特急「かわせみ やませみ」指定券(カウンター席)

かわせみやませみ指定券

JR九州のD&S列車の一つ、「かわせみ やませみ」の指定券です。列車自体は既に何度か乗っているのですが、本ブログでは初出となります。
本来は熊本~人吉間のD&S列車として2017年に登場。「SL人吉」とともに肥薩線の看板列車として運行されましたがわずか3年後の令和2年7月豪雨で肥薩線が被災、運行できなくなりました。

その後博多~門司港などで運転されていましたが、2022年3月から豊肥本線熊本~宮地間の週末のみ運転の列車として定期運行されるようになっています。
なお、この定期運行は2025年1月13日で終了し、2025年1月31日現在今後の運行は未定となっていますが、「かわせみ やませみ」の2025年3月ダイヤ改正以降のホームページもありますので、おそらくどこかに転用されて運行されるものと思われます。

「かわせみ やませみ」の最大の特徴はそのバラエティに富んだ座席配置で、わずか2両に

・通常のリクライニングシート
・2人/4人用ボックス
・窓向けカウンター席
・窓向けカウンター席(かわせみベンチシート)
・窓向けカウンター席(親子用)
・セミコンパートメント風ソファシート

とこれでもかとばかり詰め込んだのが特徴です。JR九州はD&S列車で座席のバリエーションを増やすのがお得意ですが、これだけ増えると座席選択の際に戸惑いそうではあります。

リクライニングシート

通常のリクライニングシート。「白いかもめ」885系と同系統の座席と同じです。団体様は基本ここが使われるようです。

リクライニングシートは885系「白いかもめ」「白いソニック」などと同系統のシート。結局ここに落ち着く人も多いとか。

ボックス席

こちらは4人掛けボックスシート。実は数は少なく2つのみ。手前の座席は窓なし席の「ハズレ」席です。

グループ向けに便利なボックス席。2人用と4人用がありますが、「かわせみ やませみ」では特にボックス単位では販売しておらず、人数以下の利用だと他の乗客と相席になる可能性もあるので注意。インターネット予約では指定できず、みどりの窓口での予約が必要です。

窓向けカウンター席

窓向けカウンター席。基本2人で使用するように設計されているようですが、この日利用したのは自分も含めほとんど一人客(笑)

窓方向に椅子を並べたカウンター席。景色を見るならば便利な席です。今回購入したのはこのカウンター席。インターネット予約する場合は、1号車11番~14番A席、7番~10番D席および、2号車4番から7番A席となります。スイッチバックを楽しみたい場合はD席をどうぞ。

かわせみベンチ

同じカウンター席でも椅子が大きい「かわせみベンチシート」かつては別料金が必要でしたが現在は同一料金でお得となっています。

一方で同じカウンター席でも椅子が大きな「かわせみ ベンチシート」。かつてはここのみ200円の加算料金が必要ですが現在は不要となっており、ある意味お得な席です。
もともと親子利用を想定していたのだとか。インターネット予約する場合は、2号車8番9番D席の2席のみなので、争奪戦は必至。

カウンター席(親子)

同じカウンター席でも子ども向けの小さい椅子が設置されたところもあります。この部分の指定席は販売対象外なので、隣のカウンター指定席を購入した人が使うことに。

カウンター席でもこども向けの小さい椅子を設置した箇所もあります。小さい椅子部分はフリースペース扱いとなり指定席として販売せず、隣のカウンター指定席を購入した人が主に利用することになります。インターネット予約する場合は、1号車7番10番A席の2席のみですが、子供連れ以外は指定しないようにしましょう。
この日も親子連れが利用していました。みどりの窓口で勧められたのでしょうか。

ソファシート

運転台後ろから出入り台まではパーティションで区切ってソファを配置し、セミコンパートメント風に仕上げました。ただし、ここも人数以下だと相席の可能性アリ。

最後は運転台直後からドア部分まで仕切りで区切ってソファを配置し、4人用コンパートメント風に仕上げました。4人で利用するのはうってつけの座席だと思います。ただ、景色が背中になって見づらいのが難点。インターネット予約はできず、みどりの窓口での発売のみとなります。

