神田から神田の片道乗車券

「神田->神田」片道乗車券

最近、規則がらみのちょっと難しいネタが多いですが、今回もそんな話です。
(すみません。こういうの好きなんです。)

今日は山手線一周のために購入した乗車券です。
以前、品川駅で購入した山手線一周の乗車券を紹介したことがあります。

このときは、品川->大崎、大崎->品川の片道乗車券2枚組といういささか意表をついた形で発券されました。これはこれで正解で、根拠は旅客営業規則第157条2項になります。

第157条 2
大都市近郊区間内相互発着の普通乗車券及び普通回数乗車券(併用となるものを含む。)を所持する旅客は、その区間内においては、その乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、同区間内の他の経路を選択して乗車することができる。

大都市近郊区間とはJR東日本の場合、ほぼSuicaが使える区間といっても差し支えありません。(久留里線や新幹線など、一部例外はありますが。)

このため、「山手線一周」で注文してでてきた「品川->大崎」「大崎->品川」の片道乗車券2枚組は、片方は品川から山手線外回りで隣の駅大崎まで、もう片方は大崎から山手線外回りで一周して品川に戻ることで、山手線一周が成立するわけですね。

神田駅で成り立つ140円一周

さて、品川駅では「品川->大崎」「大崎->品川」の乗車券2枚組、合計280円で一周できますが、神田駅で同じように「山手線一周」のきっぷを注文しました。

すると出てきたのは今回のようなきっぷです。
経路が「東北、中央東」、経路が「神田->神田」の片道乗車券で、発売額は140円。
ちょっとした頭の体操ですが、先のページから東京近郊区間の画像を引用してきました。これを見ればわかるかも。

東京近郊区間
東京近郊区間の路線図。今回は「神田->秋葉原->お茶の水->神田」の経路で発売されました。もちろんこれで山手線一周してもかまいません。

つまり今回のきっぷは、「神田->秋葉原->お茶の水->神田」という経路で発券されているわけです。運賃は3km以下の最低運賃である140円。で、規154条の2の規定に基づき、このきっぷで山手線一周してもかまわない、というわけです。

品川駅発の場合、山手線一周は280円かかるのですが、神田駅発の場合、140円で済むというのは、同じ山手線一周でも運賃が違うという面白い状況です。
今回、神田駅で駅員に発券を依頼しましたが(指定席券売機では発券不可)、特に迷わず今回のきっぷを出してきました。つまり、こういうヒマ人向けきっぷを発券する機会が少なからずあったということでしょうか(笑)

なお、神田駅のみどりの窓口は2021年に閉鎖されているため、現在は他の駅で発券を依頼することになります。

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