「小浜→比叡山坂本」乗車券(JRバス連絡運輸)

小浜→比叡山坂本乗車券

かつて、国鉄バス(現在のJRバス)とJR線との連絡運輸による連絡乗車券は全国各地にありましたが、気が付けばこの制度(旅客連絡運輸規則)によるJRバスとの連絡きっぷの発売が残存しているのはこの近江今津~小浜間の西日本JRバス若江線のみとなってしまっていました。

ただし、定期券を1枚ににするための連絡定期券は今も全国で見られます。

有名なところでは群馬の草津温泉駅や千葉県の安房白浜駅などいわゆるバス駅にて、バスとJRの連絡乗車券を発売していましたが、ほとんどが窓口自体廃止もしくは連絡乗車券の発売を中止しています。もっとも草津温泉駅はみどりの窓口では長野原草津駅からのきっぷと草津温泉駅から長野原草津駅のバス乗車券をセットを販売しており、利用側にはあまり関係ないかもしれません。

そんな中、近江今津~小浜間の西日本JRバス若江線では現在も発売中です。ただし、みどりの券売機では購入できず、JR西日本のみどりの窓口、もしくはみどりの券売機プラスのオペレーター呼び出しでの購入となります。
小浜駅はみどりの窓口はなく、みどりの券売機プラスが設置されていますのでここで係員を呼び出して購入することになりますが、どこにもそのような案内はありません。(一応駅員に聞けば教えてはくれます。)何も知らずに行くとどうやって購入したらいいのか多分戸惑うのではないでしょうか。

券面は経由に「自動車線」という記載があるのが最大の特徴です。金額は小浜~近江今津のJRバス運賃と、近江今津~比叡山坂本の乗車券運賃の合算になります。
なお、若江線は小浜駅のほか、上中駅でも発売されていますが、上中駅では連絡乗車券の販売はなく、上中~近江今津のバス乗車券(960円の金券乗車券)と近江今津からの乗車券のセットになります。
逆にJR西日本各駅から近江今津までのJR乗車券と近江今津~上中・小浜までの連絡乗車券を購入することも可能です。

なお、奇跡的に残っているこの連絡乗車券ですが、すでに若江線もICOCAでの利用が可能となっており、正直利用価値はほとんどなくなっています。おそらく数年のうちに廃止になるものと思われます。

小浜~京阪神への最速ルート

小浜駅

購入がギリギリになったため、乗車時の写真撮影はできず、後ろから1枚だけ乗って大急ぎで乗車。みどりの券売機プラスの怖さを思い知りました。

小浜から京阪神へは、敦賀に出て「サンダーバード」、東舞鶴に出て「まいづる」というルートもありますが、どちらも大回りになってしまいます。
この若江線は小浜・上中から近江今津を短縮し、そこから昼間は新快速に接続することで、大阪~上中間2時間10分、大阪~小浜間2時間30分で結びます。このため、若江線はデータイムは湖西線の新快速と接続するダイヤが組まれています。

さて小浜駅発車30分前に到着したものの、みどりの券売機プラスでは先客がオペレーターと格闘中。
小浜から敦賀、米原経由横浜市内行きのようですが、新幹線を米原接続にするのか名古屋接続にするのか、席は通路だけど隣同士かばらばらだけど窓側席か、いろいろ悩んでおられる様子でかなり時間がかかっていました。
空いたときは既に15分前。しかし、「みどりの券売機プラス」の待ち時間が10分と表示され思わず「Oh!No!」とつぶやく始末。
それでも意外と早く進み、7分前にオペレーターと通話開始。JRバス経由であってもさしたる問題なく発券に至ったのですが、発券が終わったときは既に2分前。大急ぎでバス乗り場に向かいました。

基本的にみどりの券売機プラスのオペレーターは、みどりの窓口で実践を積んだベテランが主に担当するそうで、基本的にスキルは高いです。

久々に「みどりの券売機プラス」のオペレーター機能を使用しましたが、やっぱり時間に余裕を持つべきだなあ、と改めて反省です。
既にバスは入線済。写真もそこそこに飛び乗りました。

上中まではは平野地帯

上中までは小浜線と並行して走ります。平野部で民家も多め。

小浜から上中まではJR小浜線と並行して走ります。のどかな田園地帯と国道沿いのロードサイト店舗が半々といった感じで適度に田舎、な感じ。
乗客は座席が半分程度埋まる感じ。また小浜線の本数が少ないからか、小浜~上中間での乗降も目立ちます。

上中駅

上中駅。ここはPOSによる乗車券が発売されています。

上中駅に到着。ここは小浜線やJRバス若江線のきっぷのほか、近江今津からの乗車券も発売しています。
ここから小浜線から別れ、近江今津方面に山に分け入っていくことになります。

山間部

山間部に入ると景色が一変。もっとも国道なのでそこまで険しい道ではありません。

上中を過ぎると進路を南寄りに変え、山間部に分け入っていきます。乗降もほとんどなくなり今乗っている乗客はほとんど近江今津に向かう客の模様。

保坂バス停

峠を越えて保坂バス停で小休止。田舎のバス停あるあるですが、バス停の壁が壊れていました。

福井と滋賀との間は寒風峠がありますが、県境自体は寒風峠よりかなり日本海よりにあり、山登りの途中にいきなり滋賀県高島市に入るので、ちょっと意表を突かれます。
寒風トンネルを過ぎると今度は下り坂。乗り降りがないので早着しがちとなり、保坂バス停で時間調整です。

近江今津駅到着。

近江今津駅に到着。ここで乗り換えですが、バス運転手に連絡乗車券を提示してそのまま下車します。

平野部に入ると各停留所で乗車があり、乗客も増加。ほぼ座席が埋まった状態で近江今津駅到着です。

近江今津駅の新快速

近江今津駅では新快速網干行きが客待ち中。やがて敦賀方向から4両編成が連結され、12両編成で大阪方面に向かいます。

連絡乗車券は88mm券なので自動改札を通れますが近江今津は自動改札はないので、駅員にきっぷを提示してホームに上がります。
すると、新快速網干行きの8両編成が客待ち中。乗車して座っていると、しばらくして軽い衝撃が。敦賀からの4両編成の列車を連結したものです。
近江今津からは堂々の12両編成で京阪神に直通することになります。

比叡山坂本駅到着

比叡山坂本駅到着。左に見えるのは湖西道路。休日はこのあたりから堅田あたりまで慢性的に渋滞するため、4車線化工事が進められています。

新快速は近江舞子まで各駅停車。近江舞子から快速運転となります。
130km/hで飛ばして堅田、そして比叡山坂本駅に到着しました。

比叡山坂本駅は島式ホームですが、12両の先頭部分はややホームが狭いです。通勤時間帯はこの狭いホームに通勤客の行列ができますが、そこを「サンダーバード」が豪快に通過していくなかなかスリリングな光景が見られます。
ホームドア、欲しいですが狭いホームがますます狭くなりそう・・・

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました