秋田県の羽後本荘から矢島までの旧国鉄矢島線の転換第三セクターの由利高原鉄道の乗車券です。
矢島線の乗車券は基本的に昔ながら硬券となっており、羽後本荘、前郷、矢島駅で購入が可能です。1日フリーきっぷは以前購入したことがあるので、今回は素直に硬券乗車券購入となりました。

乗車券はA型硬券で地紋に鳥海山をバックにした「おばこ」の文字が入る独特のスタイル。きっぷ自体は一般的な記載となります。
矢島駅の入場券。入場券はB型硬券となり、A型硬券の入場券、B型硬券の乗車券の同じ秋田県の秋田内陸縦貫鉄道とは真逆になっています。

こちらは旧国鉄の硬券入場券に近いスタイルで、地紋もなくシンプルです。
由利高原鉄道では往復乗車券の硬券も販売しています。
こちらは矢島~羽後本荘の往復乗車券。同じA型硬券に行き券と帰り券が入り、真ん中やや右寄りにミシン目が入っています。地紋は片道乗車券と共通。記載方式は旧国鉄に準じています。
硬券の往復乗車券はあまり発売しているところは多くなく、割と貴重。
当初は買う予定なかったのですが、後述するとある理由で買うことに。

こちらはJR東日本への連絡乗車券。羽後本荘ではJR東日本と由利高原鉄道がホームを共用しているため、改札出ずにそのまま乗り換えられる連絡乗車券は普通によく売れるとか。
連絡運輸は象潟・羽後岩谷間の各駅と新屋、秋田ですが各駅揃っていました。きっぷは地紋こそ同じですが、「おばこ」の文字が入らず、色合いが違います。
由利高原鉄道は特に硬券をPRしているわけではないようですが、積極的に売ってくれるようです。ここは小さな三セクの増収のために、ささやかな散財となりました。
山麓をトコトコ走る
(12/1の記事から続く)
秋田駅から羽後本荘駅に転進。羽後本荘駅に到着すると、間もなく矢島行きが発車する模様。きっぷを買うヒマもなく乗り込みます。
車両はYR2000形の2両編成。羽後本荘側が「nostalgic train ちょうかい」矢島側が「なかよしこよし」です。両方ともイベント車両になります。
ほどなく発車した矢島行きは文字通り鳥海山のふもとを走行します。途中の子吉駅は玉ノ池簡易郵便局を併設。駅自体は無人なものの、郵便局との合同駅舎です。
前郷駅は途中駅唯一の列車交換可能駅。ここは有人駅で、全国的にも珍しいタブレットとスタフを交換する姿が見られます。ちなみに保安システムは羽後本荘~前郷がスタフ閉塞、前郷~矢島がタブレット閉塞となっています。これはスタフ/タブレットを交換する姿は全国唯一の事例です。
タブレット閉塞とスタフ閉塞はよく混同されます。スタフ閉塞はそのただ一つのスタフを持った列車しか入線ができないので、その駅間は交互に1列車ずつしか運行できないのに対し、タブレット閉塞は閉塞区間においてタブレットを複数個セットしておき、取り出せるのは必ず1つに限定することで、同じ方向に列車を2本連続して出発させることが可能です。このためスタフ閉塞は必ず1列車しか入れない行きどまり駅とその手前の駅の間の閉塞に専ら使われます。
秋の陽はつるべ落としとはよく言ったもので、あっという間に暗くなってきました。やがて矢島駅に到着。
車内で精算しようとし、1000円札を両替しようとしたところ「羽後本荘の戻るの?」と聞かれて、「はい」と答えると、「じゃあ、矢島駅窓口で1日乗車券買ってね。そちらのほうが安いから。」と言われて無賃のまま下車。
なんか悪意持ってたらそのまま逃走できそうですが、羽後本荘に戻るのは事実なので素直に駅窓口へ。ただ1日乗車券は既に以前購入済なので、ここはより高額な先に紹介した矢島~羽後本荘の往復乗車券を購入。往復の向きが逆ですが、まあそこはお目こぼしを・・・
矢島駅駅舎。右側のガラス張りになっているところがホールとなっています。また駅舎内では鉄道グッズや由利本荘の土産物なども販売。観光案内所も併設しています。
どちらかというと地味なイメージが強い由利高原鉄道ですが、観光案内所や土産物屋などを見ると意外とがんばってますね。秋田内陸縦貫鉄道の阿仁合駅も物産館としてかなり気合が入っていましたが、やっぱり人を引き寄せるにはこういうのが必須なのでしょう。
(12/5の記事に続く)









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