特急「はくたか6号」特急券・グリーン券(越後湯沢~金沢グリーン)

特急「はくたか6号」特急券・グリーン券です。

グリーン券部分

越後湯沢から金沢はグリーン車利用となります。

指定券

「はくたか6号」は金沢でグリーン車が切り離されるので、ここから先は指定券となります。

北陸新幹線の金沢開業前に運行されていた、越後湯沢~和倉温泉間直通「はくたか6号」の特急券・グリーン券です。
この「はくたか6号」は、越後湯沢をグリーン車込みの9両で発車し、金沢で6両切り離して3両で和倉温泉に向かいます。
このため、グリーン車利用の場合はグリーン車は金沢までとなり、金沢から和倉温泉間は普通車に乗り換える形となり、全体の乗車区間と金額を記載したものと、グリーン車乗車区間、普通車乗車区間の指定券(指ノミ)の3枚構成となります。
このタイプ自体の特急券はわりと経験があり、和倉温泉からみでも過去に「しらさぎ3号」で取り上げています。これも金沢でグリーン車切り離しのため、指定席に乗り継いでいます。

特急「しらさぎ3号」特急券・グリーン券
レール&定期観光バスきっぷで利用した和倉温泉行きの特急券がこれです。 しらさぎ3号の特急券で3枚構成となっています。 というのもしらさぎ3号はグリーン車連結区間が名古屋~金沢・富山間で、和倉温泉には行...

ところが今回のケースは、「はくたか6号」が金沢でグリーン車切り離しを行うことが事態をややこしくしています。
というのも、和倉温泉に向かう七尾線は金沢に向かう手前の津幡から分岐しており、越後湯沢から七尾方面に向かう場合は、津幡~金沢間の運賃・料金は不要なためです。
図にするとこんな感じ。

金沢折り返し

問題の図。本来ならば、越後湯沢から和倉温泉方面に向かう場合、列車が金沢で折り返しても、金沢~津幡間の運賃・料金は不要というルールですが、グリーン車がその料金を計算しない金沢までというのが話をややこしくしています。

この場合、先に掲げた「しらさぎ3号」のような手が使えません。
というのもグリーン車の切り離しが、料金不要区間の金沢となっており、マルスで指定できないためです。
このため、料補(料金補充券)の登場となりました。

しかし、本券は誤発券の可能性が極めて高いです。
というのも料補のグリーン料金の金額で一目瞭然ですが、グリーン料金が「越後湯沢~金沢」と料金不要区間である「津幡~金沢」を含めて計算されているためです。

越後湯沢~金沢間は200kmを越えますが、越後湯沢~津幡だと200kmは越えず、グリーン料金が全く異なってきます。

和倉温泉直通「はくたか」が運行されていたころの旅客営業取扱基準規程によると

(特定列車による折返し区間外乗車の取扱いの特例)
第152条 次に掲げる区間を折り返して直通運転する急行列車に乗車する旅客に対しては、当該区間内において途中下車をしない限り、旅客運賃を収受しないで、当該区間について乗車券面の区間外乗車の取扱いをすることができる。
(中略)
 津幡・金沢間
(以下省略)

(急行券の効力の特例)
第166条 第152条の規定は、折返し区間に対する急行券の効力について準用する。

(特別車両券の効力の特例)
第170条 第152条の規定は、折返し区間に対する特別車両券の効力について準用する。

「特別車両券」とは今回の場合、グリーン券のことを指します。つまり、ルール上は津幡~金沢間のグリーン料金は収受しないのが正しいと思われます。

本券の発売箇所は伏せますが、「はくたか」の沿線になります。
「はくたか」の和倉温泉直通は1997年の北越急行開業から行われており、最初からこの問題がありしかも少なくない需要はあったはずですが、15年以上経過してもトラブルの種になっていたのは意外でした。

同一列車の乗り換えは面倒・・・

金沢より

グリーン車を含む金沢よりの6両はJR西日本の681系電車による運転

前回の記事からの続き)

越後湯沢で「Maxたにがわ331号」を降り、在来線ホームに向かいます。
もっとも「はくたか」に接続するのは主に速達タイプの「とき」が多いため、多少時間が空いていたため、あたりを散策していました。

