東京~伊豆急下田間を結ぶ「サフィール踊り子」のプレミアムグリーン券です。「サフィール踊り子」は老朽化した251系「スーパービュー踊り子」に代わる車両として登場しました。

「スーパービュー踊り子」はカジュアルなスタイルで「乗ったときからそこは伊豆」のキャッチコピーどおり眺望を重視した車両で全車指定席。一方後継の「サフィール踊り子」は「大人のIZU、本物のIZU」をキャッチコピーどおり、スーパービュー踊り子よりもより高級志向を目指しています。
今回乗車したのはプレミアムグリーン車です。「プレミアム」と名がつく通り、通常のグリーン車のアッパークラスです。
プレミアムグリーン車はきっぷ上ではただのグリーン券と表示されますが、内訳をみると「Pグ」と記載されているので区別が可能です。
しかし、200km足らずの区間で6100円は結構高いというかなんというか。
駅弁と食堂車
(6/16の記事の続き)
帰路は「サフィール踊り子2号」で東京に戻ります。バスで駅に戻るとすでに列車は入線済み。売店で駅弁を物色していると改札が始まっていました。
車両はE261系。サフィール踊り子専用に製造された形式です。全車グリーン車指定席の8両編成。うち1両がプレミアムグリーン車。2両がグリーン車個室、1両がカフェテリア、残り4両が通常のグリーン車という布陣です。
側面行き先案内はJR東日本の他の特急電車と同じタイプ。
さて、プレミアムグリーンですが、1+1の2列シートという豪華版。
さらに後ろを気にせず気兼ねなくリクライニングできずバックシェル式の本革リクライニングシートが1+1の2列で並びます。ただし、通路が山側にあるので、写真のように1列は車両中央部に座席があるので景色が見にくいことに。座席番号だとB席が該当します。
天窓があるので車内は明るめですが、座席ごとにスポット照明がつきムーディーな雰囲気が漂っています。
座席はグランクラスに近い本革リクライニングシート。座席そのものはグランクラスと同等品に見えます。

ただバックシェルの頭部がグランクラスに比べると大きめで、そのため海側席に座っても案外景色は見ずらいです。電動式リクライニングシート装備でワンタッチで座席とレッグレストが連動して倒れます。シートピッチは1250mmで、天窓があるので荷だなは設置されず、大型の荷物はデッキ近くの荷物置き場に置くことになります。
さすがにこのクラスになると座席の座り心地がどうこういうレベルではなく、電動式リクライニングシートに身をまかせ・・・な感じ。
座席が近い「グランクラス」とは名乗らず「プレミアムグリーン」と名乗った理由は不明ですが、料金体系的に新幹線とは別建てにする必要があるので分けたのでしょうか。
下田で購入したのはあじずし。1260円也。あじの押しずしとしそ巻き、わさび漬けというシンプルな組み合わせ。しそ巻きをつけるのは初めてみましたが、このあたりでは当たり前なのでしょうか。
個人的には押し寿司はギュっと固めたタイプの寿司が好みなのですがこういうのは「ますのすし」を筆頭に日本海側の押し寿司駅弁に多く、太平洋側はそれほど固めていない印象が強いです。ここもそれほど固めてはいないようで食べやすいのですが、いまいち淡泊な感じも。万人受けするような感じではありますが。
下田を出てから山間部を走行しますが、今井浜海岸を出たあたりから海がちらちら見えてきます。伊豆稲取~片瀬白田間の海沿い区間は徐行し、景色の案内のアナウンスが入ります。
この時期はどうしてもかすんでしまい、遠方がなかなか見えませんが、かろうじて伊豆大島らしき島影は見ることはできました。
しかし、プレミアムグリーン車の座席ははヘッドレストのシェルが邪魔して景色が見ずらい(泣)。体をやや前かがみにしてのぞき込むような恰好で景色を見ることになります。このあたりは豪華車両の泣き所といったところでしょうか。
片瀬白田を過ぎると山間部に再度突入。以降川奈までは海はチラ見せ状態になります。意外と伊豆急行は山間部区間が多いです。
川奈~伊東間は完全に山中を走行することになります。
伊東を出てから4号車のカフェカーに。
カフェカーは当初「ヌードルバー」と呼ばれていました。JR東日本の意図としては、本格的な食事ではなく、軽食の意味で名付けたようですが、なんだか「ヌードルバー」という言葉が独り歩きしたようで次第に使われなくなっており、予約が可能なサフィールPayでも使われなくなっています。
「サフィール踊り子」登場当初はそれこそ「ヌードルバー」の名のとおりミニヌードルが650円程度で販売されていて、まさに「軽い食事」をするところだったのですがすぐに方向転換したようで、「ちょっと高級な食事場所」へ変化。2023年からは2800円のステーキまで登場しています。
今回購入したのは「特製かつお醤油の炙りチャーシューつけ麺」2100円也。
チャーシューがカツオを使用しており、つけ汁と絡みやすいからか麺は平麺に。
つけ汁が自分にとってはかなり濃いめだったので、いきなりウーロン茶を混ぜてやや薄めてからつけ麺を食します。
さすがに車内で景色を見ながらつけ麺って非日常の極みみたいなもので、2100円の価格はこういう場所代もあるのでしょう。味が濃いめだった以外はカツオの風味が効いた出汁はなかなかのもので、最後出汁にウーロン茶を混ぜて〆にしますが、全部飲み干してしまいました(笑)
惜しむらくはこのカフェの占有時間が約20分とかなりせわしないこと。せめて30分だったら食後のコーヒーとかも頼めてゆったりできるのですが、回転が悪くなるという判断なのでしょうか。
個人的には1回転減らしてでも30分は確保したほうがいいのでは?と思うのですが・・・
初期の「北斗星」の食堂車「グランシャリオ」は、50分で予約3回転してフランス料理のフルコースを終わらせないといけないというなかなかハードな内容でした。さすがにそれはありえないと苦情が殺到。予約を2回転として80分に伸ばしています。
食堂車から見る太平洋はプレミアムグリーンから見るのとは別物のように見えました。
小田原を過ぎるととあとは横浜、東京へ一直線。プレミアムグリーンでリクライニングをフルに倒して余韻を楽しもうとするのですが・・・ちょっと落ち着かない。
というのも、近くに子供連れの夫婦が居て、子どもがプレミアムグリーン車内を走り回っています。せっかく落ち着いた車内設備だったのにちょっとぶち壊しに。誰が悪いとは言いませんが、本日2度目の(-_-#)な気分に。
熱海から横浜へはノンストップ。意外と横浜で下車する人が多いですが、プレミアムグリーンだと
- 東京~伊豆急下田:12660円
- 横浜~伊豆急下田:9880円
と、一人あたり2780円も違います。
横浜~伊東間が100km以下、東京~伊東間が101km以上となって特急料金、グリーン料金が大きく変わるのが原因ですが、もしかしてこれを知って横浜で下車する人が多かったのかもしれませんね。
東京駅に到着すると、ほどなく向かいのホームに「ひたち21号」が入線し、東京駅はちょっとした特急の競演となっていました。
(6/20の記事に続く)
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