JR東海☆夏の乗り放題きっぷ(2025年)

JR東海☆夏の乗り放題きっぷ

JR東海の普通・快速列車が2日間乗り放題の「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」です。2025年夏に設定され、利用期間が2025年7月19日から2025年9月10日までと、「青春18きっぷ」とほぼかぶっており、ほぼ「JR東海専用の青春18きっぷ」のような位置づけになっています。

青春18きっぷ(2025年・3日用)
青春18きっぷです。2025年冬季から大幅に形態が変わり、従来の1日分×5回分から、5日間連続になりました。同時に3日用も発売されています。今回はその3日用の「青春18きっぷ」です。形態は「秋の秋の乗...

2日間有効で3900円。1日あたり1950円で、1日あたり片道101km以上、往復51km以上で元が取れますし、2日間でも片道221km以上、往復101km以上でモトが取れる計算となります。
名古屋起点で主な区間だとこんな感じ。

区間 片道運賃
名古屋~熱海 4840円
名古屋~静岡 3410円
名古屋~甲府(富士経由) 5500円
名古屋~飯田(豊橋経由) 3740円
名古屋~奈良井 2640円
名古屋~高山 3410円
名古屋~新宮(伊勢鉄道経由) 4260円

※伊勢鉄道分520円を含む。

割と元を取るのは難しくはありません。奈良井や高山、意外にも新宮は片道ではモトは取れませんが、一泊2日で往復ならば余裕でモトが取れます。
やはり名古屋起点だと距離面では東海道方面が有利で、本数も多いためこちら方面が有効でしょうか。高山本線や紀勢本線は普通列車の本数が少ないと同時に長時間停車などが多く、時間の割りに距離を稼げないところも大きいです。

なお、名古屋、静岡だと「青空フリーパス」「休日乗り放題きっぷ」もありますが、この2枚の合計より安く、かつ2日有効なのが大きいです。

このきっぷはこのように格安ではあるものの、発売条件が特殊です。「EXサービス」の商品を利用して熱海~米原間の駅を着駅とするきっぷを購入となり、格安の普通列車乗り放題のきっぷの条件に、新幹線の利用を要求するというなかなかハードルの高いことをやってきました。
さらに駅での発売はなくEX予約、スマートEX予約詳細画面から「EX旅先予約」を選択してきっぷを購入する流れとなります。

そこで、自分は京都→米原のEX早得1を利用。どのみち当日の最寄り駅から普通列車だけでは乗車予定の米原発の特別快速の乗り継ぎは厳しいことはわかっていたので、これ幸いと新幹線で一気に米原までやってきました。

そのEX早得1はチケットレスで選択しましたが、京都駅の自動改札口でEX乗車票を取り損ねる痛恨のミス。最近IC改札はタッチのみばかりだったので完全に忘れてました。

すなわち3900円だけではきっぷを利用できないところがミソ。このあたりは賛否両論ありそうです。

案内券

バーコードがある案内券。
きっぷの枚数減少に一役買ってます。

なお、きっぷの券面には巨大な二次元バーコードが。JR東海は以前から券面表記が独特なところがありますが、ついに発券されたきっぷのご案内をWEBにぶん投げてしまいました。
特典などをWEBに記載したきっぷはJR各社で見られますが、きっぷそのものの効力をWEB丸投げは初めてみました。これってきっぷの効力的に大丈夫なんだろうか・・・?

スムーズ&スピーディー

特別快速浜松行き

米原で発車を待つ特別快速の浜松行き、米原~浜松を直通する列車はあまりなく、特別快速はこの一本のみです。

京都からひかり634号で米原に向かい、米原で「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」を引き取ります。
そして在来線ホームに向かうと、ちょうど特別快速浜松行きが入線するところでした。
313系1100番台の8両編成。元中央線名古屋口の車両です。

車内は明らかに青春18きっぷ客やこのJR東海☆夏の乗り放題きっぷ客と思しき人でほぼ満席。
この列車で米原から浜松まで特別快速で乗ると、浜松から2分乗り継ぎで熱海行きに接続します。青春18きっぷユーザーにとっては神のようなダイヤなので客が集中するのも無理はありません。
なので、浜松からの列車が混雑した場合は1本落とす「プランB」も考えてますが、どうなるか。

