備後庄原駅入場券

備後庄原駅入場券

備後庄原駅の入場券です。
備後庄原駅は簡易委託駅となり、POS端末が設置されています。このため、POSにより入場券の販売が行われています。JR北海道みたいな記念入場券とか出せば増収になりそうですが、そのような予定はないとのこと。
基本的に日中はオープンしているので、購入自体はそれほど難しくありません。

備後庄原駅
備後庄原駅。コンパクトにまとめられました。ただ、あまりひとけはなく、ひっそりとしています。

備後庄原駅前は綺麗にまとめられていましたが、駅近くにコンビニや目立った飲食店等がないため、あまり長時間滞在するには向いていません。
庄原駅前のパーク&ライド駐車場に車を置いたり、あるいは駅まで送迎したりして、そこから高速バスで広島方面に向かう結節点的な使われ方が多いようで、それはそれで重要な役目ではありますが、駅が素通りされている感があります。

地方は高速バス停留所近くに無料のパーク&ライド駐車場を用意して、そこに車を置いて高速バスで都会に出かけるという使われ方が割と一般的です。

一方、バスと鉄道両方を兼ねた待合室は冷房が効いているからか、学生がここで勉強していました。いや、今年は暑いわ。

やはりカーブが多い中国道

帝釈峡ライナー
備後庄原駅では、広島駅からやってきた下帝釈(神龍湖)行き「帝釈峡ライナー」に乗車。貴重な帝釈峡行きのバスです。
中国道
庄原から中国道を東に進みますが、この区間はカーブやアップダウンが多く、山間部であることを嫌というほど感じさせます。

10/9の記事から続く)

備後庄原駅で「庄原ライナー」を降り、ここから、備北交通の高速バス東城・帝釈峡行き「帝釈峡ライナー」に乗り換えます。
この便は1日1往復ある広島~東城の直行便になり、特に土休日は広島(千代田IC)~庄原をノンストップで運行するいわゆる速達便になります。

広島~東城間の高速バスは1日1往復の直行便以外、原則備後庄原駅で乗り換えとなります。
備後庄原~東城の高速バスの区間便は東城方面から庄原市内への用務客がターゲットのようで、庄原駅を経由して市内の病院やスーパーなどを巡回します。

通常は広島~東城での運行ですが、シーズンの土休日になると帝釈峡へ延長運行され、広島から帝釈峡へ直行するようになります。この日はたまたまその帝釈峡への延長運行日にあたり、「帝釈峡ライナー」と名乗っていました。

備後庄原~東城間は高速バスも1日4~5往復と極端に減ります。もっともJR芸備線も少ないため、そもそもそこまで大きな需要がないことを示しています。
庄原インターから中国道に入ると、三次方面とは異なり山岳地帯を走行するようになります。このため、中国道特有の右へ左へのカーブが多く、あまりスピードは出せません。

それでも地図上は庄原~東城間はかなり大回りする芸備線と異なり、中国道ではわりと一直線に結ぶため、高速バスでの所要時間はわずか30分です。最速でも1時間40分程度かかるJR芸備線では話になりません。このため、沿線に西城ぐらいしか目立った街がなく、また広域流動にも全く期待できない東城~庄原間は極端に利用客が少なくなってしまいました。

街が見えてきたと思ったら東城インターです。
バスは東城駅前に乗り入れますが、街の中心部にある東城小学校前で下車し、街歩きをすることにしました。

・・・と勢いよく降りたのはいいのですが、猛暑日に街歩きは自殺行為。
早々とあきらめてバス停前のスーパー「トーエイ」に駆け込み。アイスを買って待合スペースでクールダウンすることに。待合スペースにはバスの発車・到着案内が出ており、事実上東城の街のバスターミナルはこのスーパーが担っていることになります。地方の街あるあるですね。

