快速「SLやまぐち号」グリーン券(2017年)

「SLやまぐち号」のグリーン券です。SLやまぐち号は2017年9月に客車を一新し、新たにグリーン車を連結しました。今回はこのグリーン車を利用しています。

グリーン車は新山口方の最後尾に連結され、グリーン客専用の開放型の展望デッキを連結。津和野行きのときは流れる景色を楽しめますが、新山口行きのときは機関車と鉢合わせになり展望デッキへの立ち入りが禁止されています。
そのためかやはり津和野行きのグリーン車の人気が高く、現在でも一か月前の発売と同時にすぐ満席になる人気ぶり。
乗車したときは乗車予定はなかったものの、当日たまたま空席を見たら空いていたので即座に押さえました。
当日キャンセルでも入ったのでしょうか。人気列車ゆえにグリーン券はなかなか確保が難しいものの、当日ぽろりと空席が出ることもあるので、あきらめずに空席を確認してもいいでしょう。今はスマホからネットですぐに空席確認および予約ができる時代ですしね。

なお、2024年度の運行から、グリーン料金が値上げされ、従来の新山口->津和野間が980円から2000円になっています。また、ここ数年はSLの不調によりDL牽引となっていましたが、2024年5月よりSLでの運転が再開されました。

2024年度はD51牽引による運行となるようです。

最後のC56やまぐち号

C56やまぐち号
次位にDD51を従えて先頭にたつC56型。流石に山口線の急こう配で客車5両は無理なので、SL重連かDLを補機としてつけることがほとんどです。

12/16の牽引機はC56 160号機+DD51 1043号機の重連。山口線では客車5両を非力なC56では坂を上ることができず、5両編成の場合は必ずSLないしはDLとの重連になります。

よく間違えられますが、重連の場合、「本務機」は2両目、1両目が「補機」となります。このため、上記の写真は実は主役となる「本務機」はDD51となり、脇役となる「補機」がC56ですが、まあそこは見栄え優先で・・・(笑)

このC56160号機ですが、翌2018年に営業運転を終了し、現在は京都鉄道博物館でSLスチーム号の機関車となっています。

客車は2017年に登場した新型の旧型?客車となる35系客車です。最後尾がグリーン車。

最後尾
最後尾は日本でも数少ない開放デッキで、風を受けながら流れる景色を堪能できます。

また、最後尾のグリーン車には開放タイプの展望デッキがありグリーン客専用です。グリーン車は定員23名なので少なく、のんびりと流れゆく風景を堪能できます。

展望室
展望デッキのすぐそばに展望室が。トンネル内はこちらに避難しましょう。

展望デッキのすぐ横が展望室。ソファーが置かれ、グリーン券所持客は自由に利用することが可能です。また開放タイプの展望デッキはトンネル内は煙が充満するため、避難所としての役割も。新山口行きは機関車と鉢合わせになるため、展望室から機関車を眺めることになります。窓が大きいのて眺望は抜群。

グリーン車客室
グリーン車客室は1+2のリクライニングシートを装備。
車輛イメージは展望車マイテ49。

グリーン車の客室は1+2のリクライニングシートが並びます。かつての展望車マイテ49をイメージした重厚な車内は、レトロ感抜群。ただ、窓が小さいのは旧客を模したのかもしれませんが、これは大きめにしたほうがいいんじゃないかな?と思ったり。
最新の車両だけにコンセントやUSBもばっちり装備。またグループ客向けのセミコンパートメントもあります。

最後尾だけあって景色はばっちりですが、SL独特の「音」が聞き取りにくいは仕方ないところでしょうか。

最後尾からの景色
最後尾からの景色。山登り途中なので、このように煙に覆われることも。窓が開くSLやまぐちの場合、下車するとすすや粉じんが肌や髪につきやすいので注意しましょう。

さて、新山口を発車して「SLやまぐち」は山口駅を出て、宮野駅を過ぎるといよいよ山登りにチャレンジ。仁保で小休止して調子を整えるといよいよトンネルと山越え区間に突入です。

トンネル区間では展望室に避難。トンネルを抜けると展望デッキに出ますが、山登り中は写真のように煙がすごいことに。しばらくいるとあっという間に顔や髪が煤だらけになります。
「SLやまぐち」はすすまみれになることも体験の一つ?ととらえ、あえて窓が開く構造となっています。トンネルに入ったら窓を閉め、出たら開けるという昔ながらの鉄道習慣が今も生きています。もっとも12月の運転だけあって窓を開ける人はいませんでしたが。

トンネルが多いのは大井川鉄道のSLもそうですが、あちらはまだ比較的勾配がゆるいうえに無煙炭を使用するため煙は多くなく、窓開けっぱなしにしてもすすまみれになることは基本ありません。
一方「SLやまぐち」は走行も現役時代にこだわっているため、石炭も現役のままで豪快に煙を吐きます。

最後のトンネルを抜けると、ほどなく篠目駅に到着して視界が広がります。
長門峡駅手前で道の駅長門峡から手がふられているを見て、こちらもふりかえし長門峡到着。ここでしばらく停車するのでミニ撮影会です。

地福で停車中のSLやまぐち
地福駅で停車中のSLやまぐち。C56+DD51+35系客車の組み合わせは12/16、17の2日間のみでした。

冷たい雨が降り、カメラ持つ手も冷たいのですがにわか撮り鉄に変身。写真撮ったあとにちらっと隣を見ると前原誠司議員がカメラを向けててちょっとびっくり。そういえばこの人は生粋のSL撮り鉄でしたね・・・

地福を過ぎて列車は後半戦に。高原地帯を走行し、最後に勾配を降りて津和野駅に到着しました。

入れ替え中
入れ替え中の機関車。津和野駅には機関車が常駐していませんので、津和野まで牽引した機関車がそのまま入れ替えに使われます。

津和野駅到着後、いつものように客車を留置線に押し込み、自身は転車台へ。帰りもC56が先頭に立って、新山口に向けて出発していきました。

なお、2024年現在「SLやまぐち」を牽引中のD51は、ディーゼル機関車の補機は不要なので、このような重連は基本見られません。ただし、不調の場合に備えてディーゼル機関車は新山口駅で常に待機状態で留まっているそうです。

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