特急「スーパーおき4号」チケットレス特急券

スーパーおき4号特急券

スーパーおき4号のチケットレス特急券です。「波子」という駅はなじみがありませんが、バブルリングで全国的に有名になったのシロイルカのいるアクアスの最寄り駅です。

アクアスの看板

波子駅前のアクアスの看板。波子駅から徒歩12分。駅から見えます。

以前は無人の田舎駅だったのですが、アクアス開館で特急停車駅に格上げされて波子駅は地元受託による簡易委託化。駅舎も改築。
しかし初年度こそ利用は大幅に伸びたものの、その後は右肩下がりとなり1日の利用客も20~30人程度と低迷したため、2022年に再度無人化。そこでせっかく改築した駅舎をどうするかが問題となりました。それがある企業が入居することになります。

太田の大アナゴ

サンライズ出雲と普通列車

出雲市に到着したサンライズ出雲と普通列車。ここで接続する浜田行きに乗り換えます。

出雲市駅に「サンライズ出雲」が10時頃到着。観光客と思しき大半の客が改札を抜けますが一部の客が浜田行きに乗り換えます。車両はキハ120形1両。サンライズ出雲とえらい違いですが、キハ120形が西出雲~益田間の普通列車のほとんどを担当します。

4割ほどの乗車率で出雲市駅を発車。最初の下車駅は大田市駅から2つ先の駅五十猛駅です。

五十猛駅

五十猛駅にに到着した列車。ホームには屋根がなく駅舎もありません。

11時過ぎに五十猛駅到着。
五十猛駅ホームは高架上にありますが屋根はなし、出口への地下道が屋根かわりでしょうか。駅舎はかつてあったようですが、現在はなくなっており駅前広場のみが残されています。

五十猛駅から日本海方面に歩いて徒歩10分ほどのところに最初の目的地「ささき」があります。

ささき

海の店ささき。魚屋が食堂を経営しランチタイムのみ営業。国道9号線沿いで徒歩でここに来る場合は歩道がないので車に注意。

めざす「海の店 ささき」は海に面した国道9号線沿いにあります。途中歩道がないので車に気をつけて歩くことに。店自体は11時半からの営業ですが、11時20分頃についたら中から店の人が顔を出してきて「今から開けるね」とオープンです。

海の店 ささき | maina! 美味な大田
日本海沿いの立地で、地物の魚料理を日替わりで提供しているお店です。 ”日替わり定食”も人気で、ほとんどのメニュ

店内は一番手だったので当然私一人。
ここは沿岸で取れた海の幸を日替わりの刺身定食で出してくれる食堂として、地元民に親しまれる「知る人ぞ知る」店でした。しかし、2020年にアナゴ一本まるまる使った「あなご天丼」を出すとマスコミに取り上げられて大ブレイク。知名度が全国区となって全国から客が集まって行列ができる店になってしまいました。

ただし、この日一人だけだったのは本当にたまたまだったようで、多客期の土休日は開店30分ほど前から行列ができていることがあるので注意。

もっとも店のただずまいはブレイク前とあまり変わっていませんでした。

あなご天丼

これが知名度を全国区に押し上げた「あなご天丼」まるまる一匹使った贅沢な天丼で、そそり立つあなごが特徴。どんぶり単品1700円。刺身などのセットで2000円。

これが知名度を押し上げた「あなご天丼」。とにかくそそり立つあなご天が印象的。大田市はあなごの水揚げ高がトップクラスですがいまいち知名度がないことから、数年前からあなごを使った町おこしを行っていますが、この中で目立ったのがこのささきの「あなご天丼」ではないでしょうか。

大田の大あなご | 島根県大田市観光サイト
大田市観光協会が運営する観光情報サイトです。大田市の見どころや世界遺産石見銀山をはじめ、モデルコース、イベント情報、アクセス情報など大田市への旅に役立つ情報を紹介しています。

ただし、大田であなごの水揚げがないと販売自体を中止するので注意。

味付けが甘目なのでそのあたりはかなり人を選びますが、大きなあなごにもかかわらず大味ではなく脂ののったあなごです。そして値段に反して見た目以上にボリュームがすごく、食べきれない人が多いそう。
自分は全然平気ですが、もし食に自信がなければ一匹ではなく半身使用した「あなご天丼」(小)単品1100円、定食1400円のほうが無難でしょう。そそり立つあなごは見られませんが・・・

駅舎内で作られる地ビール

波子駅

波子駅に到着した列車。左手の駅舎にタンクらしきものが・・・

五十猛から再度普通列車に乗り、今度は波子駅へ。目的はアクアス・・・ではなく駅舎そのもの。
アクアス効果で波子駅も改築されましたが、利用者減少で再度無人化。まだ新しい建物の使い道がないかということで、地元の「石見麦酒」が手を挙げてここに醸造所を作ろうということになりました。駅舎内醸造所の誕生です。

グランドオープンが2024年9月ということでできたばかり。ただ、「石見麦酒」自体は地ビール業界ではわりと有名で、チェストフリーザーとビニール袋を使った「石見式」と呼ばれる少量のビールを多数作るのに適した醸造法を考案したところでもあります。

石見式の生みの親!クラフトビール業界に旋風を巻き起こす「島根のエジソン」と醸造の旅 | あうたび
《無いなら作ろう!できないなら、できるようにすれば良い!発想力を学びに行こう》 「時間がない。金がない。タイミングが悪い。普通はやらない。」と、できない理由を並べてしまう事ってありませんか。一度の人生...

この方式だと大規模な投資なしで地ビールの醸造設備を作ることができるため、この「石見式」を利用したマイクロブルワリーが全国各地で誕生しました。

入り口

波子駅時刻表横がBARの入り口という不思議な空間。右の窓からはタンクが見えます。

この「石見式」だからこそ、小さな波子駅で醸造できるのであって、従来方式だとおそらく大きな駅でないといけなかったでしょう。
駅の待合室には「石見麦酒」のBARの入り口があり、ここで飲んだり商品を購入できたりします。ただし日~火はお休みなので、週末だと土曜ですね。

ビール

タンクと醸造工程を見ながら、ビールで乾杯。もっともBARは3人ほどしか入れないので、満員だった場合は駅待合室か外のベンチで飲みましょう。

というわけで、ここで一杯。
残念ながらタップはなく、缶や瓶による提供ですがちゃんとグラスもあって気分は呑兵衛。おつまみがサービスでついてきます。

考えてみれば車に乗ると運転手は飲めませんので、駅舎にビール工場って悪くない組み合わせなのではないでしょうか。アクアス開業で特急停車を果たした波子駅ですが、今後は呑兵衛の立ち寄り地にもなっていくのでしょうか。

波子駅とスーパーおき4号

波子駅に到着した「スーパーおき4号」アクアスとともに、石見麦酒も波子の名物になっていくのでしょうか。

グラスにして6杯ほど空け、軽く酔いが回りだしたところで列車接近の案内が。
駅徒歩0分ですから焦る必要は全くありません。

ほどなくやってきた「スーパーおき4号」に乗り込むとたちまち寝入ってしまいました。自分は全く平気ですが、飲み過ぎて振り子特急の揺れにやられないように注意しましょう(笑)

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