近鉄「ひのとり7列車」特急券・プレミアム車両券

特急「ひのとり」特急券・プレミアム車両券

前回紹介した新大阪~名古屋の東海道新幹線のライバルとして上がるのが、近鉄の名阪特急でしょう。
近鉄は伝統的に名阪間ノンストップの甲特急と、名阪間の主要駅に停車する乙特急があり、現在は津停車によって名阪ノンストップではなくなったため、ノンストップとは言われなくなりましたが、それでも近鉄代々のフラッグシップ車輛が名阪甲特急に使用されてきました。

今回乗車したのが近鉄80000系電車「ひのとり」です。
観光に特化したために全車プレミアムシートとなった「しまかぜ」とは異なり、「ひのとり」は名阪間のビジネス層にターゲットとなるため、レギュラーシートとプレミアムシートの2クラス構成となりました。

近鉄「賢島→京都」特急券(しまかぜ、ビスタEX)
伊勢神宮参拝きっぷによる帰りは、「しまかぜ」+「ビスタEX」の乗継を選択しました。 特急「しまかぜ」は昨年登場以来、高い人気を保っている豪華特急列車です。ですが、この時点では京都には乗り入れないため、...

今回はそのプレミアム車両の特急券となります。「特急券」と「特別車両券」ですが、車内放送では「特急券」と「プレミアム車両券」と言っているのが印象的でした。
その券面上の種別表記は「ひのとり」のイラストと「プレミアム」の2つが入っています。
なお、登場以来レギュラーシートよりもプレミアムシートのほうが人気が高く、プレミアムシートから売れていく傾向にあるようです。
自分も近鉄の近鉄難波の特急券売り場で空席状況を見ていましたが、プレミアムシートが軒並み満席なのを見てその人気ぶりを見せつけられました。

ただ、これはわからなくもない。ひのとりのレギュラーシートとプレミアムシートの価格差はわずかに700円。だったら・・・という心理が働こうもの。

なお、このきっぷの下部を見ると小さな文字で「変」の文字が。
これは乗車変更によるもので、近鉄特急の特急券はJRの特急券同様、1回に限り変更可能で、この場合券面に「変」の文字が入ります。

照明から特別感。ただし供食設備は一考の余地あり。

ひのとり難波

近鉄難波駅に入線した「ひのとり」。プレミアム車両だけ、ホームの照明が違うことに注目。

近鉄難波駅の日曜7時は流石に人が少ないです。しかし、「ひのとり」が入線するとしっかりカメラを構える人が多数。既に運行開始から4年を過ぎていますが、人気はまだまだあるようです。

今回の「ひのとり」は6両編成。このうち1号車と6号車がプレミアム車両で、2号車から5号車がレギュラー車両です。・・・で、その1号車と6号車の部分のみ、ホームに乳白色の特別照明が。ホーム側にこんな仕組み入れていたのですね。

プレミアム車両車内

プレミアム車両の車内。バックシェル式のシートはE5系のグランクラスに近いですが、流石にグランクラスに比べると特に横幅がかなり狭いです。

プレミアム車両はハイデッキ構造になっています。また1+2の3列シートになっており、革張りの電動リクライニングシートを装備。
ここまでは「しまかぜ」と同じですが、「しまかぜ」との最大の違いはバックシェル方式で、後ろに気兼ねなくリクライニングできること。これは割と大きく、途中リクライニングを倒すときも全く気になりませんでした。
もちろんコンセントや車内WiFiは標準装備。

バックシェル方式の白い座席のため、見た目はJR東日本のグランクラスに近くなりました。

「かがやき509号」特急券・グリーン券(eきっぷ・グランクラス)
「かがやき509号」の特急券・グリーン券(グランクラス)です。 グランクラスは新青森から上野の東北新幹線のE5系のはやぶさ6号で紹介して以来です。 グランクラスは2011年にE5系登場と同時に誕生した...

