新山口~津和野間を昭和54年から運転し続ける、「SLやまぐち号」のSL不調による運休が長期化する中、2023年度は「DLやまぐち号」として運転され、DD51ディーゼル機関車による牽引で運転されています。
このため、きっぷの券面もDLやまぐちとなっています。
かつてはきっぷの券面はただの「やまぐち」だったのですが、最近はDL牽引が増えたのが原因なのかわかりませんが、SL牽引時は「SLやまぐち」DL牽引時は「DLやまぐち」と、高崎のSL/DL/EL牽引列車と同じような表記になっていますね。
上りのおすすめは5号車
津和野駅でDD51形が牽引する「DLやまぐち号」がスタンバイ。
DD51は、現在はJR東日本とJR西日本にのみ残っており、主にお召列車や臨時列車、事業用列車の任についています。2023年はこの「DLやまぐち号」がDD51牽引で一番多く運行されました。
既に稼働車は10両をきっており、全滅へのカウントダウンが始まってますが、いつまで運転が続くか予断を許さないところです。
もっとも後継がなかなか思いつきません。例えばキヤ143はやまぐち号用客車をけん引できますが、本来は事業用車両なので客を乗せて客車を牽引する場合は、何等かの措置が必要そうです。
さて、牽引する客車5両ですが、本ブログでは意外にも初登場の35系客車。「新型の旧型客車」というなんか矛盾していますが、まあそのように表現するのがぴったりでしょう。
35系のやまぐちはグリーン車1両、普通車4両の5両編成。
津和野行きはやはり1号車のグリーン車を狙いたいところですが、新山口行きの場合、1号車は機関車と鉢合わせとなり、展望デッキに入れません。
そこでおすすめしたいのが5号車。
普通車は2号車~5号車の4両ですが、このうち5号車だけが明らかに客室の作りが違います。
-
- 最後尾で展望デッキを併設。
- 機関車の煙が入りにくい。
- 1座席1窓の小窓なので、窓開けの際に向かいの人との暗黙の戦いが起こらない。
個人的には3番目が重要(笑)。知らない客とボックスで相席になったとき、1ボックスに1窓だと、窓を開ける際は向かいの人に少なからず配慮が要りますが、1席1窓だとあまり気になりません。
個人的には発車時の汽笛を聞きたい派なので、発車時は積極的に窓開けたいです。
一方
-
- 冷房等の電源となる発電機があるのでややうるさい。
- 背摺りが木なので、かけ心地が悪い。
といった難点も。背もたれが木なのは、昭和初期に初めて全金属性客車となったオハ31形客車がモデルだからで、他の3両のモデルであるオハ35よりも10年ほど古い車両がモデルとなっているためです。ただ、オハ31は車体長は17mで、2ボックスに窓が3枚あった気がしますが・・・(鉄道博物館で見た記憶では、ですが。)
どちらかというと、JR東日本に在籍するSL列車等で使用されるスハフ32が近いです。スハフ32も初期車両は背摺りは木でした。
以前SLやまぐち(D51)に乗車したときはSL特有の前後動がかなり激しく、発生するたびに背中を木の背摺りを打ち付けていましたが、これもSLあるあるということで(笑)
それでも小窓と最後尾展望の誘惑には勝てず、新山口行きの乗車時にはいつも5号車を指名買いしますね。
もちろん5号車もコンセントなど現在設備は完備。
最後尾の展望デッキでは、流れゆく車窓風景がダイナミックに展開されます。
やはりこのオープンデッキは人気で、入れ替わり立ち代わり多数の人が詰めかけていました。
この日の「DLやまぐち号」の乗車率は5割ほど。自分のBOXも自分ひとりだけでした。夏休みの休日としてはやや寂しいですが、これはやはりSLではないからでしょうか。
逆にのんびりとした客車列車の旅が楽しめるような気がします。
2023年運行分から新山口行き「やまぐち号」にちょっとした変化がありました。
それは特急「スーパーおき6号」の時刻変更に伴う、長時間停車駅の変更です。
従来3分停車だった篠目駅の停車時間が4分となり、スーパーおき6号との交換駅となったのです。(従来は大蔵駅で交換)
この交換風景は自分も初めてみてなかなか新鮮でしたが、これも見慣れた光景となっていくのでしょうか。
コメント