熊本県、宮崎県、鹿児島県の南九州3県の新幹線を含むJR九州の特急自由席までが、3日間乗り放題の「南九州DE超回復!きっぷ」です。1/31 からの一連の記事はこのきっぷを使用しているものです。
JR九州のインターネット予約での限定販売で、価格は15000円。指定席も3回まで利用可能です。一方同名のきっぷにデジタルチケット「my route」版があり、こちらは500円安い14500円。ただし、指定席3回無料で利用できる特典はありません。どっちがいいかは利用方法次第ですが、自分は迷うことなくJR九州版を選択しました。
もっとも最近フリーきっぷのデジタルチケット化が急速な勢いで進展しつつあり、磁気券を廃止にもっていきたい中、トクトクきっぷも数年後にはデジタルチケット化されて本ブログも載っているのはデジタルチケットばかり・・・なんてこともありそうです。
![](https://www.watch.impress.co.jp/img/ipw/list/1595/691/qr2.jpg)
さて、エリアは都道府県境で厳密に分けられており、鹿児島本線だと荒尾以南、九州新幹線だと新玉名以南、そして日豊本線だと市棚以南と割と細かく設定されています。
価格の15000円はちょっと微妙な価格。鹿児島中央をベースに考えると下記のとおり。
区間 | 片道・運賃料金(特急指定席) |
---|---|
鹿児島中央~熊本 | 7070円 |
鹿児島中央~宮崎 | 4860円 |
鹿児島中央~延岡(宮崎乗継) | 8730円 |
熊本~鹿児島中央~宮崎(鹿児島中央乗継) | 11710円 |
熊本~鹿児島中央往復でもモトは取れません。バランスよく熊本、鹿児島、宮崎を回るのがベストですが、新幹線以外は案外時間がかかるため、乗り鉄目的でなければよくよく考えて回る必要があります。
なお、指定席3回分は全車指定席のD&S列車の加算料金(500円)も不要になるため、積極的に狙いたいですが、一度取った指定の変更ができないのが厳しいところ。
また、相変わらず自動改札が通れず、有人改札を通る必要があります。熊本駅でインバウンドの客が有人改札前で行列を成しておりなかなか進まず、危うく乗り遅れそうになりました。自動改札が使えない理由が思いつかないのですが、これは改善してほしいですね。
最後の力走
(2/6の記事から続く)
熊本から宮崎に移動し、佐土原のビジネスホテルで宿泊。最近値上げ表明したホテルAZです。
![](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2025/01/23/20250123k0000m020231000p/0c10.jpg?1)
朝食込みで税込み5280円均一という低価格を武器に九州を中心にじわじわと店舗数を増やしていますが、ついに耐え切れずに今年6月から値上げ。2割増というと大幅値上げですが、朝食付きで6380円はまだまだ価格競争力としては強い。
難点は店舗のほとんどが幹線道路沿いで乗り鉄には利用しづらいところにあるところですが、佐土原店は例外的に駅真ん前というロケーション。何度かお世話になっています。
氷点下近くまで下がったホームで待つことしばし。眺めていると、足元表示に「ドリームにちりん」の文字が。既に廃止されてから10年以上経っていますが、歴史を垣間見ることができました。
やってきた「にちりん4号」は6両編成。セミコンパートメント付です。しかも自由席なのでフリーきっぷでも自由に乗車可能。しかしこの車両、本来の目的を生かし切れていない気がします。
高鍋駅手前で太陽が見え、日の出。高鍋駅を発車しすぐ川を渡りますが、ここで日の出の太陽が海面に反射して見えます。幻想的な一瞬です。
その後は本格的に明るくなり、延岡に到着しました。延岡では本日のメーンイベント、713系の登場です。
以前の記事で延岡に来た時にこの車両を見かけてもう見ることはない・・・と思ってたのですが、しぶとく2025年まで生き残っていました。
![](https://mytrip.tabitetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20230903_01.jpg)
通常は宮崎~宮崎空港間をピストン輸送の任にあたりますが、朝方1本のみ宮崎と延岡を往復する運用があり、今回はこれに乗車です。
車体はあちこちくぼんでパテで埋め込んだ跡があり、かなり痛々しい感じ。少数派なのにここまで生き残ったのは奇跡ともいえるでしょう。
車内は485系の廃車発生品のリクライニングシートに置き換えられています。リクライニングはちゃんとするので近郊型車両としてはなかなか豪華な部類になります。テーブルも装備。
しかし、想定外だったのはその走りでした。
延岡~宮崎間は高速化工事で1994年最高速度85km/hから110km/hに引き上げられました。このあたりを、エアサス装備の787系、817系は100km/hで走行しますが、こともあろうにこのコイルバネ装備の713系も817系と同じスジで走っている模様。713系の限界の100km/hまで出すため、車内は猛烈な揺れが。ときどきどーんという突き上げるような揺れもあります(笑)
行きの「にちりん4号」と同じ線路を走っているとはとても思えないほどの揺れです。
美々津ではかつてのリニア実験線の跡が。起点の建物は今も残ったままです。
リクライニングシートでらくらく移動・・・のはずが、豪快な揺れで見事に夢散したものの、それはそれで貴重な体験となり、宮崎駅に到着しました。
ただ、流石に713系は現在現役車両はわずか4両。ここまで少数派の旧型車両をこの先使い続けるとは思えず、先は長くないでしょう。
高鍋あたりから立ち客も出て、かなりの混雑で宮崎駅到着。半分ぐらいの人が下車します。自分も下車。列車は南宮崎に向けて発車していきました。
宮崎駅ではホーム向かいに787系「きりしま7号」がスタンバイ。こちらの自由席に陣取って鹿児島中央に向かいます。「にちりん1号」の客を受けて発車。
宮崎~鹿児島間は、都城近辺を除き宮崎から国分まではほぼ険しい山中を走ります。渓谷もないため山中の景色が多く、正直すぐ飽きてしまいます。
この区間は寝ることが多いのですが、今回も案の定zzzzz。。。
しかし、桜島の偉容は眠気を吹き飛ばしてくれるのに十分でした。
寒気の影響で桜島は冠雪に。これはこれで美しく。思わず写真を何枚も撮ってしまうほど。
2025年3月開業予定の仙巌園駅の工事の様子を見るとほどなく鹿児島市内に入り、終点鹿児島中央に到着しました。
(2/10の記事に続く)
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