「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅、広島から新大阪を経由して敦賀に向かいます。この日は敦賀泊。3列車目、4列車目は「さくら558号」「サンダーバード41号」の新大阪乗継です。
土日で旅行するとき、最近の宿泊施設の高騰はちょっと厳しいものがあります。当初宿泊を予定していた大阪も軒並みシングル1万どころか2万を超える宿泊施設がごろごろと。
ならば・・・いっそのこと敦賀で泊まったらどうかな、と探すと土曜宿泊で駅前のホテルであっても5000円ぐらいで泊まれるではありませんか。北陸方面は敦賀で必ず乗り換えになるので、いっそのこと敦賀での乗り換えにしようということで、敦賀泊となりました。
フリーきっぷの強みはこのように宿泊施設を柔軟に考えられること。宿泊費高騰の昨今ではありますが、観光地以外の地方都市は意外と低廉なままなことも多く、宿泊費の予算が折り合わなくなったらこのようにずらしてみるのもいいかもしれません。
今回、時間をつくって「WESTERポイント全線フリーきっぷ」で広島に来た大きな目的は、廃止されたあとの「スカイレール」がどうなっているのか気になったからです。
スカイレールについては一度どこかで記事にするつもりだったのですが、うっかりスカイレールのきっぷを処分してしまい、手元にありません。
でもせっかくなのでここで取り上げることに。ここから先は全然きっぷと関係ない話です。
まあ、きっぷを肴にした旅行記の側面もあるので・・・と言い訳。
スカイレールの面影
(2/24の記事から続く)
広島では「スカイレール」なる乗り物が2024年4月まで運行されていました。瀬野駅から山を登ってみどり中央駅までを結び、主に新興住宅地の通勤通学の足として運転されていました。
車両はロープウェイのゴンドラを懸垂式モノレールにぶら下げたようなスタイルで、最大の特徴はその登坂性能。最大263‰(約14.5度)の勾配を上っていく姿は普通の鉄道ではできません。スカイレールタウンみどり坂は瀬野駅から標高差200mの斜面に作られた住宅地で、この勾配に適したシステムとしてスカイレールが採用されました。
しかし、他に同様のシステムを持った鉄道がないことから機器の更新等が高額となり、維持できないということで2024年4月で廃止されています。
今回はその廃止された路線を歩いてみようということで訪問してみました。
広島から電車で20分。瀬野駅はやまあいの谷間にある駅です。
スカイレール廃止後は電気バスが運行。団地内をこまめにまわり、約15分で瀬野駅に戻ってきます。瀬野駅から乗車。電気バスは発進時のトルクが大きいため、急こう配が多い本路線でも坂道発進は楽々。力強く加速していきます。
もっとも14.5‰というのは自動車でも結構しんどい勾配ではあり、特に瀬野駅付近はまっすぐ上がる「スカイレール」に対してバスは迂回しながら上がっていきます。どんどん上がってかつての「スカイレール」の終点、「みどり中央」に到着しました。
「みどり中央駅」跡は駅舎はまるまる残っていました。
スカイレール自体は2005年に乗車経験がありますが、このようにモノレールの線路にゴンドラがぶら下がった形という全国でもここでしか見られない珍しい形態でした。
みどり坂駅跡にはゴンドラが放置?されていましたが、どうやら今後整備して展示するようです。
実際に使われてた頃は、このようにまさに観覧車の「ゴンドラ」に乗車するような感じになっています。もっとも瀬野~みどり坂まで150円。そこらの観覧車に比べると激安でした。見ての通り座席は8席分、前後に設置されていました。
さてここから瀬野駅まで歩いていきましょう。
みどり中央駅から線路沿いを歩いて瀬野駅まで約30分の道のり。
そのほとんどが下り坂や下り階段と、勾配の凄まじさを改めて感じるとともに、こんなところ山の斜面?に住宅地が造成された20世紀の日本はやっぱり活気があったんだなあとしみじみを感じるばかり。
2025年2月時点で鉄道施設のほとんどが残っていましたが、一部が工事中の足場や囲いが作られていたので、そろそろ解体工事が始まりそうな雰囲気です。

5年ほどかけて解体していくとのことです。
敦賀の宿に入ってその日撮った写真と2005年に乗車したときの写真を見比べてましたが、ゴンドラこそ消えたものの、スカイレールの写真がほとんど変わっていないのが印象的でした。
(2/28の記事に続く)
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