地球探索鉄道号指定席券

「地球探索鉄道号」指定席券

釧路~根室間のJR根室本線の通称「花咲線」の需要喚起のテストケースとして、2023年8月から9月末まで一部列車に指定席が連結されることになりました。

・釧路駅8:21発->根室駅10:53着【普通「地球探索鉄道号」】
・根室駅11:03発->釧路駅13:19着【快速快速はなさき」】

今回はこのうち、釧路8:21発の「地球探索鉄道号」の指定席券となります。
従来から花咲線では8~9月を中心にした夏季期間は、利用客の増加が見込めるため上記列車を2両編成にして運転してきましたが、今回はそこに指定席を試験的に設定することになったものです。
指定席はマルスに収容することになったため列車名を設定することになり、名無しのローカル列車に「地球探索鉄道号」という立派な列車名が付けられることになりました。

なお、
・釧路駅13:25発->根室駅15:57着
・根室駅16:10発->釧路駅18:51着
も2両編成です。こちらは指定席はありません。

利用客にとって指定席の利点は、確実に座席が確保できること。特に直前の乗継がぎりぎりの場合は効果が高いです。
ただ、釧路発の場合需要の多そうな札幌からの「おおぞら」からの接続はなく、若干需要とのずれを感じます。

 

暑さと霧とドロンとシート

地球探索鉄道号塗装
根室方は「地球探索鉄道」ラッピングです。同じラッピングが根室交通のバスやタクシーにも見られます。2両編成運転期間中はこの列車専従となります。

「地球探索鉄道号」はキハ54キハ40の2両編成。うち、根室方のキハ54は「地球探索鉄道」ラッピングを施したキハ54-521が専属で努めます。
車内は転換クロスシート。こちらは自由席車となります。

道東森の恵み号ラッピング
道東森の恵み号ラッピングです。北海道のキハ40は急速に数を減らしており、このラッピング編成も余談を許さない状況です。

一方、釧路方はキハ40の「道東森の恵み号」ラッピング車です。春先は滝川~東鹿越え間の普通列車に入っていましたが、夏場はこちらにくるようです。

この夏場の増結はここ数年は毎年行われており、半ば定番化していましたがまさかの指定席設定には驚きました。

釧路~根室のサボ
「根室⇔釧路」のサボ。花咲線では、キハ54の前面に行先を出すので、サボを掲出するのはこのキハ40のみです。

なお、普段は行き先を示すサボ(=旅客列車案内板)がない花咲線の普通列車ですが、この列車に限りサボが取り付けられていました。
花咲線は北海道クリーンシステムの管理対象外のはずで、はて誰がサボを管理しているのかと思ってたら、添乗していた係員が行っていました。アンケートとかもやっていたので、どこかの観光協会の人かな?

「北海道クリーンシステム」は車内・駅舎の清掃を行うJR北海道の子会社で、列車のサボの管理もやってます。

森の恵み号車内。
「森の恵み号」車内。ボックスシートにはテーブルが設置されています。
また、指定席区画は窓上に「指定席」の表示がシールで貼られています。

車内はボックスシートにテーブルが設置。
また、窓側区画の上部には「指定席」と書かれたシールが付けられており、指定席区画であることを示しています。
ただ、やっぱり自由席と勘違いして座ってしまう人が絶えず、そのたびに添乗の係員がきっぷのチェックを行っていました。(ワンマン運転のため、車掌はいません。)

その指定席ですが、根室行きの場合D席が進行方向窓側になります。
事前の空き状況を確認すると窓側席はほぼ埋まっていることになっているのですが、指定席となった5つのボックスシートのうち、空きボックスが2つ。自分も向かい側の窓側席も空いています。
いわゆるきっぷの列車名欲しさに指定席券だけ買って乗車しない「ドロンとシート」が多いようで、現地の新聞でも指定はされていても実際に乗車されないことを気にしている論調がありました。

これはイベント列車の指定席によくある話ではあり、正直きっぷヲタのはしくれとしてもやめてくれとは思うのですが、正直特効薬がないのが現状です。
さらに、通常はドロンとシートは車掌が空席を確認して希望者に車内で再販するのですが、この列車はワンマン運転で添乗の係員では再販ができず、結局カラのまま走らせることになってしまいます。
指定席は試験導入とのことですが、来年以降も導入されるかは微妙な感じです。

厚岸前の海岸線
厚岸駅直前で太平洋を見ます。
穏やかな太平洋ではあるのですが、同時間帯同じ根室本線でも富良野付近は集中豪雨だとか。さすが広いぜ北海道。

さて、釧路駅を発車するとしばらくは釧路市内近郊を走り、別保を過ぎると山中に入ります。
この日の釧路発車時点の気温は、8時過ぎで既に25度近くまで上がるという、道東の9月としては妙に気温が高い日でした。このため、非冷房のキハ40/キハ54は窓を開けているところが多く、風を受けながらの行程です。
道東って涼しいんじゃないんだっけ?やっぱり今年の夏は暑かったのだ・・・(といっても9月も半ばを過ぎてますが)

山中を越えると上尾幌、尾幌と過ぎ、厚岸手前で太平洋が見えてきました。
なんだか晴れてるのか曇っているのかよくわからないのですが、とにかくこの日の道東は妙に暑かったです。

別寒辺牛湿原
すっかり知名度が全国区になった別寒辺牛湿原を走行。このあたりは徐行します。

厚岸を過ぎると、すっかり知名度が全国区となり花咲線が脚光が浴びるきっかけともなった太平洋から別寒辺牛湿原を走行します。
このあたりは徐行するため、じっくりと観察できますが、通るたびによくこんなところに線路ひいたなあと思います。現代ではこんなところに鉄道敷設なんて絶対できないでしょう。

さらに東に進むと厚床を過ぎたあたりから、道東名物の霧が。この先、落石駅付近で再度海が見られるのですが・・・・

霧の海
すっかり霧で覆われた落石海岸付近を走行。かろうじて海があることだけはわかります(笑)

もう一つのハイライトだった落石海岸は霧の中。一応徐行区間ではあるものの、どちらかというと濃霧で徐行しているような(笑)

落石駅を過ぎると霧も晴れ、ちょっとずつ市街地に入ってきたと思ったら東根室。
東根室を過ぎると終点の根室はもうすぐです。

9/27の記事に続く)

 

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