この夏、乗り鉄界隈で話題となった「WESTERポイント全線フリーきっぷ(全ポイント)」です。WESTERポイント9000ポイントで、JR西日本・智頭急行の特急指定席が乗り放題です。最近のフリーきっぷで指定席の回数制限がないのは珍しく、これも一つの話題となっていました。
9000ポイントのほか、1000ポイント+14000円で1日乗り放題のものもあります。
一部ポイント版と違うのは、「指定席の回数制限なし」「お盆の利用期間制限なし」「利用当日発売可能」といったところですが、あらゆる面で優遇されています。
きっぷはe5489での発売ですが、座席指定はe5489では9回分までという制限があります。以降はきっぷを発券して指定席券売機もしくはみどりの窓口での座席指定となります。きっぷに引き換えてしまうと列車の変更ができないため、どの列車を9回分に含めるのか悩んだ人も多かったかも。
通常は満席が見込まれる列車、次に全車指定席の列車でしょうか。
9000ポイントですが、自分のようにJ-WESTカード使いで普段から通勤、乗り鉄している属性の人にはそこまで多いイメージはなかったです。あと山陽新幹線を普段から使う人はボーナスポイントがガンガン溜まっていくので、そういう人にもがっつり溜まってたでしょう。
以前からJ-WESTカードのJ-WESTポイント(WESTERポイントの前身)の交換希望先のアンケート項目に、「フリーきっぷ」の項目があったため、以前からこの手のきっぷを検討していたようです。
いつものように損益分岐点・・・と思ったら大阪起点は先の(一部ポイント版)でやってました。なので、ここは博多発で計算してみたのですが、トンデモないことに。
区間 | 片道・運賃料金 |
---|---|
博多~上越妙高(のぞみ・サンダーバード・はくたか) | 25880円 |
博多~富山(のぞみ・サンダーバード・つるぎ) | 23010円 |
博多~新宮(のぞみ・くろしお) | 22380円 |
博多~城崎温泉(のぞみ・はまかぜ) | 18630円 |
博多~鳥取(のぞみ・スーパーいなば) | 18350円 |
博多~新大阪(のぞみ) | 16020円 |
博多~岡山(のぞみ) | 13370円 |
博多~広島(のぞみ) | 9630円 |
博多~出雲市(のぞみ・スーパーおき) | 12930円 |
博多~新山口(のぞみ) | 6020円 |
・・・なんというか、博多を起点にするとほぼ山陽新幹線を使うことが確定となってしまうため、9000ポイント=9000円換算で考えると、新山口往復でモトが取れてしまいます。
さらに指定席無制限というのはかなり強力。e5489では9列車分しか取れませんが、自分は最終的に17列車分とっていました。うーむ。
ただ、無制限ということは乗る気のない列車の指定席も無制限に取れてしまうわけで、さすがにちょっとそれはどうなのかな?と思うところもあったり。
というわけで、WESTERポイント全線フリーきっぷを使った乗り鉄がスタートです。
18分の遅れとその吸収
本当ならばWESTERポイント全線フリーきっぷを8/30からの使用予定で、8月頭に計画してきっぷ購入や各種座席指定をしていましたが、折からの迷走台風に一喜一憂。そうこうしているうちに宿泊するホテルのキャンセル料期限が迫ってきたため、やむなく8月末出発は中止し一週後ろ倒しすることに。
ただ、当初予定していたホテルが一週間前では取れなかったため、計画自体を見直すことになりました。WESTERポイント全線フリーきっぷ自体のキャンセルは台風理由ということで全額ポイントがキャッシュバックされ、仕切り直しに。
というわけで仕切り直しの一本目は毎度おなじみ「スーパーおき1号」。通常キハ187系2両編成ですが、この日は指定席が増結されて3両編成。
早朝からの列車かつ増結なので車内は比較的ゆったり。それでもフリーきっぷ利用者らしき人もそこそこ見ます。
この「スーパーおき1号」は午前に日本海側を走行するため、西日とは無縁で日本海の景色を堪能できるのがいいところ。
出雲市で乗客が増え、指定席は窓側はほぼ埋まるぐらい、自由席は7割ぐらいの乗車率で発車。3両編成にしては多いので、フリーきっぷ効果でしょうか。
田儀付近は数年前地滑りがありましたが、すっかり工事が完了して元の綺麗な日本海が見えています。
大田市で多少乗り降りがあったものの途中の馬路駅で大休止。何があったんだろう?と思ってたら先行列車が動物と衝突したとのこと。あれま。
ただ、最近は経年のせいかキハ187の故障が増えてきている気がします。そろそろ置き換えの声もかかる時期かも。
比較的短時間で解消したものの、15分遅れ。さらに単線の悲しさからか江津を過ぎて波子でも長時間の停車があって浜田を出た頃には18分の遅れに増えていました。
益田でもあまり遅れは解消できなかったものの、益田での4分停車を圧縮して12分の遅れに圧縮。さらに急加速で一気にトップスピードまで持っていく技あり?な運転のためか津和野で7分延。三谷でおそらくフリーきっぷ客であろう満員の「スーパーおき2号」を待たせて4分延まで持っていき、山口手前では定刻運転に戻るという凄まじいまでの回復運転を披露。山口線のスジが寝ていたのか運転士の技なのか・・・多分両方なのでしょう。
新山口の「のぞみ3号」への乗継が10分で、18分の遅れが出たときはいきなりの予定変更を覚悟しましたが、まさかの回復運転に新山口手前ではちょっと拍子抜けしました。
SL弁当を新幹線で
「スーパーおき」の道中はヒヤヒヤしたものの、結局定刻に到着し心配は杞憂に。となるととたんに心に余裕が出てくるもので、新山口駅構内の売店でちょっと遅めの朝食(駅弁)を購入。
ホームに上がるとちょうど2番手「のぞみ3号」の入線のベルが鳴っていました。
入線した列車はN700系の初期タイプの車両。もう走り出して16年を経過。窓側座席コンセント設置などエポックメーキングなデビューを果たしたN700系も初期車から廃車が始まってます。
N700系登場当初は車内で無線LANができるって喜んでいましたが、今やスマホで高速通信は当たり前の世の中では新幹線の無線LANは遅すぎて使用に耐えないという声が多くなっているようです。
16年前は新幹線内でYouTubeが見られるとか言って驚いてたよなあ・・・
今はかなり厳しいのではないでしょうか。
朝食は先の新山口駅売店で購入した「SLやまぐち弁当」それに山口の地ビール「ちょんまげビール」です。
「SLやまぐち弁当」はその名のとおり「SLやまぐち」沿線の名物を詰め込んだもの。山口県+津和野町の名産品が少しずつつめこまれています。岩国寿司にさらしくじらにふくの焼き物など。あまり他では見かけない食べ物が少しずつ入って1300円。名物を食べたいという人にはおあつらえ向きではないでしょうか。
異色なのは日本酒「獺祭」を使ったゼリーと津和野の源氏巻。ゼリーはアルコール分2.5%なのでお酒がダメな人は要注意。食べると確かに日本酒のほのかな香りが。そのあとに源氏巻を食べると、ゼリーの直後だと源氏巻の甘さがより一層引き立ちます。
SLやまぐちは何度も乗ってますが、SLやまぐち弁当は初購入。普段は津和野の駅弁なので、ちょっと新鮮な気分でした。
一方ちょんまげビールは、山口・萩の地ビール。330円と廉価なのでおそらく発泡酒規格だと思いますが(ラベル見忘れた)、いろいろな種類の入ったいわゆるツマミにもなる弁当にはちょうどいいのではないでしょうか。
(9/17の記事に続く)
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