快速「ムーンライト九州」指定席券・2

ムーンライト九州

20年前の2004年、「稚内⇔西大山」往復乗車券使用時の旅行で使用した「ムーンライト九州」の指定席券です。
もっともきっぷ自体は既に行きのきっぷは西鹿児島駅まで使用しており、本列車は再開地点となる西鹿児島駅に向かうときに、青春18きっぷを使用して西鹿児島駅に向かったときに使用した指定席券になります。

ムーンライト九州」は言わずとしれた京都~博多間の夜行快速で、2009年1月まで主に青春18きっぷ期間中に運行されていました。
国鉄が民営化された直後にJR西日本は当時台頭しつつあった夜行高速バス対抗の廉価な夜行列車の運行を発表。京都~高知間の全車グリーン車の「ムーンライト高知」を皮切りに京阪神から四国、山陽、山陰、九州に夜行快速を走らせました。

当初は毎日運転、また一時は熊本まで運行していましたが、流石に平日はガラガラでしかも快速かつ自由席あり、ということで長距離利用よりも定期券で乗れる大阪からのサラリーマンの帰宅列車となっていました。(展望室は宴会場に)
次第に運転日を整理、また自由席はなくなり全車指定席となり2000年ごろからは青春18きっぷ期間中のみの運転となっています。

このムーンライト九州を使うと、東京から鹿児島まで青春18きっぷ2日分、しかも夜行列車泊で宿代不要(指定席料金530円のみ)と激安で移動できたこともあり、京阪神のほか首都圏の青春18きっぷユーザーにもおなじみの列車ではなかったでしょうか。

早朝のふくめし

ムーンライト九州

ムーンライト九州の最後尾。展望室となっており、自由に利用できましたが、実態は雑魚寝部屋と化していました。

ムーンライト九州は京都駅6番乗り場発で通常は、サンダーバード大阪行きなどが入るホームです。ムーンライト九州は6両編成。最後尾に展望室がついています。

この展望室、譲り合って利用しましょう・・・がタテマエなんですが、実際は雑魚寝部屋になっていました。座席よりもカーペットやソファで寝るほうが楽なのか、最初からここで籠城して過ごす人が多く、正直ムーンライト九州で展望室に入った記憶はありません(笑)

方向幕

方向幕もしっかり専用のものが完備。

側面方向幕もシンプルですがしっかり完備。

車両は「シュプール&リゾート」用の14系客車です。座席はシートピッチはそのままなものの、リクライニングが夜行バス並に大きく倒れるようになっています。
フルに倒すと後ろの窓側の人が外に出ることが困難なため、トイレが近い人は通路側推奨でした。

現在はリクライニングを倒す場合は後ろの人にひと声かけるのが一種のマナーとなっているようですが、2004年当時はそこまで浸透しておらず、わりとみんな無言でフルに倒す人が多かったです。

青春18きっぷ期間中なので、当然のように満席。

下関駅

夜明け前の下関駅。ここで機関車付け替え作業のため、しばらく停車します。

列車は京都から姫路までは新快速に近い停車駅。姫路からは、岡山に止まり、次は厚狭、そして下関に停車します。

下関では機関車付け替えのためしばらく停車しますが、ホーム上では朝5時半ごろにもかかわらず駅うどん屋が営業中。駅弁も販売しています。当然ながらこの長時間停車の客を狙った営業で、京阪神から乗り続けて初めての長時間停車ということで、たくさんの人が駅うどん屋に群がっていました。
自分も目覚ましのふく天うどんを一杯。ついでに駅弁も購入。

「ムーンライト九州」が発車すると、駅うどん屋はシャッターを下ろして営業終了。つまり「ムーンライト九州」のためだけに開いていたことになります。

ふくめし

冬季限定販売の「ふくめし」。早朝から駅弁も悪くはない。

当時は「さくら」「はやぶさ」「富士」なども下関駅で機関車付け替えのため長時間停車しており、このホーム上のうどん屋・駅弁屋も繁盛していましたが、夜行列車がなくなるにつれて当然利用者も減っていきました。そして、2009年の「富士・はやぶさ」廃止に伴う下関駅の夜行列車全廃の後を追うように、ホーム上のうどん屋・駅弁屋は2010年に終了し、現在は更地となっています。

2024年現在、下関駅で駅弁の販売はありません。

さて、「ムーンライト九州」は門司でも機関車付け替えのために長時間停車。その間に快速荒尾行きが先発していくので乗り換えます。
快速荒尾行きの車内で「ふくめし」の朝食。考えてみれば朝からフクって割と贅沢な(笑)

九州横断南下鉄道

さて、「ムーンライト九州」から鹿児島に向かう場合、鹿児島本線をそのまま下ってもよかったのですが、実は、博多(鹿児島本線)熊本(豊肥本線)大分(日豊本線)西鹿児島のルートもあります。
なんか一見出来なさそうなこのルートは、実はある区間を除けば2024年現在も実現可能なルートです。
ある区間・・・まあわかる人はどこかすぐわかりますよね。

2024年のルート

博多8:41(快速)9:19鳥栖
鳥栖9:31(区快)10:51熊本
熊本11:09(普通)11:47肥後大津
肥後大津11:49(普通)12:41宮地
宮地13:08(普通)13:52豊後竹田
豊後竹田13:55(普通)15:08大分
大分15:25(普通)16:48佐伯
佐伯17:17(にちりん11号)18:19延岡
延岡18:40(普通)20:48南宮崎
南宮崎21:31(普通)23:58鹿児島中央

大方?の予想通り、佐伯~延岡間の通称:宗太郎越えの部分です。そもそも2024年現在、佐伯->延岡間は今は朝6時台の1本しかありません。

「佐伯->延岡」普通列車用グリーン券
前回の記事で佐伯に泊まった理由は、佐伯~延岡間を結ぶ普通列車乗車のためです。この佐伯~延岡間を直通する普通列車は朝6時台の1本のみ。あとはすべて特急「にちりん」となります。この普通列車は787系電車を...

2004年当時はこの時間帯に大分発南延岡行きの普通列車が運行されており、青春18きっぷのみで、門司港から鹿児島まで、豊肥本線で九州を横断しながら南下することができました。

宗太郎駅

宗太郎駅で列車行き違い待ちをする475系電車。当時は大分~宮崎~鹿児島~熊本と広範囲でこの急行型電車が運用されていました。

その大分発南延岡行きですが、当時は475系電車3両編成を使用。宗太郎越えの中心となる秘境駅:宗太郎駅では15分ほど停車して行き違い列車を待ちます。

にちりん

宗太郎駅を通過する「にちりん」国鉄特急色の485系での運転です。

ガラガラの車内で待つのもあれなので、宗太郎駅のホームに出てぶらぶらしていると、国鉄特急色をまとった485系「にちりん」が猛然と宗太郎駅を通過してゆきました。

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