近鉄が主に京都~奈良間で運行している観光特急「あをによし」の特急券・特別車両券です。
「あをによし」は全席2人用(ツインシート)、もしくは4人用(サロンシート)の特別車両で一人当たり210円の特別車両券が必要です。一人で乗車する場合はツインシート利用になりますが、通常の特急券、特別車両券のほかにこども用の特急券、特別車両券が必要となります。
一人用で買うとどういう券面になるのか気になりましたが、普通に大人用と子ども用の特急券・特別車両券が1枚ずつ出てきました。
しかし券面上はこの2枚の特急券は一緒のきっぷ扱いになっており、右上に「割引特急券」の意味を表す「割」の文字、そして払い戻しの際には2枚とも必要と記載されているのが特徴です。
なお、サロンシートはそういうルールはなく、3人、もしくは4人でのみ利用可能です。
なお、同じツインシートでも「伊勢志摩ライナー」のツインシートには一人乗車の特例はありません。
券面に「あをによし」を示す花喰鳥が描かれ、ツインシートであることを示す「ツイン」の文字が入っています。
しかし、どうして京都が絡むと紫系統が多くなるんだろう。
短距離乗車がもったいない
今回乗車したのは京都発大阪難波行き特急「あをによし」。京都からいったん近鉄奈良に出て、そこで折り返して大阪難波に向かいます。
いわゆる京阪間の特急ではあるのですが、スピードは遅いし特急料金もかかるので高いです。もっとも純然たる観光列車なので、別にスピードやお金は二の次で乗ること自体を楽しむ列車と言えるでしょうか。
入線した列車は、旧式特急電車を改造した19200系4両編成です。
1,3,4号車がツインシート。このうち、片方の列が向かい合わせになっており、もう片方が斜めに向いています。
占有面積は斜めに向いているほうが広く、特に三角形のテーブルはかなり巨大で、食事するにも無言の争奪戦にならないでしょう。
一方向かい合わせ席は一人ならば十分すぎる席。一人の場合は近鉄奈良で進行方向が変わるので、常に進行方向前向きにできる向かい合わせ席のほうがいいかもしれません。
コンセント、車内WiFiは標準装備。
一方、2号車はサロンシートと呼ばれる4人掛け席が3つあります。
敷居で囲ったセミコンパートメントに近い作りで、グループ客にぴったり。ただ、2号車にはビュッフエがあり、完全に仕切られているわけではないので、ひっきりなしに人が通り抜けてしまい、ちょっと落ち着かないかもしれません。
京都を発車。
本日は満席の乗車ということですが、ざっと見渡す限りツインシートのうち3割は一人客の模様。結構な比率です。
発車時点で16時40分と、冬の天気ではもう暗くなってきており、大久保を過ぎたあたりで完全に真っ暗に。ギリギリまで景色を見ていましたがあきらめて2号車のカウンターに向かいました。
2号車の半室はビュッフェカウンターとなっており、飲み物や軽食、お土産などが販売されています。「あをによし」オリジナルグッズも各種ありますが、らしいなあと思ったのがが「あをによし」をデザインした御朱印帳。御朱印めぐりの本場である京都、奈良ならではの一品ではないでしょうか。
飲み物は地ビールタップが3つにオリジナル地ビールが3種類。
いずれも奈良に拠点がある大和醸造で、近鉄奈良駅前に本店があるほか、大和西大寺駅構内にも出店しています。
「あをによし」のほか、「しまかぜ」「青の交響曲」などの車内販売でも出されています。
ちなみに乗車する列車によってその列車向けにラベルを分けていますが、銘柄は同じ。(はず)
ビュッフェには乗車証明書もあり、ツマミとセットで晩酌と相成りました。
30分ほどで近鉄奈良に到着。ここで折り返し、大阪難波に向かいます。大和西大寺~近鉄奈良間は往復乗車になりますが、奈良で降りない限りこの部分の運賃、料金はかかりません。
大阪難波~京都間の「あをによし」は1往復のみで、残り3往復は京都~近鉄奈良間の運行。乗車時間は実質乗車30分ほどで、これでよくビュッフェカウンターとか導入したなあ、と近鉄の意地をちょっと感じました。
もっとも今回の乗車列車では近鉄奈良での乗降はほとんどなし、ほぼ全員が京都から鶴橋、大阪難波までの乗客で、まさに「乗るため」にこの列車を選んだ人ばかりでした(笑)
鶴橋で乗客の半分ほどが下車。上本町でも少し下車があり、比較的空いた状態で大阪難波駅に到着。
大阪難波駅はホームが3つしかなく、そのうち1番線は大阪難波止めの電車と、阪神なんば線方面の列車がこのホームを使うため、降車完了後はすぐに場所を空けないといけません。「あをによし」も降車完了後、すぐに引き上げ線に向けて発車していきました。
今回乗車の感想は流石に「短いなあ」。
特に京都~近鉄奈良だとあっという間の乗車で、ビュッフェとは過剰設備のようにも見えなくはないのですが、アルコールなど飲料が中心で、軽食も「豚まん」「カツサンド」などすぐに提供できてすぐに食べられるものにするなど、「しまかぜ」「青の交響曲」などとはメニューを分けてきているようです。
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