週末パス

週末パス(2023年度発売分)

関東、甲信、南東北のJR東日本などが週末の2日間乗り放題の「週末パス」です。
以前は「ウィークエンドパス」と呼ばれていました。
乗車券のみで特急などは特急料金別払いとなります。
本ブログはきっぷをテーマに1000本以上上げていますが、意外にも「ウィークエンドパス」も含め、「週末パス」を真正面から取り上げるのも初めてで、自分でも「あれ?」という気分になりました。いつでも使えるという安心感から今まで取り上げてなかったのかもしれません。

値段は8880円でJR東日本の羽越本線酒田駅、奥羽本線湯沢駅、東北新幹線くりこま高原駅、東北本線小牛田駅、石巻線石巻駅・女川駅以南および一部の第三セクターや地方私鉄が土休日の2日間乗り放題となります。
山形県、宮城県以南のJR線と接続する三セクが乗り放題と考えるとおおむね間違ってないでしょう。
特急など料金が必要な列車は料金等別払いで乗車できます。大人の休日割引などの一部の専用割引を除いて、割引の特急券でもかまいません。

8880円といっても高いのか安いのかピンときませんから、東京駅を起点に往復運賃で考えるとこうなります。

駅名東京からの往復運賃
仙台(東北本線経由)12100円
福島9680円
山形(福島経由)12100円
酒田(新潟経由)16720円
新潟11440円
長野8140円

長野は流石にモトをとるのは難しいですが、それ以外の東北、および新潟方面は比較的簡単にモトをとることはできるでしょう。しかしながら、今は新幹線だと各方面に「えきねっとトクだ値」があります。これと「週末パス」+「新幹線指定席特急券」の組み合わせでいくと少々様相が異なってきます。

なお下記の表は、通常期の指定席利用で東北新幹線は「やまびこ・つばさ」利用前提です。

駅名週末パス+
新幹線特急券
お先にトクだ値
(往復分)
えきねっとトクだ値
(往復分)
仙台18960円15220円19580円
福島17420円12440円16020円
山形19860円15720円20220円
新潟18960円14760円18980円

県庁所在地往復で比較してみましたが、見事に「お先にトクだ値」のほうが安くなりました。
もっとも「お先にトクだ値」は席数制限が厳しく、時間帯のいい列車はあっという間に売り切れてしまうため、たとえば最初はお先にトクだ値狙いで、ダメだったら・・・という考え方もありかと思います。
また、自由席が使える場合は週末パスと併用した場合は自由席利用で往復1060円安くなるため、週末パスの場合、最初から自由席を使うという選択肢もあります。

さらにフリーきっぷの特徴としては、現地についても現地のJR線などは乗り降り自由なところです。
仮に新幹線で仙台についたとして、そこから宮島や石巻に向かっても追加料金はかかりません。
また、途中で気がかわって行程に変更がかかっても柔軟に対応できるのもこの手のフリーきっぷの強みです。このため、特に東北方面への旅行できっぷを考える場合、お先にトクだ値よりも最初からこのきっぷで考えてもいいかもしれませんね。

なお、同じ「えきねっとトクだ値」でも、乗車券がつかない料金券のみのタイプは「週末パス」との併用が可能なため、「週末パス」自体の使い勝手が大幅に上がります。
料金のみのタイプは基本的にチケットレスタイプで割引率は35%です。2023年4月現在、「ひたち」「ときわ」「踊り子」「草津・四万」「しおさい」「さざなみ」「わかしお」「成田エクスプレス」などに導入されており、これらの特急を利用する際は積極的に活用したいものです。

「週末パス」は前日までに購入が必要で当日購入不可という制限があります。しかし、えきねっとで購入が可能で、えきねっとの受取自体は当日でも可能なので、遠方からの購入でもそれほど障害はないかと思います。
本券も、えきねっとで購入。飛行機で羽田到着後、京急で品川駅に向かい、品川駅の指定席券売機で引き換えています。
引き換えたときに券面がおもいっきりかすれていたのをみたとき、少々絶句してしまいました。。。。きっぷ名が読めないのは少々問題かと。

券売機のメンテはきっちりしましょう。

板谷峠を普通列車で越える

今回の「週末パス」の利用は宮城、山形方面に向かっています。
品川駅で引き換えたあと、吉川美南駅に向かって特急「いわき」に乗車。いわき駅から「ひたち13号」で仙台に移動、その後仙山線で山形に向かって一泊し、そこから普通列車で板谷峠を越える計画です。もちろん「あれ」も手配済。

719系
山形駅に停車中の福島行き719系電車。ちなみに山形から福島直通の普通電車はこの420Mの一本のみ。列車番号を前面に律儀に出してます。

山形駅6:30発の普通福島行きは、今や貴重になった719系電車で運行されています。
2両編成で流石に早朝からか、あまり客はいません。
719系の特徴は唯一無二ともいえるその座席配置。

719系の座席配置
719系の座席配置です。3ドアセミクロスシートはよく見られますが、2人掛けと4人ボックス併用というのがかなり特徴的。

719系の座席は、3ドアでセミクロスシートと言えばよくあるパターンですが、そのクロスシートが4人ボックスシートと2人掛けシートを組み合わせた形です。
なぜこんな形にしたのか知りたいですね。

宮城、山形、福島を中心に一時期は秋田でも使われていた719系ですが、現在は山形新幹線区間の福島~新庄間と一部イベント列車のみまで数が減っています。
その山形新幹線区間の719系にしても、運行開始から30年以上が経過していてかなり老朽化が進んでいるように見えるのですが、置き換えの話がないのが謎。

淡々と進んでいきますが米沢に着くころにには客も増え、ほぼ満席状態で米沢駅に到着しました。
米沢駅で一斉に降りる・・・あれ、降りない?半分以上が乗り続けてます。

米沢駅を過ぎると雪が見えてきました。いよいよ県境の峠越え、板谷峠のスタートです。

米沢駅を過ぎたあたり
米沢駅を過ぎたあたりから線路わきに雪が見られるようになりました。もうすっかり春ですがさすが山間部。

途中で車内改札があったものの、なかなか進みません。眺めてみるとどうやら定期券で乗って乗り越しする部活動?の生徒さんがかなり多い様子。
もしかすると乗車が多いのはこの影響かもしれません。

そして板谷峠の最高所付近にある峠駅に到着。「あれ」の売り子さんが立っていました。

峠の力餅
峠駅の力餅。これを買うためにわざわざ普通列車に乗る人もいます。
峠の力餅
現在の峠の力餅は8個入り。価格は昔から1000円です。

「峠の力餅」です。峠駅近くの「峠の茶屋」および峠駅の立ち売りでのみ購入可能。買いやすいように価格は1000円です。
価格は1000円ですが、最初に買ったときは12個入りでした。さらに次に買ったときは10個入り、現在は8個入りになっています。
昔は賞味期限が購入当日限りと極端に短かったのですが、保存技術が発達したのか現在は賞味期限が翌日までになっています。(それでも短いですが)

8個入りとはいえ、分量的には一人で食べきれる量ではありません。朝ごはん替わり・・・に食べ始めたものの、4個でギブアップ。
ただ味は手作り感満載の素朴な力餅は再度食べてみたい、と思うのに十分でした。

坂を下りた列車は、すっかり雪のなくなった福島駅に到着。
郡山行き列車に乗り換え、本日の目的地の予定だった喜多方に向かうのでした。
ただし、その後郡山駅到着時点で三春滝桜が満開なのを知り、そちらに転進することになります。急な予定変更にも即座に対応できるのも、「週末パス」をはじめとしたフリーきっぷの特権ですね。

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