プロローグ
出雲横田の温泉旅館「斐乃上温泉・斐乃上荘(現在宿泊休止中)」に宿泊予定で、車を軽く走らせて出雲坂根駅へ。
そこに入ってきたのが木次行き「奥出雲おろち号」でした。
本日が運転初日ということもあって、客の入りは5割ぐらい。まだまだ肌寒く、コートを着ている人も多かったですが、麗らかな春の日に、のんびりとした雰囲気につつまれていました。
列車を見送ったあと、車に乗ってそのまま出雲横田駅へ。
そこの簡易委託の駅員に明日の「奥出雲おろち号」の指定があるか聞いてみました。
「ここは、機械がないのですぐにはわからんのですわ。後で電話するから当日引き取りに来てもらえる?」
出雲横田にはマルス端末なんてありません。なので、その場で発券できないのです。
電話番号を伝えてそのまま斐乃上荘に向かいました。
1時間後、電話がかかってきて、「とれたよ!」ということで、明日は出雲横田駅へ引き取りにいくことに。
八川駅とそばと桜
こうして当日引き取ったきっぷが今回の指定席券。料補と呼ばれる補充券です。
今度、JR西日本は「懐鉄」シリーズとして補充券形式の料金券を発売しますが、別に絶滅しているわけではなく、今でも現役です。
みどりの窓口のない駅のほか、みどりの窓口のある駅でも、特殊な条件で補充券が使われたりします。本ブログでもたまに登場。
当初、出雲横田駅から乗車予定でしたが、車を走らせてとなりの八川駅に行くことに。
八川駅は奥出雲おろち号を除けば1日6本しか列車が来ない駅ですが、立派な駅舎が健在。
郵便ポストこそ角形ですが、なかなか味のある駅舎。
駅舎内は木の窓口に木の改札口。「出札所」の文字が実に味があります。しかもこの「出札所」は現役で、この日は不在でしたがきっぷを販売しています。
さりげなく掛かっている時計が空間にうまく溶け込んでいます。
ホームは1面1線の棒線ホーム。
反対側にもホーム跡があり、かつて交換ができたことをしのばせます。
満開間近の桜が実に綺麗。
列車が入線してきました。車内は4割ほどの乗車率。
ここから備後落合に向かいます。
さて、なぜ八川駅から乗車なのかというと、それは八川そばを食べたかったから。
八川そばは八川駅前に店を構える蕎麦屋で、シーズンや新そばの季節になると長蛇の列ができる人気店。
この店では「奥出雲おろち号」登場当初からこのそば弁当を発売し、運転日には八川駅まで販売に行きます。(備後落合行きのみ。)
ただし、10ほどしかないので、予約が望ましいですね。
なお、おろち号以外も昼間の列車なら電話すればそば弁当を列車までもってきてもらえます。
ただ、この店のおすすめはドロドロのそば湯を使ったざいごそば。
こればかりは弁当では味わえません。。。
奥出雲おろち号の車内
さて、肝心の「奥出雲おろち号」ですが、DE10ディーゼル機関車+12系客車(控車)+12系客車(トロッコ車両)の3両編成。
通常はトロッコ車両にいることになりますが、雨が降ったり、寒かったりした場合は隣の控車に移動する人もいます。
最近はトロッコじゃなくてこの控車の12系のほうにずっといる人も多い気がします。
備後落合行きの場合。このトロッコ車両が先頭になり、DE10が後ろから押す形になります。
車内ですがトロッコ車の車内はいたってシンプル。木の椅子に木のテーブルです。床も木製ですが雨の日は容赦なく入ってくるので、滑りそうではあります(笑)
風も強いこともあるので、ドリンクホルダーもやや深めで用意。
またトンネル内は、簡単なイルミネーションが行われます。
行きの備後落合行きはほぼ全線に渡って観光協会の人がマイクを握って観光案内を実施。
そんな奥出雲おろち号のハイライトは出雲坂根~三井野原間にあるおろちループでしょう。
おろちループとは木次線に並走する国道314号線のループ橋のことで、2重ループ橋で100m以上を一気に駆け上がります。
右側にとぐろをまいてるような橋がおろちループ。
たまに「ツール・ド・オロチ」と称してこのループを自転車で降りるイベントが行われてます。
また写真中央にちらっと見えているのが道の駅「奥出雲おろちループ」です。
三井野原駅から徒歩15分のところにあります。
一方、木次線は出雲坂根駅の三段式スイッチバックと、出雲坂根~三井野原のオメガループで高度を稼いでいます。
いずれにしてもこの区間を突破するのは一筋縄ではいかないからここまでダイナミックな光景になるんですよね。
(9/30の記事に続く)
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