快速「SLやまぐち号」指定席券・2(12系)

前回に引き続き「SLやまぐち」の指定席券です。今度は帰路の津和野から新山口の間での運行となっています。
往復SLやまぐちに乗車することは案外多くないのですが、このときは往復乗車しています。当初は益田方面に抜ける予定だったのですが、予定変更で新山口にとんぼがえりすることになり職場最寄りの渋谷駅で変更を行いました。ただ、乗車変更であることを入力し忘れたようで、大きく「乗変」のゴム印が押されました。

国鉄型客車と駅弁とSLで昭和へタイムスリップ

津和野駅発車待ち
津和野駅で発車待ちの「SLやまぐち」帰路はC57が先頭で、C56が後押しするプッシュプル運転となります。

新山口行きの「SLやまぐち」はC57を先頭に12系原形車6両、最後にC56が後押しするプッシュプル形態となります。
昨年、津和野駅で編成写真が撮れなかった失敗を糧に今回、津和野駅はホームではなく道路側から編成写真を撮ることに。やはり普段より長いため、機関車がホームをはみ出していました。

C56
背後で後押しするC56型機関車。昨年同時期と同じスタイルですが、押す相手が青くなりました。

津和野駅ホームに降りると、C56が青い12系を押す姿が。
テンダー部分はホームからはみ出していました。

新山口行きは津和野行きに比べると客は少なくなる傾向にありますが、今回も例に漏れず車内は乗車率5割程度で比較的ゆったり。自分のボックスも誰も来ず、一人でワンボックス占拠です。
窓を開けて発車の汽笛の合図を聞いて出発です。

鮎めし
鮎を一匹まるまる乗せた「鮎めし」。12系の小さなテーブルに乗せて食べると、まさに「ザ・国鉄」。

発車後県境に向けて上っていきますが、トンネルもあるためいったん窓は閉め、津和野駅の「くぼた」で購入した「鮎めし」で遅めの昼食。
炊き込みご飯に鮎がどんと一匹載った駅弁で、2011年購入当時は確か840円。2024年現在はおそらく1000円かと思われます。
「くぼた」の駅弁は駅弁大会ではまず見かけず(京王にも未出品のはず)、購入は現地調達が必須です。

「スーパーおき」の車内販売も「くぼた」が受け持っていたため、そこで買う手もありましたが、現在廃止されています。

急行型のボックスシートにあった小テーブルに駅弁を載せ、足を投げ出して食べてると気分は限りなく昭和。
満席だと流石に他のお客様に気をつかうのでできませんが、このときは一人でワンボックス占拠状態でしたので思う存分楽しめます。
ほどなく県境を越えて山口県に入り高原区間を快走。窓を開けるとSLの汽笛と「シュッシュ」の音が。これぞ至福の瞬間。

高原区間を快走
高原区間を快走する「SLやまぐち」。まどが大きく開くのは原型12系のみ。

SLやまぐち専用客車も窓は開きますが、安全のため1/3以下に抑えられています。一方この原型12系客車は半分まで開き、風を顔面に受けながら景色を見ることができます。

ただし、顔を手を窓から出すのは危険なのでやめましょう。自分もカメラを窓枠に置いたのみにとどめています。

冷房ガンガンな真夏や寒い冬だと窓は開けられませんが、このような暖かい秋の日差しの日はやっぱり窓を開けて自然の空気(と、ときどき石炭の香り)を受けるのはいいもんだと思います。

篠目
篠目駅で小休止。右側に見えるのは給水塔。

高原地帯を快走して篠目駅で小休止。ここでは上りの場合、給水塔とセットでSLが撮れる駅で、今回もばっちり確保。
ここから先は山口に向けて一気に下っていくため窓を閉めます。ただ、行きと違ってほぼ下りのため、絶気運転となりほとんど煙はありません。宮野駅を過ぎて山口市内に入ると、再度窓を開けて秋の夕暮れを惜しみつつ、新山口に到着しました。

ホテルに投宿すると顔を拭くと石炭の煤でタオルが真っ黒に。前年の「サロンカーなにわ」「あすか」は固定窓だったためにそんなことはなかったのですが、今回は窓を開けていたため、思いっきり汚れてしまっていました。もっともその分SL乗ったで感は大きく、充実したと思います。
今の35系客車では省令により窓を大きく開けることができず、今回の12系客車のような風を顔に受けるようなことはできませんが、5月や10月の気温や天気のいい日は積極的に窓を開けてSLの音や外部の風を取り入れたいものですね。満席の場合は他のお客様の協力が必要ですが。

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