急行「ちどり」急行券・指定席券(株主優待)

2023年10月21日に運行された広島~備後庄原間で臨時運行された「ノスタルジー」で、備後庄原駅で急行「ちどり」のヘッドマークを掲出するというサプライズがありましたが、こちらはその10年前になる2013年に広島~三次間で運行された臨時急行「ちどり」の急行券・指定席券です。

株主優待がかかっているため、急行料金、指定席料金が半額になっています。
2013年夏に「広島ディスティネーションキャンペーン」が実施され、その一環としてこの急行「ちどり」が運行されました。

ちどり
広島駅で発車を待つ「ちどり」。急行型のキハ58/28は既にJR西日本から引退しているため、キハ48が起用されました。

2013年当時ももともと「ちどり」で使用していた急行型のキハ58/28はJR西日本から引退済みだったため、似た車両としてキハ48が起用されました。

キハ48は2ドアデッキ付の車両で、JR西日本ではわずか5両しかいなかった少数派。このうち3両は急行「つやま」に使用されましたが、「つやま」廃止の翌年2010年に廃車。2013年時点では残り2両となっており、その2両が使われています。
全車指定席で運行。JR化後の「ちどり」は基本的に全車自由席での運行だったため、現行タイプのマルス券での「ちどり」は何気に初めて見ることになります。
なおキハ48はロングシートもありますがロングシートも指定席として販売していたようです。

デッキ
デッキ部分。2ドアデッキ付だと急行色だとそれらしく見えます。ただしラッピングなので表面の質感が違うのは致し方なし。
サボも用意されてますが、半自動ドアの「開ける」の押しボタンが違和感。

この臨時急行「ちどり」のために、キハ48は車体をぬりかえ・・・ではなくフルラッピングを施し、かつての急行色を復元させました。
ただし、塗装ではなくラッピングなので、色の質感の違いがあるのと、窓枠周りがラッピングされていないので、妙に浮いてますが。

そういう意味では本格的な塗装変更を施した「ノスタルジー」のキハ47のほうがより忠実と言えるでしょうか。「ノスタルジー」では2段窓とはいえ窓枠周りも塗装され、より近いイメージになっています。

それでも2ドアデッキ付でかつこの国鉄急行色ならば、それなりに見えるのも事実で、特に前面は「急行」幕とヘッドマークとあいまって「らしさ」がかなり感じられました。

車内掲出ポスター
中づり広告は昔の「ちどり」の写真が出ていました。

中づり広告には、昔の「ちどり」の写真がでていました。
蒸気機関車牽引のものもあり、蒸気機関車牽引で木次線はかなり厳しいものがあったんじゃないかなと思うと同時にそのころは備後落合駅は非常ににぎわっていたはずです。

車内はほぼ満席。自分のボックスも相席になりました。
まあJR西日本はこういう記念列車系が多く、外すと二度と乗れない列車が多いので、「乗り鉄」が集まりやすいのも事実ではあります。
そして撮り鉄も多く・・・はありませんでした。というのもあいにくの天気だったので、撮り鉄組はこの日は避けたようです。

広島を定刻に発車。
車内自体は割と大人しめで、うろうろ歩いたりする人は少な目。途中で長時間停車等もなく広島~三次間をほぼ現役時代と同じ1時間15分で走破し、急行らしさが随所に見られました。
(現在の「みよしライナー」は1時間20分~25分程度)

みよし駅
三次駅に到着した急行「ちどり」。

三次駅には定刻に到着。
三次駅からは備後落合駅行きに接続しており、備後落合から宍道行きに乗り換えれば当時の「ちどり」の足跡を追えるダイヤになっていました。自分も備後落合行きに乗り換えています。

なお、この当時2両のみ残置していたJR西日本のキハ48の2両ですが、この急行「ちどり」が運行された翌年に改造され、2015年の北陸新幹線金沢開業にあわせて「花嫁のれん」として運行されています。

 

この記事をシェアする: