小倉~佐世保の九州ネットきっぷ

特急「ソニック16号」「みどり23号」九州ネットきっぷ

小倉~博多間のソニック特急券
小倉~博多間は「ソニック16号」を使用。
博多~佐世保間はみどり23号
博多~佐世保間はみどり23号に乗車。ただし、途中の早岐で下車しています。

サイコロきっぷ」を小倉で下車し、「九州ネットきっぷ」で小倉に向かいます。「ネットきっぷ」は基本的に特急で直通する区間、ないしは「ソニック」「にちりん」のように料金通算区間が多いですが、北九州市内発着を中心に2列車乗り継ぎパターンでの発売事例もあります。

今回紹介する小倉~佐世保の「ネットきっぷ」もそのようなきっぷで、原則博多での乗り継ぎで発売されます。通常購入に比べると47.5%引きですが、内訳をみるとこんな感じ。

小倉~佐世保間乗車券特急券(2列車計)
ネットきっぷ2610円(約30.2%引)1110円(約67.9%引)
乗車券+特急券3740円3460円

乗車券で3割引、特急券で約68%引きとなります。乗車券に「3割」の文字が記載されていますが、これは乗車券の割引率を示していることになりますね。
乗車券部分と特急券で割引率をわざわざ変えるのは理由があり、運休などの払い戻し時にその根拠がこの額で算定されるからです。
例えば2時間以上遅延すると特急料金全額払い戻しですが、たとえば「みどり23号」が2時間以上遅れると払い戻し額はこの800円となります。

一方、乗車券と特急券が一体化したきっぷもあり、この場合特急料金相当額が「特払」として記載され、遅延時にはこの額が払い戻されます。「九州ネット早特7」がそんなスタイルです。

いずれにしても、当日購入可能で指定席が満席になるまで発売するため、JR九州で特急乗車の場合は「九州ネットきっぷ」がオトクなのは間違いないです。
ただし、当日思わぬ欠点が露呈します。

小倉駅の大行列

小倉駅のJR九州の窓口は大行列。
特に指定席券売機は50人以上が並ぶ凄まじい状態になっていました。
行列を眺めてみると、たいていの客は「ネットきっぷ」の引き取り、または2枚きっぷの購入のどちらかっぽいです。
このため、一人あたりの時間はさほど長くはなく意外と行列は流れていくのですが、それ以上に人が押し寄せるので、行列はどんどん長くなっていきました。

これが「九州ネットきっぷ」の致命的な欠点で、ネットきっぷは基本的に購入自体はパソコンやスマホで完結するためさほど問題にならないのですが、引き取りが必要なので、どうしても乗車前の引き換えに人が集中してしまうのですね。
以前の2枚きっぷだと、指定席券売機以外に通常の自動券売機でも発売しますし、どうせ駅で購入なのであらかじめ買っておくという手もあります。
ところが「ネットきっぷ」の場合は買い方の行動心理学上、引き取りがどうしても直前になってしまいます。

これはJR他社でも問題になっており、中にはJR東海名古屋駅のように、引き換え可能な指定席券売機を数十台並べるという力業で乗り切っているところもありますが(それでも繁忙期は行列ができるのが東海道新幹線の恐ろしいところ)、
JR九州の場合、駅あたりの指定席券売機や引き換え機の台数がかなり少な目なうえに、ネットきっぷがかなりお得で使いやすいこともあって利用が集中、結果主要駅で引き換えの大行列という状況になっています。
JR西日本やJR東日本は、この問題についてはチケットレスで乗り切る構えのようで、最近チケレスを盛んにPRしているのはこういった側面もあるのではないかと予測します。

JR九州の在来線はチケットレスは導入してませんが・・・と思ったら思わぬところにチケットレスがありました。

PayPay特急券
PayPayでの特急券購入案内。バーコードをスキャンして金額を確定すれば購入完了。全く新しい特急券購入スタイルです。

これ、駅のポスターです。
これで、スマホのPayPayに読み込ませると特急料金支払い完了というものです。
発売は発車の1時間前からに限られ自由席限定ではあるのですが、時間を1時間に限定することで、事実上乗車できる列車を1列車に絞ってしまうと仕組みです。
自前の初期投資ほぼゼロで特急券購入システムができてしまうわけですから恐ろしいものです。
今回は購入は見送りましたが、今度試してみようかと思います。

ソニック16号
ソニック16号は883系で運転。883系ももうすぐ登場30年を迎え、ベテランの域に入っています。

小倉から乗車した特急「ソニック16号」は883系での運転。1994年登場ですので、初期車は来年で30周年を迎えることになります。
基本的に博多~大分を走り続けていますが、現時点でも後継車の話を聞かないのでしばらくはそのまま使い続けるのでしょうか。

ソニックの博多行きは、7両編成の場合、指定席は1~3号車ですがうち3号車は小倉~博多間は自由席となります。
つまり小倉~博多間は自由席は3~7号車の5両も連ねていることになりますが、この自由席が立席が出て車掌が通り抜けられないほどの混雑だそうで、小倉~博多間の需要の底高さを伺いしれます。

ソニック16号1号車
ソニック16の883系電車の1号車足元にはコンセントが設置されています。積極的に狙いたいところ。

ソニック16号は1号車を選択しました。1号車は足元にコンセントがあるため、積極的に狙いたいところです。立客もでた自由席に対し、指定席はまだ空席がある状態。ネットきっぷを使えば指定席が使えますが、あの混雑では引き換えができずに乗り遅れた人もいるんじゃないかなあ、といらぬ心配をしてしまいました。

みどり23号
みどり23号は885系での運転。通称「白い緑」。485系「赤い緑」もなんか不思議な感じでしたが、こっちもなかなか微妙な感じ。

博多では5分の乗り継ぎで「みどり23号」へ。
同一ホーム乗り継ぎかと思ったらホーム移動が発生して面倒なことこのうえなし。
列車が遅延したら面倒なことになるんじゃないのかなあ、とこれまたいらぬ心配をすることに。

「みどり23号」は西九州新幹線開業に伴って、2022年9月から従来の特急「かもめ」から回ってきた白い885系電車による運転です。通称「白いみどり」。なんか日本語の感覚がマヒしてしまいそうですが、過去には「赤いみどり」もあったのでそれほど話題にはならなかったようです。
行き先表示の「みどり」は割と新鮮。

「みどり23号」座席
「みどり23号」の座席は、従来の革張りシートから布張りに交換されていました。個人的にはこちらのほうが好みで、なんか革張り時代より重厚感が増した気がします。

「みどり23号」も1号車を選択。以前「かささぎ105号」で乗車したときは革張りシートでしたが、今回は布張りになっていました。

順次革張りから布張りに交換しているそうですが、いす自体は以前のままのようなので、なんか妙に重厚感のある座席になっています。
もちろん足元のコンセントはあるので、お得ではあります。
あと885系電車では無線LANが導入されていました。2020年に導入されたそうですが、今のところJR九州の在来線で無線LANが導入されているのはDS列車を除けば885系のみだそうです。

「みどり」には列車名に「リレーかもめ」がつく列車とつかない列車がありますが、その差は武雄温泉駅で西九州新幹線乗り換えホームに入るか、入らないかの差のようです。「みどり23号」には「リレーかもめ」の名前はつかないので、西九州新幹線ホームではなく在来線ホームに入線していました。
もっとも在来線ホームも西九州新幹線ホームと隣接しているため、階段乗り換えが必要とはいえ、意外と楽そうではあります。

列車は早岐駅に到着。きっぷは佐世保までですが、自分はここで下車します。

7/5の記事に続く)

 

この記事をシェアする:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です