週末パス(2025年度分・2)

週末パス

4/23の記事に続き、今年2回目の週末パスです。たまたま羽田行きのバーゲンチケットが往復取れたので東上ついでに購入です。
週末パスは南東北以南のJR東日本および一部の民鉄線が乗り放題で8800円。乗り鉄にはうってつけのきっぷだと思います。

このうち「一部の民鉄線」がミソで、他のフリーきっぷよりも利用可能範囲がかなり大きく、このため行動自由度が非常に大きいのが特徴です。特に地方の民鉄はかなり運賃が高いところが多く、民鉄のフリーエリアを回るだけでも元が取れたりします。
今回の使用時ではこんな感じです。

伊豆急行

伊東→伊豆急下田:1690円
伊豆急下田→伊東:1690円

しなの鉄道

上田→篠ノ井:580円
篠ノ井→戸倉:260円
戸倉→篠ノ井:260円
長野→妙高高原:850円

長野電鉄

長野→湯田中:1190円
湯田中→中野松川:330円
中野松川→長野:1000円

えちごトキめき鉄道

妙高高原→二本木:550円
二本木→直江津:550円

全部合計すると、8950円!

なんというか、JRに乗らなくてもモトが取れています(笑)
これは普通運賃との比較なので、各社フリーきっぷなどを駆使すればもう少し安くなるものの、やっぱり民鉄を組み込むと、そのアプローチにJRを使う限りこのきっぷの価値は跳ね上がります。

ちなみに東京~伊豆急下田往復で8000円です。やはり伊豆急は高い。。。

一方でJR線、特に新幹線のみだと「トクだ値」とかとの比較になってしまうため、使い方によっては微妙なところも。

週末パス(2023年度発売分)
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そんな週末パスですが、6/28、29 利用分を持って廃止されます。6/22時点で残り利用可能な週末は1回しかありませんが、日帰り旅行でもいいのでどこか出かけてもいいかもしれませんね。

廃止理由はわかりませんが、なんとなくですがこのいびつな運賃体系も一因にありそうです。
この手のフリーきっぷを販売すると、実際の乗車状況にかかわらずフリーエリア対象の会社に1枚あたりいくらみたいな形でJR東日本から支払われます。それが増収になればいいのですが、むしろ足を引っ張っているのではないか、というのが個人的考えてる廃止理由の一つです。

難しい話ですが、この手のフリーきっぷは売上を乗車しようがしまいが各社で案分します。
例えば週末パスフリーエリアを含む会社に1枚あたり50円が案分されるとして1000枚売れると、その会社に50000円の収入が入ります。
その会社の運賃が1000円とすると、50000円は50人分の旅客運賃相当となりますが、1000人中50人以上の乗客が週末パスで来ると、50人を超えた分は実質会社の持ち出しとなってしまいます。
昨今の地方私鉄値上げの流れから、週末パスなど私鉄利用可能なフリーきっぷでの負担が大きくなっているのでは、と想像します。

まあ、想像するのは勝手ですが特にトクトクきっぷに関しては「使えるとき使え!」が鉄則ですね。

スカ色ともつそば

115系

長野駅に停車中のしなの鉄道115系。
現在車両置き換えが進行しており、この姿で見られるのも長くはないかと。

6/20の記事から続く)

上田駅近くのホテルに泊まり、翌日は上田駅からしなの鉄道でスタート。
この日はホテルだけは決めていて、そこに向かうルートだけは漠然と決めていたものの、それ以外はあまり予定は立てておらず久々の「いきあたりばったり」な鉄道旅です。これもまたフリーきっぷだからできるものでしょうか。

上田駅からしなの鉄道で長野行きに乗車。もと信越本線ですがJR線と同じ感覚でそのまま乗車できるのは「週末パス」ならでは。
やってきたのはスカ色115系です。スカ色とは青色とクリームに塗り分けられた塗装で、もともとは横須賀線の車両で採用された塗装です。その後、中央本線・篠ノ井線新宿~松本~長野に使用される車両にも採用されています。横須賀線で使用された113系に対し塗分けが違うので、こちらは「山スカ」と呼ばれることも。
いずれにしても長野にとってはなじみのある塗り分けです。
上田発車時点ではガラガラでしたが篠ノ井からJR線に入ると客も増加。そのまま長野駅に到着しました。

このあとどうしようか全く考えてなかったのですが、途中の戸倉駅で気になるものを見つけたので、折り返しの軽井沢行きに乗車。戸倉駅で降ります。
気になったのはこれ。

戸倉駅の駅そば屋

戸倉駅の駅そば屋「かかし」。朝早くから「営業中」ののぼりが出ていたので、思わず長野から戻ってきてしまいました。調理前と思しきネギがどんと(笑)

戸倉駅の駅そば屋「かかし」です。改札外の待合室で食べるのがメインですが、改札内でも食べることは可能です。というかネギやボウルなどがどんとおかれ、おそらくこのあと調理の下準備をするのでしょう。というのか駅のホームで調理の下準備やってるんですかい(笑)

モツそば

「かかし」名物もつそば。
モツが食べやすく美味しかったのは言うまでもありませんが、行き交う電車を見ながらの一杯はよりおいしくさせてくれます。

注文したのは「かかし」名物だと言われたモツそば、700円也。
自家製麺のそばに、これまた自家製の味噌煮込みのモツをたっぷり乗せた逸品。700円と少々値が張りますが、立ち食い蕎麦屋でよく見かけるお供え物程度に乗せられた肉そばと違って、遠慮なく大量に乗せられたモツにさすがに驚きました。
味噌煮込みなので、そばよりもどちらかというとうどん向けではあるものの、長野だったらやっぱりうどんよりそばだろという謎の固定概念がどうしても離れず、やっぱりそばにしてしまいます(笑)