カープな列車と駅舎

東城駅
東条駅です。簡易委託駅ですが朝のみ営業なので、きっぷの購入難易度は割と高いです。。。

スーパーから東城駅に歩いて向かいます。かつてはバスのきっぷ売り場があってそこでJRの乗車券も販売していた記憶がありますが、今は昼間は完全に無人駅となっています。

東城駅の駅舎自体はかなり立派なものですが人気がありません。乗車時間が近づくと、「帝釈峡ライナー」でも見た鉄道ファンらしき人が2~3人ほどやってきました。

備後落合行き
東城駅に入線した備後落合行き。東城~備後落合間は1日3往復のみの超閑散区間となります。

しばらくすると備後落合行きが入線。
見慣れたキハ120の単行ですが、車内は乗り鉄で超満員。立っている客もかなり多く、人をかき分け車内中央部へ。
1日3本でなおかつ現実的に利用可能なのがこの昼間の1往復なので、いきおいこの列車に集中することになり、特に青春18きっぷ期間中は大混雑します。
もっとも青春18きっぷをはじめとするフリーきっぷ利用客は、通過人員にカウントしませんので、東城~備後落合間の輸送密度(1kmあたりの1日の平均利用者数)は全国最低。一時期は10人を切ったことも。これはバスすら不要不急路線として運行補助金を打ち切られるレベルの少なさです。

今回の旅で初めて立ちん坊になりましたが、改めて車内を見ると乗客の半数以上がスマホをずっと見ています。正直こんなところにきてまでスマホせんでも・・・とは思いますが、これが今の旅のスタイルなんでしょうか。

カープ列車とお人形
備後落合からはカープラッピングのキハ120に。備後庄原で赤松&天谷のスーパープレー人形とご対面。

小奴可駅で一人下車した以外は、東城~備後落合で客の動きがないまま、終点の備後落合に到着。向かいのホームにはカープラッピングのキハ120の三次行きが待っていました。

備後落合まで立っていた人が着席し、座っていた人が立っています。まあ備後落合到着直前に座席を立ってドアに詰めてた人もいますが・・・これに木次線からの乗り換え客も加わって混雑度がさらに増した状態で備後落合駅を出発です。
混雑状態はほとんど変わらず備後庄原に到着。本日2度目の備後庄原駅です。
備後庄原駅では、カープの人形の製造会社が庄原市にあることもあって、球場で役目を終えたカーブの人形たちが展示されています。

カープ人形いろいろ
駅に展示されているカープ人形いろいろ。大瀬良の当たりくじを引く田村スカウトが目立ちます(笑)

一泊2日で、備後庄原駅をベースに8の字でぐるっと回ってみましたが、やはり備後庄原~東城の人の少なさが目立ちます。

2023/10/03に JR西日本は芸備線備中神代から備後庄原の間の存廃を話し合う再構築協議会の設置を申請しました。

直接の当事者ではないし、どのような結末になるのか正直見守るしかないのですが、個人的には函館本線山線同様「廃線かつ、代替交通も原則作らない」派です。
備後庄原~西城~落合は既存の市営バスを生かし、東城地域は予約制バスやタクシーを手直しする形で地域の交通を維持する形とし、場合によっては公共交通機関自体もなくしてしまいます。
ここに鉄道代替バスを走らせても、全く生活にかみ合っていないルートで利用客がいるとは思えず、さらに最近の問題として乗務員の確保にも苦労しそうなので、それならば走らせないほうがマシです。
せっかく中国自動車道という立派なインフラがあるわけですからそれを生かさない方策はありません。広島方面や東城~庄原間は高速バスで、東城や庄原から集落まではデマンドバスやタクシーでつなぐというハブ&スポーク方式が一番現実的なように見えます。

これは縮小均衡を図った策であることは否定しません。
ただ沿線の大半を占める庄原市の人口は旧庄原市域以外はここ15年で軒並み3割から4割減少、さらに令和以降高齢者率が旧庄原市域以外軒並み5割ないしは5割超えという状況で、ここから反転するというイメージは全くありません。半導体工場など黒船がやってくれば話は別ですが。

県知事はJR西日本の収支を公開して、都市部の黒字で補填できるはずとの主張ですが、万が一JR西日本が京阪神地区の輸送密度や収支を出してしまうと京阪神地区の利用者や株主からの反発は必至で、はっきり言って愚策でしょう。
そのあたり知事もわかっているはずでしょうが、おそらく廃止をちょっとでも引き伸ばしたい時間稼ぎといったところで、このような牛歩戦術をとっているものと考えています。

三江線廃止の際、存続に向けて具体的な数字を定めたところ、全く目標に届かず廃止に対して言い逃れができなくなった、という前例があるため、今回の芸備線ではあえて目標を定めず、ただ必要であることを主張して存続させようとしている節があります。(芸備線については○年までに○人目標といった話を聞いたことがありません。)
これに対しJR西日本側は数字を積み上げて突破しようというところですが、のれんに力押し状態となり進展がないのが現状のようです。

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