ちなみに前から3両目に乗車ですが、理由は後で書きます。

行き先表示

行き先表示。「新快速」の英語表記はJR西日本とJR東海で違いますが、米原駅在来線はJR西日本管轄なのでJR西日本方式。ちなみに特別快速も新快速と同じ表記になります。

ふと米原駅の行き先案内を見ると、JR西日本式の行き先案内が。「特別快速」を「特快」と略するのはかなり独特な表記。JR東海では「特快」と省略されることはまれで、「特別快速」と省略されることなく表記されることがほとんどです。

もっとも大阪地区は国鉄時代から省略表記が好まれる傾向があり「新快速」を「新快」と2文字で省略表記することも見かけます。また、米原発の「らくラクびわこ(びわこエクスプレス)」は「通特」(通勤特急)と省略されます。

英語表記はもっとあれで、「新快速」も「特別快速」も「Special Rapid Service」表記(および音声案内)になっており、区別がついていません。すなわち、

会社 特別快速 新快速
JR北海道
JR東日本
Special Rapid Service
JR東海 Special Rapid Train New Rapid Train
JR西日本 Special Rapid Service Special Rapid Service

となっています。JR西日本の「特別快速」はかつて存在した「関空特快ウイング」のみですが、同時期同区間に新快速がなかったこともあり、「新快速」「特別快速」ともに「Special Rapid Service」表記でした。
これだけ見るとJR東海だけ違ってますが、もしJR西日本が同区間に「新快速」「特別快速」を走らせるのならばどういう表記になるのか気になるところです。

浜名湖

後半のみどころでもある浜名湖。ただし米原から乗っている人は寝落ちしている人も多いかと。

米原で座席が埋まる程度だったのですが、関ヶ原で立ち客発生。大垣で多く乗り込み通路にも乗客がいるようになりました。さすがに名古屋に近づいたことを示します。
名古屋を過ぎると逆にどんどん客は減り、岡崎を過ぎるころにはガラガラです。

豊橋でさらに客は減り、かつ各駅停車になるのでのんびりとした空気に。車内を見渡すと米原から見た顔も多く、18きっぷか夏の乗り放題きっぷ関係かな?と。
もっとも寝ている人が多かったのはさすがに退屈してきたのでしょうか。浜名湖付近は夢の中の人が多い模様。

静岡

静岡駅の乗り換えの熱海行きは313系8000番台+313系2500番台の6連。8000番台の車内から浜松まで乗ってきた特別快速を眺めます。

浜松駅で熱海駅での乗り換え時間は2分。ホームの向かいに待っていたのは313系8000番台+313系2500番台の混成6連です。浜松までの特別快速が8両で、浜松からの熱海行きが6両。
で、熱海行きの先頭車は特別快速の前3両目あたりに停まりますので、先頭車と2両目は目の前に乗り換え列車がいません。ということで米原で前3両目に乗車したのはこれが理由です。

熱海行きに入っていた313系8000番台は元中央線のセントラルライナーで使用していた車両が転用されてきたもので、特急車両を除けばおそらく静岡地区では一番豪華な車両になりますでしょうか。
乗車時は先客がほとんどいなかったため、余裕で着席。なので後の列車に落とすのは中止です。
ただ浜松止めの特別快速からの乗り換え客がどんどん乗ってきたので、立ち客も出る盛況ぶりで浜松を発車しました。

清水駅に到着。

清水駅に到着。米原から転換クロスシートだけで熱海まで移動できるとは、青春18きっぷの旅も変わりましたね。

ただ座ると快適な元セントラルライナー車両ですが、やはり混雑してくるとオールクロスシートであまり収容力がないのがネックになるようで、静岡手前では通路もびっしりの混雑に。
お昼前の列車でこれですからラッシュ時は結構厳しそう。そのためか、すれ違う列車を見る限りこの8000番台を単独の3連で使うことはなさそうです。

このまま熱海まで乗ってもよかったのですが、自分は清水で下車です。

挑戦、漬けマグロいっぱい丼

魚市場食堂

魚市場食堂。まぐろ館2Fにあります。清水魚市場の直営店で、まぐろいっぱい丼が名物。

清水駅から徒歩5分ほどで清水港市場に。最近このあたりが改修され、橋上駅である清水駅の改札から降りなくても直接清水港市場に入ることができるようになっています。
また、駿河湾フェリーの発着もこのエスパルスドリームプラザから清水駅前に移動し、公共交通機関での利用がしやすくなっています。

