きのさき5号、チケットレス特急券

特急「きのさき5号」J-WESTチケットレス特急券

コロナ渦後の観光需要の回復は日本全国あちこちで見られますが、京都も例外ではなく、特にインバウンド需要の伸びは凄まじいものがあります。
そのインバウンド需要の伸びの影響を最も受けているのが、嵐山界隈と、京都と嵯峨嵐山を結ぶ嵯峨野線(山陰本線)ではないでしょうか。
理由は単純でJapan Rail Passを利用できて、京都駅から文句なしに最速の輸送手段だからです。

となると、当然ながら嵯峨野線の混雑も激化し、土休日のデータイムはラッシュ並の混雑が常態化してきました。
特に京都駅の嵯峨野線ホームは、片側にしか出口がありませんのでどうしても混雑が偏る傾向にあり、それも混雑激化の要因となっています。
JR西日本としては、

・臨時電車の設定
・座席の少ない車両(223系2500番台)の優先使用

などを行っていますが、さらに紅葉のシーズンのピーク時には同区間を走る特急「きのさき」「はしだて」「まいづる」の嵯峨嵐山臨時停車を行うようになりました。
そんな中今回乗車したのが「京都->嵯峨嵐山」間での「きのさき5号」です。

嵯峨野線 混雑緩和に向けた対応について

山陰本線京都口の特急は全車指定席のため、特急料金は指定席特急料金になりますが、短距離になるほど割高です。
京都~嵯峨嵐山まで10分、特急料金は1290円。一人ならともかく複数人で乗るとタクシーと大差ありません。
そこで、既に導入しているJ-WESTチケットレスの出番です。2日前からの予約で25kmまで600円と半額以下です。それでも高いと思われるかもしれませんが。

もっとも特急指定席乗り放題の JapanRailPass 利用者には関係のはない話です。

というわけで、臨時停車最終日の12/10に嵐山に行ってみることにしました。

インバウンドだらけの嵐山

京都駅
京都駅嵯峨野線ホーム。紅葉のピークは過ぎたとはいえ、相変わらず嵯峨野線は人でいっぱい。

12月も10日になると紅葉のピークは過ぎ、いよいよ冬本番に向かう時期です。
完全なピークははずしたつもりではあったのですが、京都駅の嵯峨野線ホームの普通電車乗り場にはインバウンド中心に人でいっぱい。
6両や8両に増結してはいるものの、出口の関係上どうしても列車後方の混雑が激しくなっています。
あちこちで「前が空いてます」という看板を見かけるものの、やはり後ろの混雑のほうが激しいのは今も変わらないようです。

一方、「はるか」や「きのさき」など特急が発着するホームは明らかに空いています。かなりのんびりした印象。そんな31番線に「きのさき5号」が発車準備をしていました。

きのさき5号
京都駅で発車を待つきのさき5号。車内は比較的ゆったり。

きのさき5号は287系電車の7両編成。京都発車時点ではだいたい4割程度の乗車率で比較的落ち着いています。
客層は着席するなりお弁当や飲み物を広げる長距離と思しき客が多く、嵯峨嵐山方面はあまりいなさそう。
ただ、インバウンドはそこそこいます。座席がわからず右往左往するインバウンド客の姿も。

満員の普通電車を後目にこっちはゆったりと発車。600円ならば十分に利用価値ありかも。

嵯峨嵐山駅に到着した「きのさき5号」
嵯峨嵐山駅に停車中の「きのさき5号」。下車客はほとんどいませんでした。

わずか10分足らずで嵯峨嵐山駅に到着。
どれだけ降りるかな?と下車時にあたりを見回してみますが、自分以外は2~3人ほど。ピークを過ぎたから少なかったのか、それとももともと少なったのか。

