特急「むろと2号」「うずしお6号」の特急券です。徳島で乗り継ぎですが、特急料金は通算となります。このため、特急券は通しとなります。
「むろと2号」は3/15のダイヤ改正で廃止されましたが、それまでは徳島で「うずしお6号」と接続し、岡山まで直通していました。このため、徳島県南部と岡山との間の速達輸送列車とも言えなくもないです。もっとも徳島は岡山より阪神方面志向が圧倒的に強く、どこまで需要があったかは謎ですが・・・
ただし、徳島から乗り換え1回で広島や福岡に行けるという利便性はあり、ややニッチ需要ながらも支持されていたようです。
その岡山直通の「うずしお6号」ですが、同じく3/15のダイヤ改正で高松~岡山間が廃止されています。岡山直通の場合、高松と宇多津で2回方向転換を行い、さらに宇多津で高知からの特急「南風」を併結して運転するという一風変わったルートを取ります。
3/15に廃止した理由は、表向きは岡山へは「マリンライナー」が頻繁に運転しているからということですが、通常2両が基本の「うずしお」が岡山直通だけは3両で、しかも乗車率は他より良さげだっただけに単純に乗車率が少ないから廃止した、というより宇多津での解結人員や高松~宇多津間だけに人員が必要だったりと、人出不足で廃止にせざるを得なかったというのが本当のところではないでしょうか。
同じく3/15の改正で「しまんと」が減便されますが、減便される列車はいずれも高知~宇多津間で「南風」と併結する列車で、「うずしお」同様宇多津駅での解結や宇多津~高松だけの人員を圧縮したいというのが透けて見えます。
「うずしお」と「むろと」の乗り継ぎ自体は以前も記事にしたこともありますが、たまたま予約した徳島の宿が阿波富田駅前のホテルだったので、これ幸いと再度利用してみました。
なお、今回もe5489チケットレス利用です。窓口で通常の指定席を通しで買うと、徳島の任意乗継で1枚の特急券ですがe5489で買うとこのように3枚になってしまいます。任意乗継の特急券もよかったのですが、通常の特急料金2390円が1750円と640円値引きされるのは強く、今回もチケットレスに。「むろと2号」の乗車が、8時17分発、8時20分着の所要わずか3分で、手持ちの特急券ではおそらく最短です。単独利用では絶対にありえない乗車区間ですが、乗り継ぎ特急券ならではともいえるでしょう。
JR四国ではこのほか、もともと風前の灯だった高知運転所のキハ32が3/15ダイヤ改正で運用停止となっており。高知県は松山運転所のキハ54/32が予土線で運用されているのを除くと、JR四国の普通列車車両は1000型に統一されました。
ドロンとだらけの「むろと2号」
(3/16の記事からの続き)
「うずしお1号」から普通列車で阿波富田駅に向かい、前日泊まった駅前のホテルをチェックアウト。列車到着約5分前にホテルを出るといきなり雨が強く降り出しました。阿波富田駅は1面1線の棒線駅。駅舎はありません。ホームに屋根はありますが横殴りの雨が容赦なく突き刺さります。仕方ないので「むろと2号」が到着する3分間は、物置のような自動券売機付近でやり過ごすことに。(写真右側にあるやつです。)
しばらく待つと踏切の音がして「むろと2号」が入線しました。
「むろと」のヘッドマークは以前見たものと同じで室戸岬をイメージしています。
前日の空席確認では16席しかない指定席は満席ということで、さぞかし鉄道ファンでいっぱい・・・ということはなく席は半分ぐらいしか埋まっていません。
久々にここまで派手な「ドロンとシート」を見ました。記念発券が多かったのでしょうか。

わずか3分の行程では車内改札する暇もなく、車掌はすぐに乗り換え案内を開始。ほどなく徳島駅に到着しました。
2度の方向転換する特急
徳島での乗り継ぎ時間はわずか3分。しかも対面乗り換えではなく階段での移動が発生します。本日の岡山行きは所定の2700系3両編成。民族大移動よろしく一斉に乗り換えが進み、列車の写真を撮る余裕もなく徳島駅を発車しました。
板野駅を過ぎると峠越えに。途中の阿波大宮駅を過ぎて大坂峠を越えると海が見えて香川県側に入ります。高徳線で海が見える区間は割と少なく、しっかり見ていないとすぐに海は見えなくなってしまいます(笑)もっとも天気が良くないので、海もぼんやりとしか見えませんが。
それでも高松に近づくにつれて雨も上がってきました。さすがに瀬戸内地方なだけあります。
高松での方向転換の合間にようやく編成写真が撮れました。2700系はLEDのヘッドマークですが、JR東日本のE257系とかと比べるとかなり見やすく、渦潮のイラストもくっきり見えます。
ただし、写真撮影のときはシャッタースピードを1/100以下にしないとおそらくヘッドマークが物切れで撮影されてしまいます。
宇多津に向けて逆向きに発車しましたが、すぐに再度の方向転換があるため、座席の転換の案内はありませんでした。車内もわかっているようで、わざわざ反対向けにする人はいません。
宇多津で9分の長時間停車。ここであとから高知方面からやってくる「南風6号」を待ちます。貫通扉のドアを開け、南風の入線をまつとやってきたのは・・・
「南風6号」はアンパンマン列車で運行。真っ赤なアンパンマン塗装の2700系が宇多津駅に入線しました。
いったん停止して貫通扉を開け、さらに進んで併合直前に停止して各種確認のあとドッキング。
この2700系同士の連結、解結作業は3/15のダイヤ改正でなくなるためか、熱心に撮影していた人が多数見られました。
無事連結し、「うずしお6号」「南風6号」は宇多津駅を発車。「うずしお6号」は再び方向転換して発車います。
長距離列車が削減された昨今では2度方向転換する列車は現在ではほとんどなく、珍しい存在でした。
豊肥本線立野を通過する列車は2回方向転換しているとも言えますが、ちょっとニュアンスが違うかな・・・?
宇多津を出るとすぐに景色ではハイライトになる瀬戸大橋へ。瀬戸大橋では観光案内も流れますが、何度通ってもこの橋から見える瀬戸内の島々に目を奪われます。
瀬戸大橋はすぐに過ぎ、トンネルをこえて児島着。ここで乗務員がJR西日本の運転士、車掌に交代。
あとは岡山までノンストップです。
岡山手前で突然アンパンマンマーチが流れ、アンパンマンの声が。「うずしお」の車内で聞くと違和感が半端ないですが、併結している「南風6号」はアンパンマン列車。南風だけに流すといったことはできなかったのでしょう。
岡山には定刻に到着。折り返し「うずしお7号」「南風7号」となります。もっともこの光景も3/14限りで、3/15からは「南風7号」のみが岡山を発車していくようになり、岡山駅の行き先がら「徳島」の文字がなくなってしまっています。
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