しばらくすると「はくたか6号」が入線。
金沢方6両がJR西日本の681系、越後湯沢方3両が北越急行の681系の異なる会社の車両がつながっています。
北越急行線の最大長が9両に限定されている影響で、繁忙期にも9両までしか繋げられず、シーズンには越後湯沢駅で新幹線から「はくたか」への乗り換え競争が見られましたが今日はそんなこともなく、落ち着いていました。

グリーン車車内

グリーン車の車内。3列シートが並びます。

グリーン車の車内は3列シート。バックレストが大きめでかつ可動式枕が並んだかなり重厚な感じのシートです。
バブル期時代に登場したためシートテレビの跡など無駄な設備がある一方、テーブルが小さい、コンセントがないなど、今となっては当たり前の設備がなかったりしました。
また写真を見ればわかりますが、車内の真ん中にパーティションらしき跡が残ってますが、これは半室喫煙、半室禁煙だった時代の仕切りを示すものです。
これで禁煙家の要望を満たせるなんて今となっては憤慨ものですが、登場当時はJR各社こういう「半室喫煙」が当たり前のように残っていました。

越後湯沢を定刻に発車。六日町までは慣らし運転のような感じですが、六日町からほくほく線に入るといよいよ本領発揮。最高時速150km/hで駆け抜けていきます。
もっとも大半がトンネルなので、そのスピード感に反して景色はいまいちなのですが。(トンネルの合間に景色が見える感じ)
連続したトンネル区間を抜けると犀潟に入り、そのまま直江津に停車。乗務員がJR東日本からJR西日本に交代します。

北陸本線も快調に飛ばしたものの、混雑もあってか金沢には5分程度遅れて到着。ここで、グリーン車から普通車に移動ですが。

・グリーン車:1号車
・普通車:9号車
・乗り換え時間:5分

座席を堪能するため、金沢到着ぎりぎりまでグリーン車で粘っていたら、グリーン車と普通車9両分をダッシュして乗り換える羽目になりました。。。

和倉温泉行き

和倉温泉行きは3両編成です。赤い帯をまいたのは北越急行所属車両であることのしるし。

和倉温泉行きの3両は、北越急行の681系でした。
赤い帯に「SRE」のエンブレムを纏っていますが、「SRE」とは「Snow Rabbit Express 」日本語に直訳すると「雪うさぎ急行」。
いかにも早そうなデザインと英語ですが、日本語だとなんだかかわいらしくなってしまいます(笑)実際エンブレムにはうさぎが描かれています。

金沢はそれまでの遅れを吸収して定刻に発車。反対方向になるためあわてて回転する人も。
津幡から七尾線に入りますがとたんにスピードが落ち、「SRE」のスピード感あふれるロゴや北越急行走行時の爆走とはかけ離れたのんびりとしたスピードで走ります。
七尾線での走行はいたって単調。約1時間程度で七尾に到着。きっぷは和倉温泉まで購入してますがここで下車することにしました。

七尾駅到着

七尾駅に到着したSRE。3両編成単独での運転のSREはあまり見る機会はなく、自分が見たのはこのとき限りでした。

SREで使われた681系・683系は北陸新幹線金沢延伸後は、JR西日本に売却され、塗装を変更して主に「しらさぎ」で使われています。

(8/4の記事に続く)

コメント

  1. helmholm より:

    本件、現役時代にJRに確認したところ特殊ではあるが
    以下の扱いで対応していると回答がありました。

    ・特急料金
    折り返し乗車しているので津幡・金沢間の収受は行わない
    ・グリーン料金
    グリーン車乗車区間は金沢・越後湯沢であり折り返しているわけでは無いので
    金沢・越後湯沢で収受する

    ただし、機械では発券できないので時間に余裕を持って窓口に来て欲しい
    という要望付きでした。

  2. りりす より:

    ありがとうございます。
    はくたか6号のグリーン料金に基170条が適用できるのか、というのは割と本質的な話で自分も正直どちらが正解か、断定はできていません。
    ただ、適用できないとなると津幡~金沢間は運賃・特急料金は不要でグリーン料金だけで乗車していることとなり、このことに関する根拠が必要になりますが、これがどうしても説明できません。また基152条の「直通運転する急行列車に乗車する旅客」という表現は金沢までグリーン車利用であっても除外されないはずです。このため、個人的には不要の可能性が高いと考えています。もう運転されることはありませんが。

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