2往復姫路と野洲の間を往復させ、残り1両は予備とする実に贅沢な運用が組まれていました。

JR東日本のグリーン車などでは各駅のホームに券売機が置かれてそこでSuicaに登録していきますが、こちらは2019年時点では1日2本だったことからそこまでは行わず、
車内で着席したときに乗車整理券を購入するスタイルとなりました。
つまり着席しなければ、料金はかかりません。(これは指定席化された現在も同じです。)

券面はかなり特徴的。
料金は均一のため、下車駅「姫路」が大きく表示され、さらに発券日時が大きく記載されています。今回は野洲駅発車と同時に発券しているので、野洲駅の発車時刻「20:59」と大きく記載されています。
左上の「i」のマークはICカードでの発券。交通系ICでの購入が可能になっており、今回はそれで購入しています。

今回乗車したのは、夜に運行された網干行き「新快速3号」になります。野洲から乗車しましたが、大阪までガラガラ。一方大阪ではそれなりの乗車があったものの、大阪発22時では時間帯が遅すぎたようで5割程度の乗車率にとどまっていたようです。

そのせいか、指定席化されてチケットレス指定席券が600円になったとき、この新快速3号だけは450円と値引きされていました。

乗車して思ったのはやはり整理券販売の手間。駅停車するごとに乗務員2人が車内を巡回して発券してまわる必要があるのでかなり大変そうです。
そもそもこの車両のためだけに車掌2人が追加で必要というのはどうみてもコストに合っていない。JR東日本のグリーン車もコストがかかる車掌乗務をやめて車内サービスに特化したグリーンアテンダントに移行しているのに、客も収入も明らかにグリーン車より少ないだろうAシートに車掌2人はどう考えても採算があいません。
さらに乗車してみないと座席があるかどうかわからない、というのも乗客にとってはちょっと面倒です。

そこで既存の指定席システムに取り込むことになりました。
ただ、そうすると乗車するのにわざわざ指定席を取る必要があり面倒なので、J-WESTチケットレスの仕組みを流用してスマホで完結するようにしたのではないかと思います。

一方、車掌を一人にするためか、車内での指定席販売を一切取りやめるというかなり思い切った施策にも出ています。
JR東日本のグリーン車では車内での購入は、駅ホームでの購入よりも高めに設定して駅ホームでの購入を促してます。しかし、JR西日本には駅ホームにそういう設備がありません。なので車内料金を設定しても意味がないからいっそのことやめてしまえ、と考えたのでしょうか。
この成否は数年後にわかると思います。

どこかでみたことがあるような外観と車内。

Aシート、車内
「Aシート」の側面です。青い帯がひかれており、521系のようにも見えますし、真ん中のドア撤去跡から125系のようにも見えます。

Aシートですが、従来の223系1000番台車を改造しています。青い帯に白のストライプはなんとなく521系を連想させますし、一方で真ん中のドア埋め込みは125系にも見えます。
また窓回りを黒系でまとめたあたりは、リニューアルされたサンダーバードのような感じです。つまりあちこちの車体デザインをごった煮にしたような感じということです。

車内
Aシートの車内。特急「サンダーバード」で使用されている座席+コンセントですね。

車内はリニューアルされた「サンダーバード」の普通車の座席をもってきているようです。ただし、一人一つのコンセントがあるのはかなり便利。
枕カバーに「A-SEAT」が入っているのは枕カバーが専用品であることを示しています。
車内の中づり広告は撤去されましたがホルダーは残ったまま。また車両性能や構造自体は変わっていないので、走り出すと新快速の爆音が聞こえてきました。

認知度という面では2023年でもまだまだの感がありますが、今後どのように展開していくのでしょうか。

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