2024年4月、JR西日本も含めたJR各社は「乗継割引」の制度を全廃しました。「乗継割引」とは、新幹線や特定の列車から乗継を行う場合に乗継の特急列車の特急料金が半額になる制度でしたが、これが全廃となるとマスコミでも大々的に取り上げられ、ステルス値上げだとの声もありました。
一方でJR西日本では2023年にひっそりとEXサービス限定で「乗継チケットレス特急券」をe5489で発売しています。新幹線とJR西日本の特急の乗継時に発売され、開始当初は「やくも」「スーパーおき」のみで発売、2024年3月から、「くろしお」「きのさき」「こうのとり」「スーパーはくと」などでも発売が開始されました。
通常の指定席特急券と比べると最大半額となっており、事実上の乗継割引の後継となっています。
なお「チケットレス特急券」のため、きっぷへの引き換えは不要ですが、このように引き換えることも可能です。乗車券はついていないので、別途用意する必要があります。
最大の注意点が新幹線が「EXサービス(EX予約、スマートEX)」利用限定であること。特にスマートEX利用の場合は注意が必要です。
というのもスマートEXは乗車券+特急券での発売しかできず、特急券単体での販売ができません。このため、今回の「やくも」乗り換えの場合、何も考えずに「スマートEX+乗継チケットレス」を使うと思わぬ副作用を生じます。
例えば、東京->出雲市の場合。(新幹線はのぞみ利用、通常期)
購入方法 | 運賃・料金 |
---|---|
スマートEX+「やくも」 | 24590円 |
スマートEX+「やくも」乗継チケットレス | 23110円 |
東京~出雲市乗車券+「のぞみ」「やくも」特急券 | 22470円 |
東京~出雲市乗車券+「のぞみ」e特急券+「やくも」乗継チケットレス | 20230円 |
東京~岡山「EX早特21ワイド」+「やくも」乗継チケットレス | 20210円 |
首都圏往復割引きっぷ(片道あたり) | 18335円 |
東京~出雲市乗車券+「サンライズ出雲」シングル特急券・寝台券 | 23210円 |
東京~出雲市乗車券+「サンライズ出雲」ノビノビ座席特急券 | 16040円 |
羽田~出雲JAL「スペシャルセイバー」週末平均 | 21160円 |
何も考えずに「スマートEX」+「乗継チケットレス」を使用すると、普通に駅で買う東京~出雲市の乗車券+新幹線と「やくも」の特急券よりも割高になってしまいます。理由は単純で、乗車券が岡山で打ち切られてしまうためです。長距離であればあるほど運賃単価が下がる運賃制度が「東京~出雲市」だと強力に効くためです。
ただし、スマートEXでも「EX早特21ワイド」のきっぷが取れたら状況は一変。この乗継チケットレスとの組み合わせは最大の効果を発揮します。
ただし「EX早特21ワイド」は取れないときもあれば繁忙期は設定自体がありませんので、そこは要注意です。
一方、無料の「スマートEX」ではなく有料の「EX予約」会員の場合は、e特急券が単体で購入できるため、東京~出雲市の通しの乗車券とe特急券+乗継チケットレスの組み合わせが強力に効果を発揮します。
正直2023年のEX運賃の値上げ以降、「EX予約」会員であるメリットがあまりなくなってしまったのですが、自分はこの利点が最大限に生かせるため会員に残っています。
比較の参考までに東京~出雲市の首都圏往復割引きっぷと、「サンライズ出雲」利用の場合の料金も上げてみました。首都圏往復割引きっぷの安さが目をひきますが、往復とも新幹線+やくもはちょっと考え物かと。あと本きっぷは首都圏での発売はありません。
「サンライズ出雲」のノビノビ座席の安さも目につきますが、個室寝台でも新幹線+「やくも」や週末のJALの28日前まで購入の前割「スペシャルセイバー」と大差なく、最近高騰している宿泊費が節約できる面でもコストパフォーマンスが高いと言えるのではないでしょうか。
美しき特急色
「やくも25号」は復刻した国鉄色6連での運転です。流石に最終運行日が近くなると、撮影する人が結構います。
