首都圏の民鉄では、ロングシートとクロスシートを切り替えて使用するいわゆる「マルチシート(デュアルシート)」による、通勤対応の着席列車が大流行していますが、その嚆矢となったのがこの「TJライナー」ではないかと言われています。
東武鉄道のうち、池袋から川越、寄居方面を結ぶ東武東上線系統には長らく料金が必要な列車はありませんでした。しかし、帰宅時の着席通勤需要を狙い2008年に当時最新の50090型電車を使用して、300円の着席整理券を購入することで夕方の帰宅時間帯に池袋からゆったり座って通勤できる「TJライナー」を導入しています。
登場当初は池袋駅からTJライナーで森林公園駅まで結び、そこから快速急行で池袋に戻してさらに次のTJライナーにするという運用が組まれていたと思います。
現在は森林公園よりも小川町折り返しが多くなり、池袋に戻すのも快速急行ではなく川越特急がメインになっているようです。
また発売面でも、登場当初は「着席整理券」として登場し、座席指定はなくて空席に着席するスタイル(もちろんクロスシート定員以上には売りません。)でしたが、現在は座席指定制の「座席指定券」となっており、同時にロングシートも「指定席」として発売されています。
ロングシートは大荷物やベビーカーなど、クロスシートが使いづらい人におすすめだとか。
東武東上線の主な駅の券売機で購入可能で座席マップから座席指定が可能です。
一方、池袋を出ると次の停車駅が「ふじみ野」なのは昔も今も変わっておらず、「ふじみ野」から先は「着席整理券」「座席指定券」不要で自由に乗車可能です。
券面の行き先が下車駅にもかかわらず「ふじみ野」なのはこのためです。
なお、現在は朝方に上り池袋行きの「TJライナー」も運行されていますが、ルールが少し違うようです。(ふじみ野以北の乗車駅から座席指定券が必要、など)
バーコードでチェック
TJライナーは専用ホームから発車ですが、中間改札があり、入線の数分前に係員がきて座席指定券の改札を行います。この際、券面のバーコードをバーコードリーダーにタッチするスタイルになっており、省力化が図られています。
しばらくホームで待っていると、川越方面から川越特急池袋止めが入線。
乗客を吐き出すと、一斉操作によって座席が回転し、座席の進行方向が変わります。
車内清掃後にドアオープンという流れ。
このあたりは阪急梅田駅の京都線特急でさんざん見てきたので特に真新しくは感じないのですが、今まで東武東上線ではなかったラッシュ時間帯にこの手のクロスシート列車の設定はわりと冒険だったのではないのかな、と思います。
8割ぐらいの客を乗せて発車。
ただ、前がつかえているようでなかなかスピードが出ません。和光市あたりで加速し、複々線区間で先行する普通を交わしていきました。
途中でまた複線区間に戻りますが、ほどなくしてふじみ野。そして下車駅である川越駅に到着です。
川越での下車はぱらぱらとした感じ。むしろ、川越以北の速達列車目当てなのか、ここから乗車した人が割を多いイメージでした。
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