「京都市内~長崎」往復割引乗車券(別線往復)

京都市内→長崎乗車券
帰り券

こちらは帰り券。行き、帰りでC符号が別々になっているのに注目

本日は小ネタです。
先日書留が届き、何事?と思ったら国内旅行業務取扱管理者の合格証でした。元来こういう資格とかは興味なかったのですが突然勤め先が資格取得を推奨することになり、ならば、と手っ取り早くとれる国内旅行業務取扱管理者を受験してみました。
もともと下地はあるので合格自体はそこまで難しくはなかったものの、確かJR運賃まわりでは分岐駅乗車の特例に関する問題が出題されてた気がします。
改めて過去問を見ると、基本的にJR運賃まわりの出題はJR時刻表に掲載されている範囲で出題されるようです。

というわけで前置きが長くなりましたが、京都から長崎の往復乗車券です。
JR各社では片道601km以上の往復乗車券は、往路及び復路ごとの区間につき1割引します。これ、実は昔は違っており、30年前は601km以上の往復乗車券の運賃計算は復路が2割引でした。このルールが変わったのが1996年1月で、今回紹介する「別線往復」が影響しています。

「下関~博多」往復乗車券(別線往復)
下関~博多間の往復乗車券です。行きは在来線、帰りは新幹線というもので、「別線往復乗車券」と呼ばれています。在来線はJR九州、新幹線はJR西日本なので運賃が異なるため、単純に片道運賃の2倍にするわけにも...

別線往復については以前も紹介したので詳細は割愛しますが、新下関~小倉~博多間において、JR九州の在来線とJR西日本の新幹線では運賃が異なるため、新下関~博多間は、「新幹線経由と在来線経由で同一経路であるとみなす」ルールはそのまま適用されるのにもかかわらず、運賃は在来線と新幹線で分けるという非常に面倒なルールができてしまいました。

1996年1月にJR九州の運賃値上げでJR西日本と格差ができてしまったため、このように別線往復のルールが旅客営業規則第16条の3で規定されましたが、そうなると今度は往復割引乗車券の「復路2割引」が面倒なことになってきます。つまり復路2割引だと往路新幹線を使うか、復路新幹線を使うかで割引額や運賃が変わってきてしまいます。
そこで往路、復路ともに1割引として整合性を取るようにしました。

同様の理由で往復乗車券の有効期間も、「片道の2倍」から16条の3で規定される往復乗車券に限り、「往路及び復路の区間ごとに片道乗車券の計算方法によって計算した有効期間を合計した期間」と改められています。さすがに細かすぎて国内旅行業務取扱管理者に出るとは思えませんが・・・(そもそも2026年に往復乗車券がなくなるのでその心配はないですね。)

こうして発券された別線往復割引乗車券はかなり特徴的な体裁となっています。最大の特徴は片道ごとにキャンセルの際に使用するC符号(キャンセルコード)が発行されていること。画像だと下にある「C24」「C11」がそれですが、これは「往復乗車券」という1枚の乗車券にもかかわらず、別々の乗車券として機械上は扱われるということになります。
さらに「復:C11」「往:C24」など対のきっぷのC符号も載せています。

さらに通常は帰り券のみ記載される金額表示が行き券にも記載され、さらに1割引前の対のきっぷの片道あたりの運賃も記載、そして左下には新幹線乗車区間が記載されます。(ない場合は—表示)。
このときは行きは「あかつき」のシングルデラックス、帰りは新幹線を使用したので乗車券はこのようなきっぷになりました。

来年の東京~熱海は?

とまあ、別線往復を紹介しましたが、2026年3月にJR東日本の運賃値上げが発表されました。そこで注目されたのが東京~熱海間の取り扱い。
てっきり先ほど説明した新下関~博多のように「経路は同一、運賃は別々」のようになるのかな?と思ったのですが、ふたを開けてみるとまさかの完全別線扱い。すなわち東京~熱海間は「経路も運賃も別々」となるようです。これはさすがに驚きました。

JR東、発足後初の運賃改定へ 2026年3月実施 - 鉄道コム
JR東日本は6日、国土交通大臣に対し、旅客運賃の上限変更認可を申請した。

従来は東京~熱海間において、運賃は在来線の営業キロを使用し、新幹線は「在来線の線増区間」という扱いで同一路線という扱いになっていました。このため新幹線経由の乗車券で在来線に乗ることも、在来線経由の乗車券で新幹線に乗ることも、新横浜下車の特殊扱いを除けば自由に使えたわけです。
これが2026年3月からは新幹線、在来線は別路線であるに変わります。別線扱いになったのならば距離が短くなる新幹線経由の運賃は値下げすべきところですが、さすがにそこまではしなかった模様。

となると「小田原(新幹線経由)熱海(東海道本線経由)小田原」なんという従来はできなかった一周ルートの片道乗車券も作成が可能ということで、さっそく値上げ初日に実践しそうな人がいる気がします(笑)
ただ、同じ運賃値上げであっても「新下関~博多」と「東京~熱海」で扱いが違うのはなんだかなあと思ったり。あと来年の国内旅行業務取扱管理者試験でも取り上げられそうな気もして、要注意かも。(自分はもう受けませんが)

またこれはJR東日本に限りませんが、JRグループでは来年3月に往復乗車券がなくなり、往復割引もなくなります。このためこの特徴的な券面の別線往復割引乗車券も来年3月にはお蔵入りとなりますので、気になる方はお早目に。

長崎を上る

長崎ロープウェイ

長崎ロープウェイ。稲佐山ロープウェイとも呼ばれ、山麓の淵神社から稲佐山山頂までを結びます。

最後に少しだけこの日の長崎の行動を。
この日は天気が良かったので稲佐山に上り、そのパノラマを体感することに。まずはバスでロープウェイ乗り場まで行き、そこからロープウェイで山頂に向かいます。

展望台

山頂に設置された展望台。屋内、屋外両方があり悪天候や強風時も安心。(ロープウェイが揺れるので強風時あ来たくないですが。)

山頂には展望台も設置されています。

山頂からのパノラマ

山頂からの風景。函館同様夜景が美しいため夜のほうが混みますか、昼は晴れて居たら五島列島も見渡せます。

長崎市内の様子。こうやって見ると、長崎は平地が極端に少なく、坂が非常に多い町であることがよくわかります。日本三大夜景の一つに数えられるだけあって、夜のほうが混み合う傾向にありますが、町の様子や海の様子、遠く雲仙などを見たい場合は晴れた昼のほうがいいでしょう。

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