ひかり・こだま自由席用早特きっぷ(2005年)

ひかり・こだま自由席用早特きっぷ
早特専用新幹線自由席特急券

ひかり・こだま自由席用早特きっぷにくっついてくる。専用の自由席特急券。列車名がなんか不思議な感じ。

今回は小ネタです。
2003年10月のダイヤ改正で、それまで主役だったひかりをのぞみに置き換え、同時にのぞみの加算料金を値下げ、「のぞみ」に自由席を設定する白紙ダイヤ改正が行われました。
今日まで続く東海道新幹線のひかり、こだまの毎時2本体制はこのとき確立されています。

また、「ジャパンレールパス」「フルムーン夫婦グリーンパス」「レール&レンタカーきっぷ」などの一部を除き、「のぞみ」の割引除外を廃止しました。
当時、利用客の「のぞみ」への集中を懸念していたそうで、「ひかり・こだま」専用の格安の割引きっぷを同時に発売しました。
一つが「ひかり早特きっぷ」。そしてもう一つがこの「ひかり・こだま自由席早特きっぷ」です。

ひかり早特きっぷ(京都→東京)
東海道新幹線が安価に乗れる「ひかり早特きっぷ」です。 2003年10月ののぞみ大増発の際、客がのぞみにシフトすることが予想されることから、ひかり号専用の割引きっぷを売り出しました。 片道で使える割引き...

「ひかり早特きっぷ」は東京~新大阪など主に東海道新幹線の長距離で設定され、こちらの「ひかり・こだま自由席用早特きっぷ」は名古屋~新大阪間でのみ設定されていました。
割引率が25%とかなり高く、また乗車列車を指定しないため、7日前までに購入という条件さえ満たせば割と使いやすいきっぷではないかと思います。
また名古屋~京都でも正規料金よりこのきっぷのほうが安く利用できました。
販売価格の4250円というのは、名阪間の近鉄特急の当時の運賃・料金の合計4260円だったため、どうみても近鉄特急を意識した設定としか思えないのですが(笑)

その後、2013年に片道専用だったこのきっぷを往復きっぷとして「新幹線自由席用早特往復きっぷ」に衣替え。
のぞみの自由席も使えるようになった一方、割引率は21%(片道あたり4575円)に低下。京都~名古屋ではEX予約より割高となり、しかも往復きっぷとなったためEX予約ができる自分にとっては使う機会がありませんでした。
それでも名阪間の貴重な割引きっぷとして残されていましたが、2018年に「新幹線自由席用早特往復きっぷ」も廃止されて、誰もが利用できる割引きっぷとしては名阪間の新幹線では消滅してしまいました。

きっぷ以外ならば、ぷらっとこだまが名古屋~新大阪5000円で販売されています。また2人以上というしばりがありますがスマートEX/EX予約のこだまファミリー早特が名古屋~新大阪4250円です。
ただし両方とも、大阪市内、名古屋市内は別途運賃が必要です。

一方、競争相手となる近鉄の名阪特急ですが、こちらも東海道新幹線に歩調をあわせて?改廃を行っています。
2017年にそれまで看板商品だった「名阪まる得きっぷ」を廃止。これは名阪特急が3000円強から乗車できた特急券付き回数乗車券で、特に金券ショップがこのきっぷの廃止で大ダメージを受けたとか。

ところが思った以上に近鉄自体もダメージを受けたのか2019年に「名阪ビジネス回数きっぷ」として乗車券タイプの回数券として復活。特急券は別途購入となりましたが、1枚あたり1690円、特急券とあわせて3620円で名阪特急で移動できることになりました。

2023年に近鉄の運賃値上げとともにこのきっぷも大幅に値上げされて、1枚あたり2050円、特急券とあわせて3980円となっています。

金券ショップでの扱いも復活、難波とかでのショップでは見た感じ新幹線の回数券類が軒並み廃止されたこともあって、この「名阪ビジネス回数きっぷ」を全面に推しているところが多いようです。

JR東海と近鉄はお互い相手を見ながらきっぷの改廃を進めているみたいですが、紙のきっぷを廃止してネット予約、チケットレスに移行したいのは明らかです。
JR東海は既にほぼEX予約によるチケットレス化が完了。一方、近鉄は回数券廃止でチケットレスになるかと思ったら流石に早急すぎたようで回数券が復活。ただ、おそらくこれは一時的なもので、おそらく近い将来ネット回数券的なものが登場するのではないかと予想しています。

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