熊本~宮地を結ぶ「あそ2号」の指定券です。特急「あそ」は、2020年の熊本地震による豊肥本線肥後大津~阿蘇間の被災区間復旧のダイヤ改正で登場した比較的新しい特急で、熊本~宮地駅間を結びます。
ただし、2004年より前に現在の「九州横断特急」が「あそ」を名乗っていたため、新設というより復活といってもよかったでしょうか。「九州横断特急」の枝番でもよかったのでしょうが、流石に九州を「横断」していない列車にその名前を付けるわけにもいかず「あそ」を名乗ったものと思われます。
もっとも2020年以降、豊肥本線の特急の動きが目まぐるしく変わることに。
赤字が週末運転、青字が平日運転です。
2020年8月豊肥本線全線復旧時:
熊本~宮地5往復(平日3往復)、宮地~大分2往復
キハ185系
・熊本(あそ1号)宮地(あそ2号)熊本(あそ5号)宮地(あそ6号)熊本
・熊本(九州横断特急71号)別府(九州横断特急74号)熊本
・別府(九州横断特急2号)熊本(あそ3号)宮地(あそ4号)熊本(九州横断特急3号)別府
キハ183系(あそぼーい!)
・熊本(あそぼーい!)別府(あそぼーい!)熊本
2022年8月西九州新幹線開業時(2025年1月時点):
熊本~宮地4往復(平日2往復)、宮地~大分2往復
キハ185系
・熊本(九州横断特急81号)別府(九州横断特急84号)熊本
・大分(九州横断特急2号)熊本(あそ1号)宮地(あそ2号)熊本(九州横断特急3号)大分
キハ183系(あそぼーい!)
・熊本(あそぼーい!)別府(あそぼーい!)熊本
キハ40系(かわせみ やませみ)
・熊本(かわせみ やませみ)宮地(かわせみ やませみ)熊本
2025年3月ダイヤ改正予定:
熊本~宮地5往復(平日3往復)、宮地~大分3往復
キハ185系
・熊本(九州横断特急1号)大分(九州横断特急4号)熊本(九州横断特急5号)大分
・別府(九州横断特急2号)熊本(九州横断特急3号)大分(九州横断特急6号)熊本
キハ183系(あそぼーい!)
・熊本(あそぼーい!1号)宮地(あそぼーい!2号)熊本(あそぼーい!3号)宮地(あそぼーい!4号)熊本
「かわせみ やませみ」は2025年の3月ダイヤ改正で撤退。「あそぼーい!」も大分に顔を出さなくなり、熊本~宮地間の運転になります。それでも全体の本数は増えるという摩訶不思議。これ、実は熊本地震前の2016年時点とほぼ同じ陣容で、元にもどったというのが正しいところでしょうか。(別府~大分間の短縮はありますが)
その結果、特急「あそ」は豊肥本線全線復旧の2020年8月から2025年3月ダイヤ改正までの短命な特急となってしまいました。
ただし、このダイヤだと久大本線の特急「ゆふいんの森」の車両検査時に代走特急「ゆふ73、74号」が走ると、「九州横断特急」が仮に2両固定で増結なしだとしても予備が2両しかなく、故障したり検査に入ったりするとたちまち車両が尽きてしまいます。以前は「あそぼーい!」を平日走らせて乗り切りましたが、今後もありそうな気がします。
というわけで、「あそ2号」は2025年3月で廃止となります。
阿蘇ならではのランチ
(1/31の記事から続く)
阿蘇駅はインバウンドを中心に観光客でにぎわっていましたが、宮地駅前はひっそり。昔は宮地駅前から阿蘇山東までのアプローチとして仙酔峡までのバスが運行され、それなりに利用もあったようですが、2010年に仙酔峡ロープウェイの運休・廃止とともにバス路線もなくなっています。
ちょうどランチどきなので、駅前をうろうろ。阿蘇駅近辺は行列ができる店も多いですが宮地駅前はひっそり。
駅前の十字路に出ると阿蘇赤牛を食べさせてくれる「まかない家MATSU」を見つけ、空いていたのでここでランチにすることに。
注文したのが名物ということで「カルデラプレート」2200円也。阿蘇を模したカルデラ状に盛られたごはんに阿蘇赤牛が周りに乗っています。
店の人曰く、最初はハヤシライス抜きで阿蘇赤牛を食べてみて、とのこと。とはいっても1枚でも食べるとなんか絵的にまずそうなので先にハヤシライスをかけてしまいます。ただし、上からかけずに周りに置く形で。
そのまま食べると、やわらかいのに弾力があるという不思議な感覚。流石におすすめするだけあります。ハヤシライスをつけて味変しましたが、阿蘇赤牛はハヤシをつけずにそのまま食べ続けたほうがよかったかも。
コスパ重視だとまかない定食(850円)が分量も多くおすすめでしょうけど、せっかく阿蘇まで来て阿蘇赤牛を食べてみたいの誘惑には勝てませんでした(笑)
消える列車名
宮地駅に戻ると、既に「あそ2号」熊本行きは入線済。ヘッドマークが「EXPRESS 185」になっているのは残念ですが、これは熊本に着いたら「九州横断特急」として大分に向かうので、手間を省くためなのでしょう。でもやっぱり残念(しつこい)
側面の行き先表示幕はしっかり「あそ」を表示。この側面方向幕を撮る鉄道ファンも結構います。おそらく廃止されるからなのでしょう。
指定席に座るといきなり検札が。「あそ」はワンマン特急で車掌乗務はありませんが、宮地駅停車中は運転士がせっせと車内改札に勤しんでいました。
3割ぐらいの乗車率で宮地を発車。もっともほとんどが鉄道ファンのような気がします。阿蘇で観光客も乗り込み、6割ぐらいに。インバウンド客がいるのもさすが阿蘇。
赤水を過ぎると下り勾配となり、「かわせみ やませみ」をたどったルートを戻っていきます。
三段式スイッチバックは、方向転換するたびに運転士が反対方向に向かうことになります。特急ですがそのあたりはいたってのんびり。もっともこのあたりがスピードアップのネックになっているのは否めません。
三段式スイッチバックを降りると立野駅。しばらく停車します。「かわせみ やませみ」のときは乗客が一斉に降りて撮影タイムになってましたが、「あそ」では誰も降りずひっそり。このあたりD&S列車と通常の特急の差なのでしょうか。
立野の次は肥後大津。ここから先は都市近郊の雰囲気となり、利用客も増えてきます。もっとも「あそ」はワンマン特急なので、停車駅のたびに「特急券お持ちでないお客様は乗車できません」の案内が。
ワンマン特急の場合、車内で特急券を購入できないため、事前に購入しなかった人は乗車自体できません。
熊本の一つ手前の停車駅新水前寺で熊本市の市街地に。でも乗車する人もいます。おまえら特急券持っているのか?という一抹の疑問はあるものの、列車は無事熊本駅に到着しました。
熊本駅では自由席を中心に長蛇の列が。
「あそ2号」は熊本駅到着後、「九州横断特急3号」として15分後に折り返していくダイヤで、降車完了後、車内清掃と座席転換を手早く行い、10分後には大分行きの乗客を受け入れていました。
(2/4の記事に続く)
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