根室本線富良野~新得間が2024/04/01付けで廃止されましたが、その廃止記念?として発売されたのが「ありがとう根室本線(朱色5号が駆けた鉄路)記念入場券」です。「鉄路」と書いて「みち」と呼びます。
たまたま富良野駅に寄ったときに発売されていたので思わず購入していました。
きっぷは富良野~新得間の各駅の大人入場券+新得駅、富良野駅の小人入場券計11枚のセットで1200円。オリジナルのホルダーがついてきます。
「朱色5号」とはこの区間のメイン車両であるキハ40系の朱色塗装のことで、その文字通り表面は朱色のキハ40の写真が、裏面は大人入場券は駅舎の写真が描かれています。
一方小人入場券は、というとこんな感じ
裏面は平成後期では運転時間が最長を誇った滝川~釧路間の2429Dの紹介になります。
一方富良野駅の小人の裏面は時代がさかのぼり1991年のもの。当時は国鉄池北線の転換路線だった北海道ちほく高原鉄道の車両が帯広~池田間で連結されていました。
そういえばちほく高原鉄道が廃線になってからもう18年になるんですね・・・
ちほく高原鉄道が廃線になってからもしばらくは帯広~池田間1両増結していましたがそれは取りやめになり、この2429Dが帯広で長時間停車しているうちに先行の池田行きとして出発していくダイヤになっていました。
しかし、それはさすがに輸送過剰だったようで、2429Dに先行する帯広発池田行きは数年で廃止になったようです。
狩勝峠を越えたノロッコ列車
今回廃線となった富良野~新得間は、富良野以北に比べるとやや地味なイメージがあります。通常は旭川・美瑛~富良野間運転の「富良野・美瑛ノロッコ」が、時折富良野以南に進出して新得や帯広に顔を出すことがあり、比較的地味な富良野~新得間に華を添えていました。
主な列車としては、
・狩勝ノロッコ(旭川~新得)※団体専用
・狩勝パノラマノロッコ(金山~帯広)
・秋の南富良野ノロッコ(旭川~新得)
などがありました。このうち、「秋の南富良野ノロッコ号」は、2010年から2012年の9月、10月に運行された臨時列車で、この時期だけ「富良野・美瑛ノロッコ」を運休して、新得まで1往復していました。
全車自由席だったので指定席券などはないのですが、ちょうどいい機会なのであわせて紹介します。
新得駅は洒落た駅舎で、コンコースの一角で新得そばが営業中。一応17時まで営業だったはずだけど麺がなくなり次第終了なので、ヘタすると14時頃には閉店していることも。
ここから「秋の南富良野ノロッコ号」が発車します。
新得を発車するとぐんぐん高度を上げていきますがかなりのカーブがあり、迂回しながら高度を上げていきます。
9月にも関わらずちょっとずつ寒くなり、新狩勝トンネルに突入。流石に寒くなったので窓を閉めます。途中で石勝線と分岐して落合方面に向かいます。
「南ふらのノロッコ」の2両目はバーベキューカーで、貨車改造のナハ29003。飲食ができる広いテーブルがある車両ですが、2018年に廃車されています。
しかし、この日はガラガラ。混んできたのは実は富良野以北で、この乗車実績からか2013年以降はこの「秋の南富良野ノロッコ号」は運転されておらず、富良野以南は主に団体列車のみとなっています。
石勝線を分岐後、ほどなく新狩勝トンネルを抜けます。
新狩勝トンネルを抜けると高度を下げ、落合駅を通過。ノロッコ号なのでさほどスピードは出ませんが、それでも50km/hぐらいは出すので窓を開けると9月でもやっぱり寒いです。
ここからは人家がそれなりに見える区間となり、高原地帯を快走して幾寅駅に停車します。
幾寅駅は南富良野町の中心駅です。もちろん「鉄道員」目当ての観光客もいますが、この日幾寅駅から乗車した乗客はゼロ。列車名「南富良野ノロッコ」の主目的の一つである幾寅で、乗客ゼロはちょっと悲しくなりました。
幾寅駅を発車すると、ほどなく進行方向右手にかなやま湖を見ることができます。
この時期は凍り付いた冬と違って水面が美しいですね。
かなやま湖が見えてくると民家はほとんど途絶えます。湖を見ながら走行しますが、何も周りに家がないのに突然駅舎が現れ、東鹿越駅を通過。
当然のことながら、利用客はほぼゼロのこの東鹿越駅も廃駅候補に挙がっていたのですが、災害によって乗り換え駅となったことで皮肉なことに2024年4月1日の廃線の日まで生きながらえることになりました。
「秋の南富良野ノロッコ号」はさらに北上します。
(2024/04/04の記事に続く)
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