阪急電鉄京都線の特急に昨年登場した座席指定車両「PRiVACE」の座席指定券です。阪急の座席有料車両は初めての試みということで、かなり話題になりました。

導入にあたり既存車両の改造ではなく、車両の新造をわざわざ行っています。それだけ勝算があると考えているのでしょう。
阪急の新型車両2300系、および既存車両9300系の中の大阪側から4両目に組み込まれ、ドアは中央部のみの一か所です。
座席指定券は、事前にネット予約が基本となり当日乗車時に係員にスマホ画面を提示することで乗車できます。
スマホが使えない、等の人は、当日乗車後に係員から直接購入することになります。駅での販売はありません。
ネット予約のほうが便利なのはわかっていますが、紙を残したいというただそれだけで車内で購入してみました。
価格はネット予約でも車内購入でも500円。出てきた券面は最近主流のレシートタイプで、乗車駅と降車駅、座席番号が記載されています。購入は現金のほか交通系ICでの支払いも可能なようです。
好評の「PRiVACE」
この日は阪急桂駅から乗車。桂駅は阪急京都線と阪急嵐山線の分岐駅ですが、週末とあって河原町方面も嵐山方面も行楽客で混雑。
こういうときこそ、事前に座席が確保することができる。PRiVACEは重要になってきます。もっとも車内購入の場合は「事前に座席が確保」できるわけではありませんが・・・
この日は空席ありなので、そのまま乗車しましょう。
通常出入口ドアは3か所ですが、PRiVACEは中央一か所のみ。また座席一つに窓一つが配置され窓配置が独特です。
出入口では係員がPRiVACEの座席指定券のスマホ画面を拝見。自分は購入していないので500円を支払って座席指定券を受け取って車内に入りました。
ただし、直接購入する人とスマホ画面を提示する人が交錯しあい、出入口付近は少々窮屈な状態に。これはちょっと考えものかも。
車内は中央の出入り口から左右に分かれ、1+2の3列シートが並びます。シートピッチは1050mm。
最大の特徴がPRiVACEの語源ともなった「プライベート」感を重視したこと。特に目立つのが2人掛けシートの真ん中に設置されたパーティションがあり、見知らぬ人と相席になっても隣はほとんど見えません。また、ヘッドレストも大きく、座ったときはまさに「自分だけの座席」感覚です。これは京阪プレミアムカーをはじめとする他社有料座席にはない感覚。他社を研究した後発ならでは強みです。
一方でヘッドレストが大きく、窓もそれほど大きくないため、景色がみずらいというのはあります、もっとも日常利用する人だと景色は二の字でしょう。
豪華にはなっているものの一目で阪急の車両と判別できるのは、やはり座席の色でしょうか。ゴールデンオリーブと呼ばれる独特の色は阪急のブランドイメージを確立するのに一役買っており、ここでも一見して阪急電車であることがわかります。

座席は背もたれが固めなのは今風。ただし、座面は適度にクッションが効いていました。また、インバウンド対応なのか横幅がかなり限界まで広がっている印象。このためか小柄な日本人が座るとかなり横がスカスカに。
もっともハンドバッグなどを座席と一緒に置いている人もいました。
実際に広いようで、スペックを見る限り横幅は465mm(1人席)、480mm(2人席)。東海道新幹線のグリーン車の横幅は480mmなので、特に2列席は新幹線グリーン車並みということになります。
出入口デッキは仕切りはあるものの、ドアはなし。短時間の乗降を考慮して、とのことでしょう。しかし、木目を意識したデッキ仕切り部分の色合いはたまたまかもしれませんが、新快速225系のAシートと近い感じになりました。

座席は9A席。本来ならば車いす優先席です。座席前が車いす置き場となっている関係上、前面に座席がなく、足が伸ばし放題。
もっとも前面に大きく空間が広がっているので、プライベート感は全くなく、むしろ開放感感じる座席なので車いす利用者以外、PRiVACEでははずれ席なのかもしれません。

阪急京都線の特急は子どものころからさんざん乗ってきたので、景色も見慣れてますので、景色がみづらくても全く問題なし。
もっとも景色も昔と変わっているところは当然あり、特に着々と進んでいるサグラダファミリア淡路駅高架化工事の近辺は、現在どのあたりまで進んでいるのかな?とのぞき込むのが、通るたびに習慣となっています。
桂駅では空席もありましたが高槻市駅ではほぼ満席となりました。ラッシュ時でなくてもそれなりの人気を博しているようです。
(5/13の記事に続く)
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