博多~宮崎間をJRで移動する場合、新幹線+鹿児島中央から特急「きりしま」、もしくは、新八代まで新幹線、新八代からB&Sみやざきがメインとなりますが、博多からの直通特急「にちりんシーガイア」、もしくは大分で「ソニック」と「にちりん」を乗り継ぐ手もあります。

上記の記事は直通する「にちりんシーガイア」のものですが、本記事は「ソニック」と「にちりん」を大分で乗り継いでいます。
この場合、特急料金とグリーン料金は通算となり1枚の特急券となります。1枚にソニックとにちりんの2列車が記載されているのが特徴。
これは、小倉~宮崎の「にちりん」が別府分割になって別府・大分以北が「ソニック」に移管されたときに作られたルール(2003年)で、ほどなく乗換駅が別府から大分に移行。この乗り継ぎルールが長らく続いていましたが、2025年4月のJR九州の値上げと同時に特急料金・グリーン料金の通算がなくなることになりました。
あまりにもさりげなく書いてあったので、思わず「は?」と思ったのですが、人によってはJR九州そのものの値上げとのダブルパンチになりそうです。
もっとも、福岡~宮崎については5時間以上かかる小倉周りよりも、平均所要時間4時間程度の新幹線+「きりしま」、もしくは約3時間15分の新幹線+「B&Sみやざき」のほうを推したいので、あえてなくしたという見方もあるかもしれません。
もっとも価格面でも4/1以降、博多~宮崎の小倉まわりの「ネットきっぷ」が6640円、B&Sみやざきの「ネットきっぷ」が6000円~8200円なので、所要時間を考えるとあまり小倉まわりは使えないですかね。
スピードの「ソニック」
博多から乗車したのが「ソニック9号」。883系での運転です。
小倉まではグリーン車が最後尾となります。
側面の方向幕は「ソニック(&にちりん)」という表記。大分で連絡列車がある場合につけられる表記で、行き先も「大分(宮崎空港)」とカッコ書きの表示。4/1以降はこの表記に変化があるのか注目です。
車内は本革張りのリクライニングシートが1+2で配置。1+2なので横のゆったり感はありますが、シートが普通車と同じに見えるのはちょっとマイナスかと。
ただし、一般グリーン車では珍しく電動式のリクライニングシートを装備。最初に見たときはこれが今後のグリーン車のスタンダードになるのか?と思ってたのですが、故障とかの問題もあってあまり広まってませんね。
ただし、883系グリーン車には「パノラマキャビン」というフリースペースがあります。これは、運転台後ろの部分をハイデッキにしてフリースペースとし、ウッドチェアが設置されて展望が楽しめるというものです。やはり、小倉~大分間のほうが景色がいいので、乗るなら前展望となる大分行きでしょうか。
ハイデッキの効果は意外と大きく、迫力ある前面展望が見られました。
パノラマキャビンにはジュースストッカーや雑誌類が置かれており、グリーン車サービスの基地になっています。2013年当時は「ソニック」に車内販売があり、グリーン車に乗車するとドリンクサービスが受けられました。
2024年にも乗車しましたが、すでに車内販売はなくなっており、グリーン車のこの区画は本などはすべて撤去されています。車内販売員がいないので管理できないからなのでしょうが、なんだか寂しい感じがします。
もっとも迫力ある前面展望はこの「ソニック」ならではだと思うので、一度「パノラマキャビン」を体験してみることをお勧めします。
ハイパーサルーンの前面展望
大分駅で乗り継いだのは宮崎空港行き「にちりん9号」。大分始発でハイパーサルーン783系での運転です。783系は2021年まで「にちりん」に充当されていました。
現在も「みどり」「ハウステンボス」を中心に最後の活躍をしていますが、当時は日豊本線の全線で活躍しており、特に「にちりん」「きりしま」では主力列車となっていました。
そして宮崎空港行きはグリーン車が先頭車となります。つまりこれは前面展望が楽しめるわけで、1号車1番C席は、一人がけの最前列席。まさに特等席で、前面展望が思う存分楽しめます。
783系は振り子電車ではないので、カーブでも傾きません。さらに最高時速が110km/hと大分以北ほどでないため、迫力という面では「ソニック」に劣ります。もっとも大分以南の自然豊かなところ走るのは、783系の大きな前面窓と側面窓がまさに「展望車」といっても過言ではなく、リクライニングもそこそこに景色に見入っていました。
なお、この「にちりん9号」でも2013年当時は車内販売は健在でした。グリーン車サービスもあり、出発後のドリンクのあと、途中で飴の配布、さらに延岡を過ぎてからドリンクのおかわりとグリーン車のサービスもしっかり。
5年後には車内販売どころか「にちりん」自体が車掌もいないワンマン特急になるなんて、当時は全く予想もできなかったです。
なお、「にちりん」の車内販売は一度廃止されましたが、九州新幹線博多開業の2011年3月に復活しました。しかし2014年9月に再度廃止されています。今回乗車したのはそのわずか2年半の間にあたります。このあたりが九州の特急サービスの最盛期といってもよかったかもしれません。
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