高崎~水上間を結ぶ「SLレトロみなかみ号」の指定席券です。
高崎線のSLの運行はわりと長く、初期の頃は上野から高崎までEL牽引、高崎から水上まではSL牽引の上野~水上間に「EL&SL奥利根号」「みなかみ物語」が運行されていましたが、いつしか上野乗り入れはなくなり、高崎~水上間の運行が主流となりました。
車両はSLが12系客車か旧型客車をけん引しますが、そのうち旧型客車を使う列車については列車名に「レトロ」がつくルールのようです。(一部例外あり)
12系よりも旧型客車のほうが人気が高い傾向があるようです。
ただし、12系も貴重で、原形を留めたブルーの車体のまま定期的に運行されるのは「SL北びわこ」亡き今、この高崎の臨時列車のみとなっています。
今回は「レトロ」がついているので旧型客車による運行です。
高崎線のSL発着ホームは決まっていて、つい先日閉店したホーム上の立ち食い蕎麦屋でうどんをすすっているとSLが入線しました。
先頭はすっかりおなじみのD51-498号機。ただ、毎年少しずつ装備品が変化しているそうで、この日見たのは2つ目玉がついていました。
そして車内は混みすぎず、空きすぎず。
1号車は最後尾ではあり、機関車の走行音が聞き取りにくいのが難点ですが、煙の影響を受けないというのは利点でもあります。
車内は6割ほど。空きボックスこそないものの、通路側は空いている席が多いようです。
快速と言いつつ比較的のんびりとした速度で運転。沼田では恒例の長時間停車です。
ドアこそ、完全な手動からロック式になっていたり、トイレが改装されていたりしていますが、そのほかは純然たる「旧客」のため、明らかに他の列車と雰囲気が違います。
もっとも今は保安基準の問題で全く同じ車両は製造できず、SLやまぐちのような「旧客もどき」(あれはあれでいいものですが)になってしまいます。この旧型客車については何が何でも残していきたいというJR東日本の意志を感じました。
沼田を過ぎると山間部に入ります。山間部とはいえ、水上ならばさほどの急こう配区間はないはずですが、水上付近は明らかに温度が違い、雪国手前に来たんだなあと感じるものがありました。
往復「SLみなかみ」利用の場合、水上滞在中の3時間の過ごし方が話題になることがありますが、自分は割と日帰り温泉「湯テルメ・谷川」に向かうことが多いです。
水上駅からバス5分ほど、ただ、このバスは「水上温泉シャトルバス」という期間限定運行のバスになるため、バスがない場合は徒歩で40分ほど歩くことになりあまり現実的ではないかも。
湯テルメ・谷川は水上駅よりも標高が高く、まわりには残雪が残っていました。
帰りも「SLレトロみなかみ」で。
帰りも最後尾となる5号車を選択。
5号車は外観が小窓がずらりと並ぶ車両で、明らかに他の車両と違います。
内装も、他の車両が旧型客車とはいえ、わりと近代化された室内に対し、このスハフ32は木製の窓枠、木の床、ニス塗りの車内という「本物のレトロ」(?)を感じさせる内装です。
当然ながらこの車両の指名買いが多く、乗車率も他の車両に比べて多く、そして鉄分の多い方の比率が多くなっていました。
この車両は戦前製の車両でJRの営業用客車ではおそらく最古参の車両となります。
高崎に着いたころは暗くなってきましたが、照明が入った車内は一層レトロな雰囲気を醸し出していました。
なお、この「SLレトロみなかみ」は現在は「SLレトロぐんま水上」として運行されています。
コメント