近鉄の名古屋から吉野までの特急券です。
近鉄は特急の乗り換え時間が30分以内の場合、特急料金を通算するルールがあり、この場合、券面に乗り換え列車分記載されます。
そして今回は4列車分の乗継特急券となりました。
4列車乗継の場合、特急券自動券売機やインターネットでの販売はなく、有人での特急券窓口のみでの限定発売となります。
そもそも4列車乗継のニーズはほとんど皆無で、需要のほとんどが3列車までで済ませられるため、現実的な落としどころとして設定されたのでしょう。
5列車以上は実需では基本的にありえず、ほとんど趣味の領域になるためか機械発券自体が不可能で、手書きによるきっぷとなります。
4列車分の情報を88mmのサイズに盛り込んだため、かなり券面もごちゃついた感じになってしまいました。そして、右側にアイコンが入っていますがこれはどういう車両なのかを示しています。具体的には今回のきっぷだと
UL・・・アーバンライナー
V・・・ビスタカー
青・・・青の交響曲
DX・・・デラックスシート
で、「青」「DX」で「青の交響曲のデラックスシート」という見方となります。
4列車分もあるとアイコンもずいぶん賑やかになってしまいました。
特急が特急に抜かされる
名古屋からの第一走者は、賢島行き特急。アーバンライナーでの運転ですが、やってきたのは「アーバンライナーNEXT」。以前もそうだったのですが、自分がアーバンライナーに乗るときはなぜかNEXT率が高いです。一応共通運用なんだそうですが。
NEXTの特徴は前面のブラックフェイスと、側面のnextロゴ。
内装はPLUSとNEXTではあまり変わっていないので気にする必要はないですが、モーターに15年の差異がある分走りっぷりはかなり違うそうです。
レギュラーシートに腰を落ち着かせて発車。相変わらずこのゆりかごタイプの座席には慣れません。
伊勢中川で大阪難波行き特急に乗り換え。2階建て「ビスタカー」2両を含めた6両編成ですが、自分の指定は2階建てではないので、きっぷに「V」のアイコンはなし。
対面乗り換えの場合は自動的になるべく近い号車になるのですが、伊勢中川での乗り換えは同じ4号車でも、賢島発大阪行きと名古屋発賢島行きでは1号車の位置が正反対になるため、結構歩く羽目になります。流石にここまでは考慮されなかったようです。
ビスタカーの平屋席も座席が交換されてゆりかご型シートになっていました。やっぱりこのシートには…(以下略)
榊原温泉口、伊賀神戸と停車して名張に停車。ここで3分ほど止まります。
ここでは後続の近鉄名古屋発大阪難波行き特急「ひのとり」に道を譲ります。新幹線以外で定期有料特急どおしの追い越しはかなり珍しいのではないでしょうか。
かつては、JR在来線でも足の遅い寝台特急が後続の電車特急に追い越されるなんてこともありました。
榛原に停車し、大和八木に停車。ここで橿原神宮前行き特急に乗り換えです。
3両中1両がカフェカーの「青の交響曲」
大和八木で乗り換えた橿原神宮前行き特急もビスタカーで、今度は2階席なのでVマークがついています。しかし、乗車時間はわずか5分。デッキに立っていても大差ありません(笑)
京都発橿原神宮前行きは終点で吉野行きに連絡する場合は伝統的に「吉野連絡」のヘッドマークが入るのですが、いつの間にか廃止されて前面の行き先表示に「吉野連絡」の文字が入るようになっていました。
2階建て車の異様に天井が高いデッキでしばらく眺めること5分。橿原神宮前に到着です。
橿原神宮前からは観光列車「青の交響曲」吉野行きです。通勤電車を改造した3両編成で運行され、全席デラックスシート扱いとなり特別車両券が必要となります。
2016年に運行開始で運行は既に8年目に突入。でもシーズンオフにもかかわらずほぼ満席の車内は相変わらずの人気を物語っているようです。
前面はあまり手を加えておらず、見た目は色が変わった通勤電車に見えなくもない(笑)
ただし、車内は大胆に変えられています。
全席2+1の3列シートになってデラックスシート化した車内は、どちらかというと大人向けの落ち着いた色彩の車内となっています。
そして最大の売り?が2号車のカフェラウンジでしょうか。
3両編成で1両を通常定員外にするのは本列車のほか、「つどい」、越乃Shu*Kuraぐらいでかなり異例。越乃Shu*Kuraは臨時運行かつ需要予測ができるツアー車両を組み込んでいるために実現した側面もありますが、こちらは気軽に乗れる定期列車なのにこのような車両を組み込んでいるあたり、相当気合が入っています。
革張りのソファに、ブラウン系統でまとめられたラウンジ車内はかなり大人の空間をイメージしており、とてもではありませんがかつて通勤電車とは思えない姿に変貌しています。
カフェでは地ビールのタップや軽食としてカレーなども販売していますが、今回は素直にケーキセットを選択。
大阪マリオット都ホテルのシェフが監修したと言われるストロベリーのケーキは、甘くはなく、むしろ酸味を効かせた味が甘いのが苦手な自分には割と好み。
冬の吉野川をぼーっと眺めながらしばらく2号車でカフェタイムをとっていました。
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