ただし、同じ3列シートであっても新幹線と近鉄では横幅に大きな差があります。
これは必然的に横へのゆとりとなり、グランクラスにあるパーテンダーやカクテルテーブルなどはなく、肘置きもやや窮屈な感じ。
まあ価格が全く違いますが・・・

また、ハイデッキ構造のため、荷棚がどうしても小さくなり、「しまかぜ」同様デッキにロッカーが設けられています。

デッキ1

デッキにはコーヒーマシンと、軽食の自動販売機を設置。車内販売は最初からありませんでした。

デッキにはコーヒーマシンと軽食の自動販売機を設置。
「ひのとり」では「しまかぜ」と違って最初から人的サービスによる車内販売サービスは行わず、すべてセルフサービスとなっています。
このあたりは観光特急とビジネス特急の違いでしょうか。
コーヒーマシンは一杯200円と良心的。ただし、現金のみでキャッシュレス決済が使えないのは大きなマイナス。今の世の中現金を持ち歩かない人もいるんですよ・・・

コーナーの横にはテーブルがあり、コーヒーを置いて立ち飲みも可能です。
ふとテーブルを見ると大理石調の模様が。もっともバブル期の車両(スペーシアなど)に見られた天然大理石ではなく、樹脂にプリントなのはいかにも令和の特急らしいですね。

ひのとりカップ

ひのとりの専用カップを用意。
このあたり結構気合入っています。

コーヒーはコンビニなどで見かける一杯ずつドリップする方式。ひのとり専用カップも用意され、気合が入っています。
ただ「しまかぜ」と比べるとどうしても淡泊な感は否めないですね。ビジネス需要がメインですので仕方ないですが。

ラウンジ

コンパクトなラウンジ?コーナー。

気分転嫁の場所としてベンチシートが置かれた簡単なラウンジも設置。ここの窓がかなり大きく、眺望がかなりよろしいです。
ただし車端部なのでよく揺れます。

朝日を受けて疾走

地上区間

朝日を浴びます。名古屋行きは東向きなので結果、こんなムスカな絵面になるわけでして・・・

上本町、鶴橋と過ぎて地上区間へ。
すると冬の日差しが容赦なく前方から降り注ぎます。左右はブラインドおろせばいいのですが、前方はそういうのないのでまぶしくで仕方ない(笑)
もっとも最前列はそんなの全くキニシナイのでしょうけど。

走行はかなり静かで安定。アクティブサスペンションで揺れを軽減かつ車体中央部の座席ということで、一番揺れが少ない席のようです。
おかげですぐ寝てしまいそう・・・というか、割と早起きしたため伊賀のトンネル区間は結構うつらうつらしていました。

中川の短絡線。

中川の短絡線を走行。かつてはここで運転手交代を行っていたそうですが、現在は運転手交代は津で行われています。

気が付くと平野部を快走中。もうすぐ伊勢中川です。上本町からの大阪線と名古屋からの名古屋線はここで合流して伊勢・志摩方面に向かいますが、名阪甲特急はここは短絡線を経由して華麗に通過。しばらく走ると津に到着です。

みえとの競争

津駅手前でJR東海の快速「みえ」と競争。向こうも高性能気動車ですが、流石に「ひのとり」にはかないません。

津手前で快速「みえ」の名古屋行きと競争に。時間帯からして「みえ4号」でしょうか。
かなりの間並走してほぼ同時に津駅に到着。三重県の県庁所在地駅はJRよりも近鉄のほうが賑やかに見えました。

以降もところどころでJR線と並走区間があります。「ひのとり」と「みえ4号」は両方とも津駅を8:23発と同時発車なのですが、「ひのとり」が名古屋駅9:08着なのに対し、「みえ4号」は9:22着。「ひのとり」が早いというべきか「みえ4号」が健闘しているというべきか。

大きな河川を連続して渡るといよいよ名古屋市内へ。近鉄やJRの車両群を見ながら地下に潜り地下の近鉄名古屋駅に到着しました。

近鉄名古屋

近鉄名古屋駅到着。やはりプレミアム車両は特別照明が。

流石に9時を過ぎると名古屋駅は人でごったがえしています。
ひときわ「ひのとり」は目立ち、写真を撮る人でいっぱいでした。

「ひのとり」は「しまかぜ」とは別ベクトルを向いた車両ではあるのですが、非常に高レベルでまとめられており、満足できる車両ではあります。
それだけにコーヒーメーカーのキャッシュレス非対応がやっぱりなあ・・・と思います。ぜひとも対応してほしいところですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました