旧国鉄阿仁合線のうち、阿仁合~比立内が開通して60周年を記念して、転換三セクである秋田内陸縦貫鉄道が2023年に発売された乗車券です。国鉄時代のB型硬券を模した形になっていますが、両矢式になっているため、阿仁合、比立内両方からでも利用可能です。

2023年に発売され、5000枚限定ということですが、自分が2025年11月に買ったときは券番が448番だったため、もし券番順で発売したということならば、あまり売れてないことになります。通販がなく、阿仁合駅窓口限定というのが購入のハードルが高いのかもしれません。
かつて秋田内陸縦貫鉄道では有人駅では硬券の販売がありましたが、2015年に端末更新に伴い、入場券以外は全廃されています。ただし今回のような記念券は例外のようで、他にも記念硬券があるようです。
自分は以前の硬券は急行券ぐらいしかありません。

クマを警戒しつつ・・・
(11/25の記事から続く)
大曲駅で「こまち」を降りて、いったん角館まで普通列車でバック。角館で下車し、秋田内陸縦貫鉄道に乗り換えます。
きっぷの発売は発車5分前と割とギリギリ。でも角館駅の入場券があったので購入。
A型硬券で、日付、鋏は入れるか聞かれたのでもちろんお願い。日付はダッチングマシンがあるようですが、わざわざ硬券入場券のために残しているのか(驚)
秋田内陸縦貫鉄道の主力はAN-8800形。「秋田犬っこ列車」と呼ばれ、随所秋田犬が顔をのぞかせる犬好きにはたまらない車両。
秋田発車時点では乗客3人を乗せて発車です。
当初は田園風景の中を快走。松葉までは旧国鉄角館線ですが、昭和45年開業とあって比較的路盤がよく快調に飛ばします。
途中西明寺で一人、八津で一人下車し、ついに客は私一人に。
松葉を過ぎると秋田内陸線として開通した区間になります。新線だけあってトンネルが多く、トンネルで一気に抜けていきます。踏切もないので、かなり快適。
途中でけたたましく警笛を鳴らしながら走ることも。おそらく動物との接触を避けるためでしょうか。そういえば秋田県はとにかくクマの出没が多いらしく、訪問した翌々日にも男鹿のイオンにクマが立てこもったとか(驚)

幸いこの日はクマの出没はありませんでしたが、10月にはクマと衝突事故があったそうで運転士としても気が気でないのでしょうね。

この日はクマはいなかったものの、イノシシの親子5頭が列車の警笛に驚いて逃げていきました。
上桧木内駅で急行「もりよし」と交換。かつては急行専用車両を使用していましたが、現在は一般車も使用しているそうでこの日は一般車と「秋田マタギ号」の2両編成。もっとも「秋田マタギ号」は団体専用っぽい感じです。
そして阿仁マタギ駅に到着。
阿仁マタギ駅の硬券入場券です。もっともきっぷの先頭に「ム」の文字が入っていることがわかるとおり無人駅で阿仁合、もしくは角館での発売となります。きっぷに描かれた鉄砲を構えるマタギがなかなか勇ましい。
その阿仁マタギ駅は意外と地味。打当温泉はここで連絡すると送迎してくれます。冬はかなり雪が多いところです。
ずっと山の中を走ってきたのが、国道が見え開けてきたと思ったら比立内。ここから先は旧国鉄阿仁合線区間となります。
ここから先は国道と並行する形となるため秘境感は薄れてきます。
笑内駅。マタギ発祥の地と言われる根子集落への入り口の駅です。昭和50年にトンネルが開通するまでは、ほとんど外界と隔絶されていたところで、源平合戦の落ち武者が開いたとかいう言い伝えがあります。
笑内駅自体は乗降客数10人に満たない小駅でもちろん無人駅すが、硬券入場券があり角館駅と阿仁合駅で発売しています。描かれているのは根子集落の伝統芸能である根子神楽。ちょっと見づらいかな・・・?
笑内駅を過ぎるとすっかり真っ暗なため、車窓はあきらめます。ほどなく阿仁合。
阿仁合駅では15分ほど停車。そして八津駅からずっと客自分ひとりだったのがここで数人が乗車してにぎやかに。真っ暗でよくわかりませんが、久々の「町」です。
そして15分の停車の間に改札口に向かい、入場券と「阿仁合~比立内」の乗車券を購入します。
阿仁合駅の入場券は角館と同じく標準的なA型券。この時間だとさすがに阿仁合駅構内の店舗は全部閉まっており、きっぷを買うぐらいしかできません。
鷹巣行きの列車に戻り真っ暗闇の中、旅は続きます。
(11/29の記事に続く)














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