快速「SLやまぐち号」指定席券(12系)

SLやまぐち号指定席券

2010年の「SLやまぐち号」は「SLやまぐち なにわ号」「SLやまぐち あすか号」をはじめ、かなり派手な展開をしていましたが、2011年は東日本大震災もあってかかなり抑え目になっていました。

そんな中運行されたのが、青い12系客車による「SLやまぐち号」の運転。2011年9月23日から10月16日にかけて運転されました。青い12系は「SLみなかみ」だったり、「SL北びわこ」でおなじみですが、記念列車以外で青い客車がフル編成での「SLやまぐち」への登板はおそらく国鉄時代以来かと思われます。

例えば山口線でSLが2本運転されるときは片方が12系の原形車が使われています。ただし、牽引機がC56なので2両のミニ編成です。ただ、最近は2本運転されることはありませんが・・・
そのほか記念列車でも青い12系が登板することはありました。

列車名もシンプルに「SLやまぐち号」。青い客車6両をC56+C57重連で牽引していました。

やっぱり音は重要

C56

C56が12系客車6両を従えて新山口駅に入線。C57はドコへいった?
ヘッドマークなしで先頭に立つのはなかなか新鮮。

運転日数が多いのと、客車に真新しさがない?からか、前年の「サロンカーなにわ」「あすか」に比べると人出はかなり少ないですが、それでも新山口駅は家族連れを中心に大賑わい。
そんな中、C56+12系客車6両が静かに入線してきました。あれC57はドコにいった?

C57と合体。

C57があとからバックでやってきてC56と連結。立派な重連の出来上がりです。

しばらく待つと転車台方向からC57がバックで入線。ドッキングします。
C57-1の前面に掲げられているヘッドマークは定番のもの。今回は重連のため、客車6連をけん引して津和野に向かいます。
車内は5割程度の乗車率。自分も座ったボックスには誰も来ないのでワンボックス占拠ということに。

窓を開けると、SLの息遣いがよく聞こえます。特に仁保手前の勾配区間では、C56から出てくる「しゅっしゅっしゅ」「どっどっどっ・・・」の音が、いかにも坂を上っている感があって楽しい。これぞSLの醍醐味。(運転している人は大変でしょうけど)

仁保駅で小休止

仁保駅で小休止。改めて見ると青い客車にSLも悪くない。

仁保を過ぎるとトンネル区間に入り、窓を閉めます。気密が徹底されていないせいか、車内は徐々に煤で真っ白に。

すすけた車内。

トンネルを通ると車内が白っぽくすすけた車内になってしまいます。

最後のトンネルを抜けると車内放送で「トンネルを抜けましたので窓を開けて換気をお願いします」の案内が。SLやまぐちあるあるです。
一斉に窓を開けて煤を逃がしていきます。

2024年現在、現行の35系客車は気密処理や排気処理がきっちりしており、意図的に窓を開けてしまわない限り、このような煤けた車内になることはありません。

高原の風を受けながら篠目駅に停車。長門峡を過ぎて地福駅に到着。お約束の撮影タイムです。・・・なんですが・・・。

はみ出したSL

SL重連+6両編成の場合、地福駅の駅本屋側の手前のホームではホーム長さが足りず、奥側のホームに停車となります。この場合、機関車の前面からの撮影ができません・・・

SL重連+客車6両だと、撮影しやすい駅本屋側の乗り場が長すぎて使えず、駅反対側の線路に入線することに。さらに機関車の先頭が立ち入り禁止区域なので、機関車の前面が撮影できません。これは困った。
一方で重連+6両の場合は地福での撮影はなかなか難しいということなんでしょう。

重連でも客車5両の場合は、駅本屋側に入線するようです。

地福を過ぎると高原地帯を快走。その後県境を越えて島根県に入り、SLやまぐち号は津和野に向けてラストスパートです。

SLやまぐち

津和野に向けて驀進するSLやまぐち号。やっぱりこの「引っ張ってもらっている」感覚はいいですね。左の写真は津和野に向けて坂を駆け降りている様子で、煙をほとんど出していません。

船坂山を越えトンネルを抜け、島根県に入ると絶気合図とともに絶気運転へ。これは、要は何もしない惰性運転になり、煙はほとんどありません。
迫力がないからか津和野駅手前の下りはあんまり撮り鉄は見かけないようです。(逆に坂を上る形となる新山口方面の列車は撮り鉄が集結します。)

前年の「サロンカーなにわ」「あすか」では乗り鉄的はやや消化不良の感があったのでしすが、このときは思う存分「SLの旅」を楽しむことができました。

5/20の記事へ続く)

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