神戸・姫路デジタルパス(ICOCAでGO)

神戸・姫路デジタルパス

JR西日本では、「tabiwa」アプリによる地域と連携した観光型MaaSを展開しています。
MaaSとは「Mobility as a Service」の略で、簡単に言うとその地域で移動に必要なものがすべてを一つにまとめたもの(主にスマホに)、というべきでしょうか。
日本ではこれに、ホテルや観光施設も含めた旅行一般に必要なものを一か所にまとめる傾向があり、この「tabiwa」もその傾向があります。

JR西日本自体が鉄道会社ですから、軸はJR西日本となりそれに沿線の観光地のチケットや交通機関などをまとめた形となります。
今回の「神戸・姫路デジタルパス」もそういったものの一つで、神戸・姫路地区のJRを中心に、沿線の交通機関や施設の利用券をまとめたものになります。「tabiwa」アプリ内限定発売。
以前は交通機関乗り放題の「フリーきっぷ」やそれに施設利用券もついた「ぐるりんパス」などでの展開がメインでしたが、最近はこの「tabiwa」アプリでの展開が主流となってきています。
電子チケットで、紙のきっぷでないので悲しいところもありますが、時代の趨勢からフリーきっぷの電子チケット化は避けられないのでしょう。

ICOCAが必須な電子チケット

神戸・姫路デジタルパスは、そんなtabiwa限定のデジタルチケット、利用当日までにtabiwaアプリ上で購入可能で。2023/09/30利用開始まで発売中です。
スマホ限定という特性上、複数人での購入はできず1つのスマホ(tabiwaアプリ)に同時には1枚までしか購入できず、家族連れとかは人数分スマホが必要になってきます。

兵庫県南部のJR線が2日間乗り放題で3000円。ポートループ/シティループが有効期間内乗り放題のほか、

姫路城天守閣(通常1000円)
boh boh KOBE 1時間クルーズ乗船料(通常1800円)
萌黄の館(旧シャープ住宅、通常400円)
・三宮~有馬温泉間、谷上経由の往復乗車券(往復運賃、1380円)

これらの4つの施設は1回のみ利用可能ですが、これらを利用するだけで3000円超えてしまいます。
このため、これらの施設を利用する前提で考えるとかなりお得なチケットと言えそうです。

JR以外の施設をを利用したり、交通機関を利用する場合は、tabiwa上から該当のチケットを提示することになります。

バス乗り放題の場合。

ポートループ、シティループ利用の場合に提示する画面。スクショ防止のため、必ずリアルタイムの時刻が表示されます。

一方JRを利用する場合、tabiwaに紐づけされたICOCA、SmartICOCA、モバイルICOCAを利用することになります。
ここでJR東日本の Suicaを利用したフリーパスと根本的に違うのが、JR利用の際はいったんチャージ残高から引かれ、あとからポイントでバックされる仕組みというところです。

JR東日本の「のんびりホリデーSuicaパス」等では、フリー区間内は残高は減りませんが、こちらは使っていくと残高がガンガン減っていきます。

のんびりホリデーSuicaパス
ホリデーパスの後継として休日おでかけパスが登場しましたが、そのころにはSuicaが一般的となり、紙のきっぷの需要は薄れてきたようです。 一方で、都電などはPASMOに1日乗車券の機能を追加するなど、早...

このため利用時には、ICOCAに残高を残しておく必要があります。オートチャージ機能がないICOCAではこれはちょっと不便。自分は事前にICOCAに10000円以上チャージして利用しました。
なお、ICOCA以外の交通系ICでは利用できず、ICOCA(SmartICOCA、モバイルICOCA)が必須なのでご注意を。(JRを使用しない場合は不要ですが、流石にそれはないか・・・)

また、事前にICOCAとtabiwaの紐づけが必要で、これをやらないとポイントバックされません。これが結構くせもので、紐づけに成功してポイントバックされるかどうかは、実際にポイントが付けられるまでわからないというのがネック。しかも戻ってくるのは利用日の翌月の月末で、すぐに戻ってくるわけでもないというのも問題です。
さらにこのことは購入ページにはあまり目立つようには記載されておらず、いつか事故が起きるんじゃないかなあ、と。
これはJR東日本のフリーきっぷのようにするか、他のtabiwaのようにJR線も提示のみで利用できるようにしたほうがいい気がしますが、どうでしょうか。