前回訪問時は売り切れだった、魚市場食堂のマグロいっぱい丼。今回はまだやっていました。ただし自分とそのあとの一組で売り切れとのこと。もし浜松で1本落として20分後の電車に乗っていたら微妙でした。

魚市場食堂のまぐろいっぱい丼

魚市場食堂のまぐろいっぱい丼。まぐろがこぼれています。漬けまぐろですが、意外と浸かってはおらず、まぐろ本来の風味が楽しめます。

丼にごはんと少量の漬けマグロが入っていますが、そこから店員さんがどんどん載せていきます。「ストップ」というまでひたすら漬けマグロを乗せていくことに。当然ながら自分はこぼれるぐらいまでOK、ということでほぼ限界載せに。
お値段は1500円。以前食べたときは1000円ぐらいだった気がしますが、さすがに値段は上がっていますし、まぐろ丼以外の添え合わせも減らされています。もっともこの量のまぐろを1500円で食べられるのは十分にありがたい。

前回食べたときは本当に「漬けまぐろ」な感じでかなり醤油に漬かった感じでしたが、今回のまぐろはそれほど漬かっていません。日によって、あるいは使うまぐろによって変えるのでしょうか。
もっともあまり漬かっていないということはまぐろ本来の味が楽しめるということで、これはこれでありがたい。魚種はわかりませんが、食べ応えからキハダっぽいです。(実際はメバチ、キハダ、ビンチョウを仕入れ状況によって使い分けるとのこと)

30分ほどかけてまぐろタワーを崩し、酢飯ごはんと合わせて食べます。このまぐろ丼の最大の難点は飽きてしまうこと。まぐろならばいくらでもOKな自分ならともかく、普通の人にとっては掘っても掘っても出てこないごはんに飽きてしまうことが多いそうです。

ゆったりのんびりローカル線の旅

富士で出発を待つ甲府行き

富士で出発を待つ甲府行き。313系3000番台車2連でもちろんワンマン運転。

清水から普通電車で富士に出て、身延線に乗り換えです。身延行きは313系3000番台。セミクロスシート車2連です。
ワンマン運転で、車内はボックスシートとなっています。
ボックスシートに座り、先発した特急「ふじかわ」をおいかけるように発車。最初は市街地を走行しますが、西富士宮を過ぎると山岳地帯に入ります。

身延線

身延線は甲府行きだと主に左側に川が寄り添います。西富士宮を過ぎると、山が迫ってきて山岳路線の様相を呈してきます。

甲府行きの場合、進行方向左側に川があることがいいので、座席は左側のほうがいいでしょうか。西富士宮を過ぎると市街地に別れを告げるようにどんどん高度が上がり、山間部に入っていきます。
景色自体は特筆すべきものはありませんが、典型的な日本の山村風景といった感じでしょうか。

いいかげんお尻が痛くなってきたな、と思って富士駅から出て1時間半ほどたった甲斐常葉駅でしばらく停車ということでホームを散策。

甲斐常葉駅

甲斐常葉駅。富士でうだるような暑さだったものの、ここでは比較的暑さもマイルド。高度は400mほどかな。

清水や富士のようなうだるような暑さはなく、比較的過ごしやすい?暑さ。多分に標高が多少なりとも高いのが影響しているのでしょうか。対向列車やってくるとほどなく発車。

鰍沢口駅で山間部とはお別れ。甲府盆地に出ます。ここから列車の本数も増え、また乗客も急増します。
各駅で客を乗せ、東花輪駅では立ち客も出る混雑ぶり。すっかり都市近郊の路線となって多数の客を乗せて甲府駅に到着しました。

旧甲府駅煉瓦倉庫

旧甲府駅煉瓦倉庫。身延線ホームにモニュメントとして一部が展示されています。

甲府駅の身延線ホームで降り、改札に向かう途中に「旧甲府駅煉瓦倉庫」を移設して復元し、展示されています。
これは電灯が使われるまで、列車内で使用するランプの燃料補給施設等に使われていたそうで、甲府駅開業当時からあった建物だったそうな。甲府駅まで2000年代初頭まであったそうで、これと左手に見える釣鐘(旧甲府駅の釣鐘)などをあわせて「かふふ驛煉瓦ひろば」として待ち合わせ場所として使用されています。
整備されてから20年近く経ってますので、自分も見たことないはずはないのですが、ちょっと記憶になく、しばらく説明文を読んでいました。

(9/24の記事に続く)

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