この大型のイラストが入ったヘッドマークも貴重になっており、元L特急だったことを示す「L」マークも存置されています。
クリームと赤の国鉄特急色は配色、配分ともに絶妙で、永らく使われていた理由もよくわかります。
4号車は元グリーン車。流石に内装は普通車化されていますが、側窓の大型2連窓が大きな特徴です。以前はここがベネシャインブラインドでしたが、JR化後カーテンに置き換えられています。
岡山を定刻に発車。置き換え間近とはいえ、まだ2週間前ではフィーバー状態ではなく乗車率は4割程度と比較的まったりしています。
岡山発車時はわずかに陽があって明るかったのですが、ほどなく夜に。「ゆったりやくも」の特徴はやや暗めのスポット照明が特徴で、夜になると眠りやすいですね。
うとうとと居眠りして、やたら人の動きが多いなと思って目が覚めたら米子到着です。
その後は固まった体をほぐしながら荷物整理。米子を過ぎると昼間なら中海が見えますが、夜間だと何も見えず真っ暗。
米子から30分ほどで松江に到着。大荷物を抱えて下車です。
夜22時近くにもかかわらず、向かいのホームで撮影している人がいたのには驚きました。
この国鉄特急型「やくも」は明日6/14に運行を終了します。
コメント
初めまして
こちらの情報がわかりやすくお同じように予約しました。
(EXサービス限定 乗継チケットレス特急券)
発券しようと駅に行き、発券機を操作しましたらグレーアウトで選択できませんでした。
発券の順番等ありましたらアドバイス頂けると幸いです。
新幹線チケットは発券がまだ早くできていません。
よろしくお願いします。
どこで引き換えようとしましたでしょうか?
基本的に120mm+指ノミタイプのJR西日本のチケットレス特急券は、
そのチケットレス特急券の発着駅とその周辺の駅でしか引き取りできないです。この周辺駅というのがわりとあいまいなのがやっかいなのですが。
チケットレスなので本来は引き取り不要てすが、引き取りしようとするとちょっとひと手間かかりますね。
コメントありがとうございます。
チケットレス特急券の発着駅とその周辺の駅でしか引き取りできないですか??
e5489サポートダイヤルへ電話したらJR西日本の駅の券売機でしたら、どこでもできますと回答がありました。
実際は米原駅でJR西日本の券売機で他の指定券も併せて発券する予定でした。(他の指定券は発券済みです)
e5489サポートダイヤルはJR東海側の券売機で発券しようとしてませんか?と疑ってきました。
だとしたら他の指定券は発券できてるのは変ですよね。
チケットレス特急券の発着駅とその周辺の駅でしか引き取りできないとどこか記載されているですかね?
宜しくお願いします。
記載はどこにもないです。
正直自分も松江で京阪神のチケットレスを引き換えようとしてハマってました。
駅員に聞いてもわからず、何十回かいろいろチケットレス買ってようやく傾向を把握したのですが、
多分タリフにも載っておらず、サポートダイヤルの担当もわかってないと思います。(そもそもひきかえる物好きが少ないと思います)
どうしてもきっぷが欲しい場合、下車駅で引き換えるという荒技もあります。(経験済み)
発車後でも引き換え可能です。
あとはサポートダイヤルの人が通常のチケットレス特急券と同じと決めつけてしまった可能性でしょうか。
通常のチケットレス特急券はJR西日本のどこのみどりの券売機で引き換え可能です。
サポートダイヤルには2日間電話をして2人の担当者に
EXサービス限定 乗継チケットレス特急券と説明しました。最終的には1人の担当者はみどりの窓口へ行って下さい。もう1人はチケットレスで乗車できますと!!
いやいやいや、それなら最初から電話してないでしょ?
って答えましたが・・・(笑)
指定券は出雲市-岡山で乗車ですので米原駅では発券出来ないはずですね!!出雲市駅で発券することにします。
りりす@新きっぷさんの対応によって救われました。
本当に感謝しかありません、ありがとうございました。