風見鶏の館と萌黄の館

 

シティーループ

シティーループは三宮・新神戸から北野異人館街やハーバーランド方面に向かいます。1乗車260円ですが、本アプリ提示でそのまま利用できます。

シティループの北野異人館街や、新神戸方面の三宮バス停は、JRの高架下にあります。
ここから、ややレトロ調な専用バスに揺られて10分ほど、北野異人館に下車します。
バス乗っていたときから感じられますが、このあたりは坂がかなり急で、9月とはいえまだまだ暑かったので、坂を上ると一気に汗が吹き出します。

北野異人館街はかなり昔に来た記憶がありますが、ほぼ忘れていたのでこの機会に再訪。チケット上は萌黄の館が利用可能ですが、ここまで来て近接する風見鶏の館を無視するわけにもいきません。

風見鶏の館

NHKドラマの舞台となり一気に知名度が全国区になった風見鶏の館。

風見鶏は室内に展示されていました。

神戸・姫路デジタルチケットについてくる割引券を使用すると50円引きです。(500円->450円)
この風見鶏の館は「旧トーマス邸」と呼ばれ、ドイツ人の貿易商の邸宅として使われていましたが、北野異人館街、はては神戸のシンボルの「風見鶏の館」として紹介されることが多いです。国の重要文化財でもあります。

風見鶏の館内部

内部は当時の内装が再現されています。どうでもいいけど、どうしてこの手の洋館は天井が高いのでしょうか・・・?

館内は当時の内装が再現されています。トーマスやその子エルザの写真など、歴史を感じるものも。
もっとも猛烈の暑さの中、坂道を上がってきて館内に入った途端にガンガンに効いたクーラーに風邪をひきかけました(笑)

萌黄の館

こちらは萌黄の館。旧シャープ邸です。名前の通り萌黄色の建物が特徴。レンガの煙突がアクセントになっています。

萌黄の館内部

こちらは子供部屋を再現したもの。うん、絵本に出てくる子供部屋のようだ。もっともテディベアってそんな昔からあったかな?

近接する萌黄の館です。自動券売機は素通りして入り口でスマホを提示して入館。
こちらは風見鶏の館ほどは広くはなく、また内装もそこまで立派ではありません。外装は萌黄色ですが内装はそこまで緑系統ってわけではなく、ごく一般的な「海外の家」にありがちなものです。
ただ、デッキ?ベランダから見る神戸の景色はなかなかのものです。坂がきついということは、見晴らしがいいということも意味していて、これは夜景を見てみたいなと感じました。

異人館街からシティループで新神戸駅に向かい、いったんひと段落して今度はポートループに乗ります。

ポートループの連接バス

ポートループは連接バスで運行。ただし一般車による運行もあるので注意。

ポートループ内部

ポートループの内部は割と一般的な連接バスの内装です。このバスには連接部分には座席はありませんでした。

ポートループも三宮・新神戸とハーバーランドを結びますが、こちらは北野異人館街や中華街を通らず、どちらかというとシティループよりも海よりのルートを通ります。
最大の特徴が車両で、連接バスを使用。収容人数はシティループよりもはるかに上です。
連接バス自体は最近日本でも見かけるようになりましたが、乗る場合はやっぱり後ろでしょうか。連接バス独特のハンドリングと乗り心地を体験できます。

もっとも北野異人館街や中華街等への需要があるシティループに比べると空いている印象を受けます。車両を交換すれば需要と供給がマッチしますが、北野異人館街のあの狭い道を連接バスが通れるとは到底思えず、今のスタイルに留まっているようです。
逆に新神戸やポートタワー、神戸ハーバーランド方面へはポートループのほうが空いていて楽ですね。シティループは立席満載の便を結構見たので・・・

いずれにしてもポートループとシティループは神戸港遊覧船の発着地であるかもめりあを起点にしているので、ここから両方をそれぞれ一周乗車すれば、神戸の街並みを結構楽しめると思います。しかもクーラー効いてて涼しいですし(笑)

9/19の記事に続く)

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