市振駅の入場券です。市振駅自体は無人駅ですが、観光急行が停車している時間帯はホームで各種きっぷを販売しています。券種としては、この硬券の入場券のほか、市振~糸魚川の常備軟券、市振始発の急行券(硬券)、糸魚川始発の急行券(硬券)などです。
えちごトキメキ鉄道の常備軟券の普通乗車券は初めて見ました。このため思わず買おうかと悩んだのですがここは我慢して入場券にとどめました。
入場券の書式自体は国鉄時代に限りなく寄せた感じになっており、観光急行の国鉄急行色といわゆる国鉄レトロを感じさせるような券面です。
ただし、国鉄時代は入場券の2時間制限はなく、この部分の表記は「発売当日1回限り有効」となっていました。
市振駅の光景
(11/14の記事の続き)
市振駅はどこにでもある小駅といった感じで、別段特徴はありません。強いて言えば海に近い駅ではあります。このような場合でないと駅前に立つといったことはないでしょう。
もちろん市振駅は無人駅ですが、空き部屋を活用してミニ鉄道資料室が。昔の写真や駅名標、タリフなどが展示されています。
駅に戻ると直江津行き普通列車が入線。ここで降りて「急行2号」に乗り換える人もいます。あらためて列車の写真を撮ると前面に「8003M」の文字が。これは列車番号を示しています。首都圏では今でも列車番号を前面に掲示していますが、全国的には珍しくこの札タイプの列車番号表示はおそらくここが唯一ではないかと。
その列車番号は「8003M」原則として奇数が下り、偶数が上りを示すので8003ということは市振から直江津に向かうほうが下りということを示します。ただ列車名は「急行2号」と偶数なのはちょっと?ですが。
「急行2号」は市振を発車。途中の糸魚川でトキ鉄のリゾート列車「えちごトキメキリゾート雪月花」とご対面。
こうやって並べると雪月花のキレイさと413系の古臭さが一層際立って見えます。雪月花は予約したことはあるのですが、コロナ渦で運休となり計画流れて以降、乗車機会がありません。機会があれば乗ってみたいですが・・・
「急行2号」は観光停車駅として能生駅のほか、名立駅も設定。ここは川の上にある駅として知られており、ホーム上から名立川を眺めることができます。
意外と知らない人が多かったようで、写真に収める人も多数。
「急行2号」は直江津到着。あとを追いかけるように「雪月花」が向かいのホームに入線します。さらに「雪月花」の隣のホームに「しらゆき4号」が入線。通常上越妙高方面は5番、6番ホームに入ることが多いですが、あえて3番ホームに入れて「雪月花」と並べるあたり、なんか意図を感じるのですが、考えすぎでしょうか・・・?
最後に本当の「急行」を
「急行1号」~「急行2号」まではずっとクハ455-701に座っていましたが、直江津で折り返しの「急行3号」からは座席を移動して2号車のモーター車に。気分も一新です。
413系の車内は両開き2ドアのセミクロスシート。地方の主力ドア配置になると登場時は思われていましたが、現在は電車は地方でも3ドア車が主流になっています。
「急行3号」は空きボックスもぽつぽつある感じで出発、乗車率は2割程度でしょうか。自分の向かいボックスも客はおらず、さらにガラガラ感が増します。正直自分はこれぐらいがうれしいですが経営的にはダメなんでしょうね。
「急行3号」の観光停車駅は能生のほか、有間川駅が指定されています。
列車によって観光停車駅が違うのは流石ですが、トンネル駅で有名な筒石が入っていないのはちょっと謎。とはいえ、有間川駅も海沿いの駅として有名です。
個人的には有間川駅は直江津方面の「急行2号」でやってほしかったですね。「急行2号」だと海側ホームに停車するので海を見やすいですし、ゆるくカーブを描いていて反対側ホームから編成写真も撮りやすいので。
それでも写真などを撮っているうちにあっという間に時間は過ぎ、有間川駅を発車です。
「急行3号」は糸魚川駅で普通列車になります。親不知駅で海に突き出しているのは国道8号線と北陸自動車道。土地がないのでこうやって海側を高架が走ります。ただやはり波でどんどん削られていくそうで、補修費用が相当かかるとか。
乗り鉄的には海が見ずらくなるので、正直いまいちな光景ではあるのですが、海上高速道路は珍しいといえば珍しいので、それなりに見ごたえのある風景です。
そうして2度目の市振駅に到着。既に陽はかなり傾いていました。直江津から妙高高原行に乗ったのが朝の8時40分ごろですから既に8時間近くこの413系とお付き合いしていることになります。
ここから先は糸魚川まで普通列車、糸魚川から「急行4号」として直江津に向かいます。
1~2号とは異なり、3~4号では折り返し時間は数分しかないので、ちょっとホームに出て海を眺めてたらもう発車です。
既に夕陽の時間となり、だったら日本海に沈む夕暮れが撮れるのでは?と思ったのですが、実際乗ってみるとそれは期待薄。太陽がかなり進行方向左斜め後ろとなり、沈む夕陽を眺めることはほぼ不可能でした。
さて、糸魚川から「急行4号」ですが、「急行1~3号」が直江津~糸魚川間約50分ほどかかりますが、この「急行4号」だけは直江津~糸魚川間が所要28分。
トキ鉄では急行の定義が「急いて行かない」の略だそうですが、「急行4号」に限っては本来の「急いで行く」列車となります。もちろん観光停車なんてものはなく、全力で糸魚川~直江津間を駆け抜けます。表定速度は82.5km/hと80km/h超えをマーク。これは国鉄時代の急行電車でもかなり上位にくる数値です。
「急行4号」で真ん中の2号車にいると、全速力の電車のモーターの唸り声が響き渡り、かなりの迫力。暗くなるので景色は望めませんが、わずかな時間ではあるものの往年の本当の「国鉄急行」の走りを堪能しました。
暗くなった直江津駅に到着。約10時間の413系の旅はそれなりに充実できたものでした。
ただ、今後はというとちょっと先は長くないかな。
個人的には11月の3連休に乗車率2割~3割というのはずっとボックスシートを一人で占拠でき、足を伸ばして寛げる程度の混雑率で個人的には非常に満足なのですが、営業的にどうかと言われるとちょっと怪しい。
2024年にクラウドファウンディング等も活用して全般検査を通過しましたが、おそらくですがこれが最後になるのではないかと思います。
4年後の次の全検で運行終了になる公算が高く、運行終了間際はいろいろイベントを行ってまた混雑しそうなので、まったりと国鉄急行型の旅を楽しみたいのならば、この1年ぐらいがちょうどいいのではないでしょうか。
(11/18の記事に続く)
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