満足してやがてやってきた妙高高原行きに乗車、長野で下車しました。

驚きのコスパの長野駅そば

カレーそば

カレーそば大盛り490円。カレーそば2玉で500円切りはちょっと首都圏ではありえない価格設定。

長野駅には在来線ホーム、新幹線ホームともに蕎麦屋が営業しています。コロナ前は確か在来線改札内に2軒、新幹線改札内に3軒、さらに改札外に2軒あった気がします。
さすがそば処信州を思わせる店舗の充実ぶりでしたが、さすがに原材料高騰など縮小の嵐には逆らえず、改札外1軒、在来線改札内1軒、新幹線改札内2軒まで減っています。

長野駅在来線には長野駅3,4,5番ホームの駅そば屋が閉店しており、営業しているのは6,7番線の駅そば屋だけになっていました。このホームは特急「しなの」が発着しており、利用客が多いのでしょう。

さて驚いたのはその価格。かけそば280円、きつねそば330円、カレーそば390円、大盛り(1玉追加)100円増し・・・
この価格高騰の2025年においてよくこの価格でやっていけるな、というレベルです。
というわけでカレーそばを大盛で注文。これで490円とワンコインでおつりが返ってくるのは驚きの一言。
味はレベルの高い信州駅そばの中では並みかな。カレーそばなので出汁はカレーに消されますがそれでも出汁がわかるのはかなり個性が強めな気がします。
食べている間にも、JR社員や保線の方たちもやってきてJRにも利用されているそば屋なんだな、と思いました。さらに珍客が。

四季島

四季島。すれ違ったことはあるものの、実際に写真に収めたのは初めてです。

JR東日本のクルーズトレインTRAIN SUITE 四季島です。
280円のかけそばに感心しながら、一度乗ってみたいなあと両極端なこと考えていました。

長野駅で用事を済まし、さらに旧信越本線を北進します。

妙高高原駅

妙高高原駅でのしなの鉄道と、えちごトキめき鉄道との乗り換え。冬場は雪深い地域ではあります。

豊野を過ぎると次第に山間部に、黒姫あたりは豪雪地帯です。そのためこのあたりの線路の側溝には水が流れて除雪した雪が水に流されたり溶けたりする仕組みが導入されています。

そういやシュプール号で黒姫まで来たことあるなあ・・・と思いながら妙高高原に到着。ここでえちごトキめき鉄道に乗り換えです。今度は日本海に向けて下っていき、二本木駅に到着です。

二本木駅のスイッチバック

二本木駅

二本木駅。かつては隣接する日本曹達の貨物列車が発着していた関係上、JR貨物の委託駅だったこともありました。

妙高高原から山を下りる感じで進み、二本木駅で下車します。ここはスイッチバック駅となっています。
かつては多かったスイッチバックですが、電車化等で坂道発進が容易になったことで、立野や出雲坂根のようにスイッチバックしないと峠を越えられないぐらい急こう配な箇所以外は、どんどん廃止されていってます。
そんな中二本木駅がスイッチバック駅で残ったのは、2007年まで貨物列車が発着していたためでした。今は貨物列車はなくなっていますが、隣接する日本曹達二本木工場は今も盛業中。かつての栄華を忍ばせるように広い構内が残っています。
通常なら合理化でスイッチバック廃止・・・となるところですが、その費用すら惜しいのかそれとも築100年越えの明治期建築の駅舎がまだ使われているのが観光資源になると思われたからか、今もそのままの形で残されています。(ちなみに駅舎は国の登録有形文化財に指定されています。)

えちごトキめき鉄道二本木駅駅舎 文化遺産オンライン
市南西部にある旧信越本線の旅客駅施設。駅舎は寄棟造鉄板葺、北半の待合室東面を出入口とし、南半に事務室等を設ける。東西北三面に下屋を廻して東西二面の軒桁下に高窓を並べ、垂木鼻下面に繰形、軒先に鼻隠を付す...
二本木駅と雪月花

スイッチバックの引き上げ線から雪月花が入線。ここでドアが開いて小休止します。

しばらくぼんやりしていると二本木駅の時刻表に載っていない列車が入線。なんだろうと思ったら、えちごトキめきリゾート「雪月花」です。

雪月花|えちごトキめき鉄道株式会社
国内最大級の展望を確保し、インテリアの細部にまで「新潟」にこだわった車両は、何度乗っても新たな発見に出会えるでしょう。四季明瞭な上越地方の折々の美しい風景を愛で、地元の旬の食材を使ったお食事をご堪能く...

雪月花は二本木駅のスイッチバックを経由して二本木駅に入り、二本木駅で小休止する設定になっているようです。
乗客がホームに降り立ち一瞬にぎやかになりますが、すぐにまた列車に戻るとひっそりとしてしまいました。

雪月花が妙高高原に向けて発車後、しばらくすると列車のが2本同時入線が。

列車の同時入線

近くで見ると迫力満点な、2列車の同時入線。前照灯と尾灯がついた電車が同時進入する姿はスイッチバックならではの光景です。

新井方面からスイッチバックして二本木駅に進入する列車と、妙高高原方面からやってきた列車が同時に二本木駅に進入してきます。
二本木駅のホーム先端では線路高さまで降りて撮影できるスペースがあり、実際降りて同時進入を体験してみると迫力満点。他ではなかなかお目にかかれない光景ですね。

やってきた直江津行きに乗車し、さらに旧信越本線を北上していきました。

(6/24の記事に続く)

 

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