もっとも大量下車されるとそれだけ長距離客が少ないことになるので、JR西日本にとっては微妙なことになりそうです。

嵯峨嵐山駅は2面3線から2面4線の橋上駅舎に改築されていました。

嵯峨嵐山駅
嵯峨嵐山駅舎。以前のこじんまりした駅舎の面影はなく、嵯峨嵐山方面への玄関口にふさわしい威風堂々とした駅舎となっています。

嵯峨嵐山駅は久々に訪問。
確か現役最古の駅舎を15年前に改築して橋上駅舎になったといいますが、以前のこじんまりとした駅舎は完全にパンク状態だったからか今の駅舎はかなりゆったりとしたつくりになっています。

しかしまわりと見渡すと8割近くがインバウンドと思しき客。流石の知名度の高さ。
それを象徴するのがこれ。

JapanRailPass専用出入口
非常に珍しいJapanRailPass専用出入口。小駅にこんな改札が作られること自体、インバウンドの多さを物語ります。

JapanRailPass専用ゲート。専用ゲートを設けないといけないぐらい多くなっているのですね。。。

嵐山の今

天龍寺
天龍寺の入り口付近。
紅葉はほぼ終わってますが、人は結構います。

折角なので嵐山を散策することに。
嵯峨嵐山駅から嵐電嵐山まで歩くと、目についたのが貸衣装屋の多さ。10軒は見かけたでしょうか。当然ながらターゲットは嵯峨嵐山駅で下車したインバウンド客目当て。
1日レンタルで2000円から3000円程度で。どの店にもそこそこ客がいるようです。

嵐電嵐山駅の近くが天龍寺。
本来は早朝に参拝するのがおすすめですが、ちょっと覗いてみました。
紅葉はほとんど落葉しており、ほとんど冬の装い。しかしこの日は結構暖かかったため、薄着の人が結構目立ちます。インバウンドでは半袖の人も。いつも思うのですが、体の構造が違うんだなあ、と。

嵐電嵐山から渡月橋
嵐電嵐山から渡月橋までの一番賑わう区間。流石にピーク時のような車が走行困難になるような混雑ではありませんでした。

嵐電嵐山駅から渡月橋までが、嵐山で一番混雑する場所になりますでしょうか。
流石にピーク時ほどではないものの、歩道にはインバウンド中心に人がいっぱい。昔の嵐山はタレントショップなどが軒を連ねていましたが今はすっかり影をひそめ、どちらかというと「和」を前面に押し出した店舗が多くなっています。和菓子とか、扇子とか、京漬物とか。

客層もすっかり昔と変わってしまい、にぎやかさは同じでもすっかり様相は変わってしまいました。
まあ、そのこと自体は特に良いとも悪いとも思ってはいませんが、子どもの頃この界隈に住んでいた人間にとってはその変化には驚くばかりです。

渡月橋からの眺め
渡月橋からの眺め。嵐山市街地の光景は変わってもこの眺めは昔から変わっていません。

様変わりした嵐山市街地とは対照的に。渡月橋からの嵐山の眺めは昔の記憶とあまり変わりませんでした。紅葉はすっかり終わってしまって冬の装いになってしまってますが、穏やかな光景は昔のままです。

「嵐山」って本来は山の名前ですが、いつしかその地域一帯を「嵐山」と呼称するようになりました。ただ、嵯峨嵐山駅以北はあまり「嵐山」とは呼ばれず、「嵯峨野」と呼ばれることが多いです。

渡月橋で川の名称が代わり、渡月橋より北は大堰川、南は桂川ですが、渡月橋一帯は両方とも桂川と呼ばれることが多いです。

渡月橋を渡ると阪急嵐山駅方面への道となりますが、こちらはインバウンドの姿はあまりみかけず、どちらかというと日本人客主体となります。
阪急はJapanRailPassが使えないので、どうしても嵯峨嵐山駅方面に集中してしまうのでしょうね。。。
そんなこと考えながら阪急嵐山駅から桂行普通電車に乗り込みました。

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