とまあよくここまで詰め込んだことに感心するばかり。

阿蘇・宮地への旅

熊本

熊本で発車を待つ「かわせみ やませみ」豊肥本線は通常2番乗り場からの発車です。

熊本駅で豊肥本線の列車は南側の2番ホーム発車になることが多いですが、「かわせみ やませみ」もそのとおり。キハ40系列の車両を改造した車両で外観はドアを埋めたぐらいで大きな変更はありませんが、塗装やエンブレムを入れただけで大きく印象は変わります。
宮地方が青色の「かわせみ」、熊本側が緑色の「やませみ」の2両。前面には鳥の絵柄が描かれています。

ほぼ満席の状態で熊本駅を発車。次の停車駅はいきなり肥後大津で、電化区間は水前寺、新水前寺も含めて全部通過。まあ観光列車だから近距離輸送は不要という思い切った施策なのでしょう。
また、ワンマンなので特急券なしでふらりと途中駅乗車されても自由席もないためどうしようもないというのもあります。

肥後大津までの沿線は某半導体企業の進出で車も人も多くて活気もある感じ。すっかり都市近郊の趣です。しかし、肥後大津を過ぎると景色は一変。家も少なくなり、前方に阿蘇の山々が見えるところで立野駅に到着。しばらく停車します。

立野駅

立野駅停車。肥後大津行き普通列車を先に出発させてこちらはゆっくりと出発です。特急ですが「特に急がない」列車ですね。

立野を過ぎるといよいよ三段式スイッチバックへ。カウンター席だと、このあたりじっくり見ることができます。

三段式スイッチバック

立野の三段式スイッチバックはその規模の大きさと視界の広さは国内随一。立野発車時に目安となる定点を決めておくとスイッチバックを上るときどんどん上がっていることがわかります。

ここのスイッチバックは、比較的視界が開けているのが特徴。このため、高度がどんどん上がっていくことが比較的よくわかります。
スイッチバックを過ぎても勾配はさらに続きます。

新阿蘇大橋

熊本自身の後に作られた新阿蘇大橋。この橋の向こう側に展望台があり、雄大な景色を眺めることができます。

勾配の途中で新阿蘇大橋の偉容が。熊本自身で阿蘇大橋が落橋してしまったため、新たに作られた橋です。また落橋した阿蘇大橋の遺構も、列車から眺めることができます。
勾配を上り切ったところが赤水駅。「かわせみ やませみ」は通過します。

このあとは阿蘇五岳を眺めながら淡々と走り、阿蘇駅に到着しました。ここで観光客の大半は下車。残ったのは見た目ですぐわかる鉄道ファンばかり(笑)

宮地駅到着

宮地駅に到着。「やませみ」については宮地駅が一番綺麗に写真が撮れます。

5分ほどで宮地駅に到着。駅構内ではちょっとした撮影会になっていました。さらに、宮地駅に珍客が。

指宿のたまて箱

「指宿のたまて箱」(いぶたま)が宮地駅に到着。「かわせみ やませみ」とのツーショットになりました。

「指宿のたまて箱」です。到着したのはキハ140 2066の1両。もと「はやとの風」車両で、その後「指宿のたまて箱」仕様に改造され、「指宿のたまて箱」の予備車・増結車両となっていましたが、「かわせみ やませみ」検査時は熊本まで遠征して代走で入ることもあったようです。
今回もこのように熊本までやってきていますが、その理由は・・・(まあアレです。)

なお、「かわせみ やませみ」の豊肥本線での定期運用は2025年1月13日で終了し、2025年1月31日現在、ダイヤ改正後も含めて運行予定はありません。
もっとも廃車にするには早すぎるので、別のところで使われそうな気もします。

(2/2の記事に続く)

コメント

タイトルとURLをコピーしました