「フルーティアふくしま2号」乗車証・他

フルーティアふくしま

JR東日本は、各地に観光列車を走らせていますが、そのうちの一つに「フルーティアふくしま」があります。
普段は郡山~会津若松を走りますが、冬季は2019年度から郡山から仙台の運行になっています。

そんな「フルーティアふくしま」の特徴は一般の指定席・グリーン席による販売が一切なく、すべて旅行商品・ツアー枠で販売されていることです。
JR東日本の最近の「のってたのしい列車」は通常のマルスに収容された指定席と、ツアー等で販売される席があるのが普通ですが、この「フルーティアふくしま」については2015年の登場当初から一貫して旅行商品販売のみで、一般のきっぷとしての販売はありません。(これはTOHOKU EMOTIONも同様です。)

フルーティアふくしまが一般販売されないのは、正直謎な部分もありますが、列車名に「フルーティア」と名打っているように「食とセット」になるのがコンセプトなため、食事なしのきっぷのみという販売がしずらいのと、定員が36名と極端に少ないのが一般販売をやらない理由なのではないかと思います。
「フルーティアふくしま」のあとに登場した、「越乃Shu*Kura」「海里」などは旅行商品専用車両と一般販売車両で明確に分けるようになり、JR東日本ではこちらが主流になってきているようです。旅行商品専用車両のほうが豪華になる傾向があります。

「リゾートしらかみ」の頃は、逆に通常の指定席とツアー枠も同じ車両にありました。このため、以前は指定席を確保しようとして、前受け流してみたら一か月以上前にツアー枠で全部埋まってたという悲劇もありました。。。

旅行商品を専用車両で分ける発想が目立つのは今のところJRではJR東日本ぐらいで、JR他社ではJR九州が「36ぷらす3」で旅行商品枠と一般のグリーン券枠を明示的に分けているのが目立つぐらいです。

紙のきっぷの消滅

JR東日本の「のってたのしい列車」ですが、2022年4月より旅行商品枠については全面的にオンライン販売に移行し、旅行会社やびゅうプラザ等での販売は終了しました。同時に、旅行商品としての「紙のきっぷ」は全面的に廃止され、すべてスマホ上もしくは自分のプリンターで印刷した紙での発券に移行しています。
一般販売は通常通り紙のきっぷでの販売が継続されますが、「フルーティアふくしま」については旅行商品のみなので、列車名が記載したマルス券はその時点で消滅してしまいました。
きっぷヲタにとっては悲しむべき出来事ですが、一般の人にはきっぷをなくす心配がなくなっただけ便利になったということかな・・・?

このため、今回乗車もスマホの「乗車証」での乗車となります。改札などではこの画面を見せて通ることになります。

フルーティアふくしま2号

フルーティアふくしまの「乗車証」です。

なんか味気ないよなあ・・・

喜多方に入る最後の「電車」

フルーティアふくしま

喜多方駅に停車中の「フルーティアふくしま」。2023年現在、喜多方駅に入る「電車」はこの「フルーティアふくしま」のみです。

喜多方駅1番線に「フルーティアふくしま」は入線します。
719系電車を改造した車両です。719系電車は、仙台を中心に東北地区の主役として活躍してきましたが、現在は奥羽本線福島~新庄間で運行されているもの以外はこの「フルーティアふくしま」のみとなってしまいました。

現在、磐越西線の会津若松~喜多方間については電化されていますが、既にこの区間を走る定期の電車はなく、ディーゼルカーによる運転となっています。
そんな中2023年時点では不定期ではあるものの、「フルーティアふくしま」だけが唯一電車で運行されています。

磐越西線会津若松~喜多方間「非電力化」は「未来への第1歩」かも - 鉄道ニュース週報(290)
JR東日本は2021年3月期の決算説明会資料で「電車をハイブリッド車両等に置き換え、電化設備を撤去」と記載した。その最初の路線が磐越西線会津若松~喜多方間になりそうだ。地元は反発しそうだが、むしろ鉄道...

