20年前の2004年、「稚内⇔西大山」往復乗車券使用時の旅行で、最初の行程となる稚内~札幌~函館と移動したときの特急券です。稚内から札幌は「利尻」の自由席、札幌から函館は「ス-パー北斗2号」の指定席を使用しました。
稚内からの自由席特急券はきっぷに「北」「総販」の印字が特徴です。これは総販券と呼ばれるJR北海道独自のきっぷになります。
JR北海道ではJR共通のマルスシステムとは別に、道内のみで使用する独自の総合販売システムを構築し、マルスの中央システムに接続する必要のない道内完結の自由席特急券や乗車券、1日散歩きっぷなどがこのシステムを使用して販売されていました。また、ツアーの販売システムも兼ねていました。
もともと中央システムであるマルスとの通信に使う回線料削減の意味合いが強かったようですが、回線料自体が安くなると、マルスシステムと総販システムという2つの発券システムがあるのは非効率かつコスト高となり、2019年10年のJR北海道値上げで、きっぷとしての総販券は廃止されています。
一方、スーパー北斗2号は、かつて2時間59分で東室蘭停車のみで札幌~函館間を結んだ表定速度では当時在来線最速の特急です。
2004年には、新札幌、南千歳、苫小牧、東室蘭、長万部、八雲、森、大沼公園、五稜郭とかなり増えていますが、当時使用していたキハ283の威力もあり、所要時間は3時間11分と所要時間増はかなり抑えられています。
現在の北斗2号はキハ261系を使用。所要3時間33分と大幅に伸びていますがそれでも4時間かかる列車もあるので、それに比べるとまだマシというかなんというか・・・
暗闇の前面展望
稚内から乗車したのは夜行の「利尻」。稚内発22時過ぎですが、稚内市内は地方都市あるあるの夜は早じまいを体現したような町で、駅前には過ごすところがありません。
しかし、稚内駅からバスで20分のところにある稚内温泉「童夢」が営業中。「童夢」から稚内駅方面行きの終バスが当時21:17発と「利尻」にベスト接続なので、札幌行「利尻」利用の際はこのルーティンがパターン化していました。
車両はキハ183系。当時は、「サロベツ」~「利尻」、「利尻」~「サロベツ」で折り返すキハ183系のパターンと、「スーパー宗谷1号」~「スーパー宗谷4号」、「スーパー宗谷3号」~「スーパー宗谷2号」で折り返すキハ261系パターンがあり、1日で札幌~稚内間を往復していました。
キハ183系の方向幕は幕式です。
札幌行き「利尻」は先頭車が自由席車。ということは、前面展望席が自由席車となります。
夜間走行なので、あまり展望は望めないと思いきや、「利尻」は走行中は夜間消灯され、補助灯のみとなるため、意外と前面展望が楽しめました。雪をかき分けながら走行する姿が見えます。
ただし、リアルでエゾジカをひいたのを見たときは目がさえてしまい、以降寝不足となってしまいましたが(笑)
「スーパー」な特急今昔
札幌には6時頃到着、7時発の「スーパー北斗2号」で函館に向かいます。車両は2024年現在は札幌~網走間の「オホーツク」「大雪」に使用されているキハ283系で、釧路行き「スーパーおおぞら」のイメージが強いですが、「スーパー北斗」にも2往復程度使われたほか、キハ281系の「スーパー北斗」の増結にも使われたりしました。
キハ281/キハ283系の混結編成は「スーパー北斗」ならではの光景でした。
2024年現在、「スーパー」の名前が付く列車は減ってしまいましたが、2000年代はまだまだ多数が健在。「スーパー」が付かない列車よりも速くて新しい列車であることをアピールし、当然ながらこちらのほうが人気が高い傾向にありました。
今のJRの在来線特急は特定の列車をアピールするより、停車駅、所要時間、車両を均等にする傾向が強くなっています。
さて、この「スーパー北斗2号」ですが、夜行列車で眠れない場合、翌朝の乗り換え列車は爆睡する傾向があるのですが・・・。今回もまさにその状態となり、噴火湾沿いの景色はほとんど覚えていません(笑)みんなエゾジカが悪いんだ(違)
大沼公園で恒例?の大沼団子を積み込み、函館までの間に車内販売の売り子が戦闘販売開始。なんと函館までの間に売り切ったそうな(驚)
函館駅に着くと、ホームでは向かいに八戸行き特急「白鳥18号」が485系で停車中。ホームでは駅弁屋、駅そば屋が営業しており、また「スーパー北斗」「白鳥」にも車内販売がありました。前年に昼間の特急から食堂車がなくなって合理化が叫ばれてた2004年ですが、まだまだ人的資源が豊富だったんだな、と2024年の供食事情を考えると隔世の感すら感じられます。。。。
今はは北海道新幹線、「北斗」ともに車内販売はありません。
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