東京から東海道線方面の通勤ライナー列車というべき特急「湘南17」号の特急券です。平日の朝東京方面、夕方から夜に小田原方面に運転され着席通勤に応える形で設定されています。遠距離の着席通勤が主目的のため、川崎、横浜といった大駅も通過し、神奈川県で最も東京よりの停車駅は大船となっています。
券面はいたってシンプル。考えてみれば「湘南」と単体名称の列車ってこれが初めてではないでしょうか。
この特急「湘南」は1986年に座席定員制の列車「湘南ライナー」として東京~小田原間をメインに登場、その後新宿発着の設定や、ライナー料金の値上げ(310円→500円)もありましたが、2021年3月のダイヤ改正で特急化され、新宿発着も含めて「湘南」に統一されました。
リゾート列車を通勤列車に
東京発着の東海道線通勤電車は普段乗らず、このときは久々に乗車したのですが、上野東京ラインが開業してからかなり様変わりした感があります。
なんといっても開業前は全列車が東京駅発着だったので、東京駅で10分後の一本後、最悪20分後の2本後まで待てば確実に座れますが、開業後は上野方面からの直通列車ばかりになったので座れるかどうか怪しくなっているのは東京駅利用者にとっては災難なのかもしれません。
また、気が付けば通勤快速がなくなっていたのも驚きました。基本的に遠距離の速達通勤はこの特急「湘南」に統一された感があります。
車輛は昼間は「踊り子」で活躍していたE257系。すっかり首都圏特急の「顔」としておなじみになっていますが、特急格上げ前はいろいろな車両が活躍していました。
ライナー時代は520円でしたが、特急格上げ後は50kmまでは760円、50km以上が1020円と距離によっては倍近くも値上げされています。(えきねっと割で100円引き)
それでも現在もそれなりの本数が維持されているのは、やっぱり着席通勤に需要があるからでしょう。そもそも東京駅発着でなくなったので、確実に着席するにはこの「湘南」利用しかないのも影響してるかもしれません。
というわけで気になる乗車率は窓側がほぼ埋まる盛況ぶり。深夜時間帯に差し掛かるこの列車でこの乗車率ならば設定の意義もあるのでしょう。
もっとも運行開始からもう3年が経過し、値上げへの抵抗感も薄れているのかもしれません。かつてライナーが「コーヒー一杯の料金で着席」が売りでした。今1000円を超えるコーヒーは結構高級品となり贅沢なコーヒーだなあ、と思ってしまいます。
「踊り子」のE257系は伊豆のブルーをイメージした内装ですが、意外や意外通勤特急に入ってもそれほど違和感を感じません。
もともとE257系がシンプルな内装だったからかもしれませんが、「スーパービュー踊り子」用のE251系をライナーで乗るとグリーン車はともかく普通車は違和感を感じたので、もしかしたら「湘南」で使うこともイメージして内装を決めたのかもしれませんね。コンセント、WiFiは標準装備です。
大船に到着。結構な人が降りていきます。
中には横須賀線ホームに向かう人も。そういえば横須賀線は「ホームライナー逗子」廃止以降この手の列車を見かけませんが、需要はないのでしょうか・・?
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