その「フルーティアふくしま」も2023年いっぱいで引退が決定していますので、この「フルーティアふくしま」の引退とともに会津若松~喜多方の電化も取りやめになるのでしょうか。

2人がけシート

フルーティアふくしまの2号車の2人がけ座席。列車の性格上、2人以上で乗車するのが基本です。

一人掛け席

とは言っても一部区画は窓側に向かった席があり、ここがおひとり様向け座席となります。

2両編成で座席は2号車のみ。
基本的に2人がけ席と4人がけ席のボックスシートを組み合わせた配置で、ペアやグループ客の利用を想定しています。
一方窓側に向いた座席もあり、一人客はここが割り当てられます。
座席というよりはソファーといった感じで、深くかけるとかけ心地はいいのですが、いざ食べるとなるとちょっと厳しいか。

1号車

1号車はビュッフェカウンターを設置。全室食堂車扱いで、座席定員はありません。

1号車はビュッフエカウンターが。スイーツはここから運ばれていきます。
鉄道車両的には珍しい食堂車扱いとなっており車番も「クシ718」と食堂車の「シ」が割り当てられています。

ここではコーヒーメーカーやソフトドリンクが置かれており、フリードリンク制で自由に飲むことが可能です。このあたりは旅行商品専用列車だからできたでしょうか。
ドリンク類はアルコールをはじめ比較的豊富ですが、食べ物類は「スイーツ列車」だからかおつまみ程度しかありません。せめてケーキでも・・・と思ったのですが、生ものは在庫管理が大変なのでおいそれとは置けませんね。

スイーツと磐梯山

本日のスイーツ

本日のスイーツ。いちごのスイーツは甘いか酸っぱいかどっちか偏ることが多く、甘いのが苦手なのでできれば後者・・・と思ってたら、結果は適度に酸味があってほっと一安心。

本日のメニューは

「国産いちごのパンケーキパフェ」
「国産いちごのジュレプリン」

それに桃のジュースです。喜多方を出るとすぐに運ばれてきました。
スイーツ自体は得意でも苦手でもありませんが、あまり甘ったるいものは好きではありません。このため、正直身構えたのですがいちごに適度な酸味があり、ほっとしました。
一時期流行したパンケーキブームは今となってはすっかり落ち着きましたが、落ち着いたというよりすっかり料理の一部として定着した感もあります。

会津若松で方向転換のためしばらく停車。というか、会津若松をまたぐ列車が「フルーティアふくしま」のみとなってしまいました。

会津若松を発車後、しばらくすると山岳地帯に入ります。会津若松~郡山間は割と勾配もある区間ですが、電車ということもあって比較的すいすいと進みます。
そして磐梯山が見えてきました。

磐梯山

車窓から見える磐梯山。磐越西線では比較的長い区間で見られます。

ちょっとたいくつしてきたので1号車のビュッフェカウンターに移動。
ビュッフェカウンターには簡単な椅子がいくつかおかれています。
地ビールを注文してそのままカウンターで昼から呑兵衛(ぉぃ)

昼からビール

カウンターの片隅で昼から呑兵衛モード。車窓を見ながらの杯もなかなかいいものです。

カウンターを眺めると、「乗車記念証」が。なんと「乗車記念証」もデジタルです。
バーコードをスキャンして指定したURLにアクセスすると、「フルーティアふくしま」の乗車記念証が表示されます。
これが最初に掲げた「フルーティアふくしま」の「乗車記念証」ですが、デジタル化されてしまうとなんというか、ありがたみが全くないというか・・・

ただし、テンバイヤーの餌食にならないという点ではメリットかも。

きっぷも乗車証明も全部デジタルというのは、世の中の流れかもしれませんが、旅行に行った!という感覚が薄れてしまうのはどうにかならないのか、と思います。

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