寝台特急「サンライズ出雲」の「シングルツイン」の特急券、B寝台券です。2012年に乗車したものです。シングルツインは、その名のとおり、一人用でも二人用でも利用できる寝台で、券面に人数が記載されているのが特徴です。
二人で利用する場合は2人分の特急料金にシングルツインの寝台料金(9600円)に補助ベッド料金(5500円)が追加で必要となります。
かつては「あかつき」「トワイライトエクスプレス」などにも連結されていましたが現在は「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のみの設備となっています。
券面は「サンライズ出雲シングル」のように列車名に寝台名がついてこない通常の「サンライズ出雲」となっています。そもそもマルスにB寝台に複数の種類があるということに対応しておらず、苦肉の策として列車名に寝台名をくっつけるような仕組になっているようです。
このうち、「シングルツイン」のみ列車名がつかないようになっている模様。
このため、「サンライズ出雲」をよく知らない駅員がマルスで空席を探すと「サンライズ出雲」で検索、すなわち「シングルツイン」の空席を検索してしまいます(笑)
「シングルツイン」はそもそも部屋数が少なく、すぐ満席になるので回答も「満席」・・・これ実際自分も何度もやられました。
現在はe5489でリアルタイムに空席がわかるため、こういう間違いもすぐわかりますが・・・
あと何気に注目すべきは車内の改札印。米子車掌区のものが入っています。2012年当時は、JR西日本の車掌が東京まで越境乗務をやっていました。現在こういう事例はなくなりましたが、つい10年ほど前までは当たり前のように、JR九州やJR西日本の車掌が東京まで来てたんですよね。
何気にこれらの車掌さんは、自社のオレンジカードを2000年代まで持ち歩いて販売していたため、東京駅のホームでJR西日本やJR九州のオレカが買えました。なんとものんびりとした時代でした。
長時間乗車に便利なシングルツイン
シングルツインの最大の特徴は寝台を跳ね上げて座席にできること。これは2人利用を考慮したもので、向かい合わせの座席にすることができ、真ん中に折り畳みテーブルを出すこともできます。
このため昼間時間帯の居住性が極めて素晴らしく、特に「サンライズ出雲91号」など昼間時間帯の走行が長い列車では有利なります。
また、旧来のシングルツインと比べても「サンライズ出雲・瀬戸」のシングルツインは大幅に改良されています。
改良点で大きいのは窓が上段にもついたことと、上段寝台を跳ね上げることができるようになったこと。これにより、部屋全体が非常に開放的な感じになっています。以前は上段は固定かつ窓がないので、上段は穴倉みたいな雰囲気を漂わせていましたが、こちらは改善されています。
伯備線内は川沿いを走行しますが、このように川を愛でながらPCでネットすることも可能。A寝台シングルデラックスにもテーブルはありますが、窓際ではないのでこのように景色を愛でながらPCを動かすことができる居住性ことがこのシングルツインの最大の特徴ではないでしょうか。
列車は定刻に出雲市到着。このあと出雲大社、日御岬など、定番の観光地をめぐりました。
いろいろ改造しました
出雲大社から松江に戻るとき、一畑電車を使用することに。当時、出雲大社前駅から松江温泉駅(現・松江しんじ湖温泉駅)直通の急行「出雲大社号」を利用しました。
この列車は土休日に運行され、2012年当時は朝方に出雲大社に向かう1本、夕方に松江に向かう1本が運行されていました。
なお、松江しんじ湖温泉~出雲大社前直通の急行「出雲大社号」は2021年に廃止されました。現在は土休日は出雲市駅~出雲大社前駅間を直通する普通列車がメインとなっており、観光客の流動の変化にあわせています。
車両は5000系電車が専用で使用されていますが、なんとなくわかると思いますが京王電鉄の5000系電車が元車両となります。ただし、一畑電鉄に導入する際に大幅に改造され、
・真ん中のドアを閉鎖して窓を設置
・ヘッドライトを丸形に変更
・2人掛け座席を小田急3100型(NSE/ロマンスカー)のシートに変更
京王5000系は通勤電車でしたが、3ドアのうち真ん中のドアをなくして違和感のないように窓を配置し、小田急ロマンスカーの座席を持ち込む大胆な改造を実施。
急行用電車として生まれかわりました。
京王の車体にロマンスカーの座席をつけたユニークな電車は長年一畑電車の顔をして活躍していましたが、2025/01/13 に引退する予定です。
なお、1/12に急行「出雲大社号」の復刻運行があるそうですが、団体専用となり一般客の乗車はできないようです。
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